思い出探偵 の商品レビュー
+++ もう一度会いたい人が、あなたにはいますか?小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……、 そんな小さな手がかりから、依頼主の思い出に寄り添うようにして、 捜しものを見つけ出していく“思い出探偵”。 京都御所を臨む地で「思い出探偵社」を開いた実相浩二郎は、息子を亡くし、妻がア...
+++ もう一度会いたい人が、あなたにはいますか?小さなガラス瓶、古いお守り袋、折り鶴……、 そんな小さな手がかりから、依頼主の思い出に寄り添うようにして、 捜しものを見つけ出していく“思い出探偵”。 京都御所を臨む地で「思い出探偵社」を開いた実相浩二郎は、息子を亡くし、妻がアルコールに溺れていくのを見かねて刑事を辞めたという過去を持つ。 思い出探偵社には、その誠実で温かい人柄にひかれるようにして、元看護師の一ノ瀬由美、役者志望のアルバイト本郷雄高、10年前に両親を惨殺された27歳の橘佳奈子が集まった。 粗末なペンダントをわざわざ届けてくれた男性を探す「温かな文字を書く男」、ジャズ喫茶でのわずかな時間の出会いが人生を変えた「折り鶴の女」、車椅子の青年が思い出探偵社を混乱に陥れる「嘘をつく男」、戦後の混乱期に命を救ってくれた男性を探す「少女椿のゆめ」の4編を収録。 乱歩賞作家によるミステリータッチのハートフルストーリー。 +++ 連作集なのだが、馴染みのある連作集よりも、物語間の区切りがはっきりしていなくて、流れが滞らずに大きな緩やかさで流れている印象である。探偵社のメンバーも、それぞれ重い荷物を背負っており、依頼者の思い出探しに奔走する姿に、真剣に寄り添う想いが感じられるのが、痛ましくもある。だが、依頼者の思い出を探しながら、わずかずつでも自らの思い出したくないものにも向き合い、いつか乗り越えていけそうな気配が見えるのが嬉しくもある。続編もぜひ読んでみたいシリーズである。
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変わったテーマで、また舞台が京都と云うことでなかなか面白かった。作者は洛南高校から仏大だそうである。結構京都の南部が出てくるので、そっちの出身? ただ、佳菜子の話は進展し過ぎって印象を受けた。もう少し掘り下げてからでも良かったのでは? でも、面白いと思います。
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元刑事が、依頼人の思い出の謎を解き、人や物を探し出すという、ノスタルジー漂うミステリー。 思い出となる設定も、ガラス瓶や折り鶴などの小物もいい雰囲気なのに、探偵事務所の登場人物に魅力がないのが残念である。それぞれが事情と深い傷を抱えているのに、それが伝わらない。かえすがえすもった...
元刑事が、依頼人の思い出の謎を解き、人や物を探し出すという、ノスタルジー漂うミステリー。 思い出となる設定も、ガラス瓶や折り鶴などの小物もいい雰囲気なのに、探偵事務所の登場人物に魅力がないのが残念である。それぞれが事情と深い傷を抱えているのに、それが伝わらない。かえすがえすもったいない。
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思い出にまつわる人や物・事柄を探し出す探偵さんのお話。 予想外にハラハラする話もあり、面白かった。じわじわくる。どれもうまく行き過ぎかなとは思ったけど、うまくいかなかったら、それはそれで悲しいのでOK。 終わり方に物足りなさを感じたけど、次作も期待!早く文庫化されてほしい。
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依頼人の思い出を対象とした探偵小説で切り口としてはなかなか面白かったが、全体的に事がうまく運びすぎていて、現実味はなかった。 舞台は私の故郷でもある京都。 4章で構成されているが、私の好みは3章の「嘘をつく男」。佳菜子に迫る危機が丁寧に描かれていて、小説を読みながらハラハラした。...
依頼人の思い出を対象とした探偵小説で切り口としてはなかなか面白かったが、全体的に事がうまく運びすぎていて、現実味はなかった。 舞台は私の故郷でもある京都。 4章で構成されているが、私の好みは3章の「嘘をつく男」。佳菜子に迫る危機が丁寧に描かれていて、小説を読みながらハラハラした。 一方で物語を締めくくる第4章「少女椿の夢」は、途中で尻切れトンボのように終わっており、もやもやが残ったまま話が終わってしまう印象であった。最後の展開をあえて描写しなかったように思うが、その後の展開を創造するヒント、種みたいなものも描かれておらず、深みがないまま終わってしまう点は残念であった。 解説によると「思い出をなくした男」という続編があるらしい。
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自殺として片付けられた息子の死に疑問を抱き、上層部に楯突いたことが きっかけで刑事をやめてしまった男が主人公。 彼はその後、人々の思い出を探る「思い出探偵」を開業。 認知度も上がり、少しずつ仕事も増えていた。 思い出を探る、という観点が珍しくて楽しみにしていました。 まぁ、可も...
自殺として片付けられた息子の死に疑問を抱き、上層部に楯突いたことが きっかけで刑事をやめてしまった男が主人公。 彼はその後、人々の思い出を探る「思い出探偵」を開業。 認知度も上がり、少しずつ仕事も増えていた。 思い出を探る、という観点が珍しくて楽しみにしていました。 まぁ、可もなく不可もなく、という感じかな。 あえてそうしているのかもしれないけど、どうも盛り上がりに欠ける。 一番イイ所が語られていなかったり、そこを落とし所にするのかって 箇所があったりしてね。 そんなにうまくいくもんじゃないよ、ってことを語りたいんなら、 もっとはっきりと顧客の期待に添えなかった依頼を語ってもいいのでは? 息子の死の真相(?)に辿り着く部分もやけにあっさりだし、 なんだかちょっとバランス悪いなーと。 「思い出探偵」というネタ自体は面白いのに、ちょっと残念。
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