「科学にすがるな!」 の商品レビュー
「科学コミュニケーションってこういうもの」という見本のような一冊。 ゴリゴリの文系人間なので、わかりやすく書かれているはずの科学解説が半分くらいしか理解できず、読み進めるのが大変だった。 でも、だからこそ社会の中で「科学」がどう見られているかと、実際に科学に携わる側のギャップや、...
「科学コミュニケーションってこういうもの」という見本のような一冊。 ゴリゴリの文系人間なので、わかりやすく書かれているはずの科学解説が半分くらいしか理解できず、読み進めるのが大変だった。 でも、だからこそ社会の中で「科学」がどう見られているかと、実際に科学に携わる側のギャップや、それが生み出される背景や問題点が眼前に洗い出されるような感覚が生々しい。 科学だけでなく「よくわからないけどスゴそうな何か」に問題解決してもらいたいと思ってしまうのがいかに危ないかがよくわかる。 冒頭投げかけられる「科学者の死生観」については人間愛溢れる回答が提示されており、少し泣けてしまった。
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☆すべての学問は役に立つための手法である。量子力学もそうだが、科学的な予想はどこまで行っても確率。ふつうの人も物事を確率で発想できる社会にならないといけない。
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佐藤さんの意見(死についてではなく宇宙や科学・物理学についての)は物理の宇宙・素粒子関連の業界にいる人にとっては, どこかで聞いた意見であるかと思います. 多くの人はこのような業界と接点が無いかと思いますので, そのような分野の人間の考えが読み取れる面白い本だと思います. ”宇...
佐藤さんの意見(死についてではなく宇宙や科学・物理学についての)は物理の宇宙・素粒子関連の業界にいる人にとっては, どこかで聞いた意見であるかと思います. 多くの人はこのような業界と接点が無いかと思いますので, そのような分野の人間の考えが読み取れる面白い本だと思います. ”宇宙と死”について多くは語られてはいません. 一般的な科学に関わる人の意見止まりといった所でしょうか. この副題で興味を持った人には,やや期待はずれとなるかもしれません. "科学にすがるな"に興味を持ったのなら,面白く読めると思います. 宇宙等にあまり詳しくない人の疑問に対し, 佐藤さんがやや厳しいともいえる意見を返します. これが佐藤さんの本音かはわかりませんが, 学者の本音みたいなものが聞きたい人にはおすすめできる本です.
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科学者の視点で生と死をどうみていくか?宇宙とは都合のいい言葉で、「まともにものを考える回路を鈍らす、麻薬的な言葉」(P.52)、「生まれるのも死ぬのも細胞はどちらもちゃんとした手順で変化する。それを区別しているのは人間である」(P.202)という著者の表現は、漠然と思っていたこと...
科学者の視点で生と死をどうみていくか?宇宙とは都合のいい言葉で、「まともにものを考える回路を鈍らす、麻薬的な言葉」(P.52)、「生まれるのも死ぬのも細胞はどちらもちゃんとした手順で変化する。それを区別しているのは人間である」(P.202)という著者の表現は、漠然と思っていたことを端的に示していると感じた。一科学者の宇宙観、死生観を知ることができる1冊です。
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宇宙を研究している物理学者は、死とは何か?人はなぜ生まれてきたのか?生きる意味とは何か?ということを、いったいどのように捉えているのでしょう?死を身近に感じる経験をした著者はそんな疑問を抱き、高名な宇宙物理学者である佐藤文隆先生に教えを乞うことにしました。本書は、京都で7回にわた...
宇宙を研究している物理学者は、死とは何か?人はなぜ生まれてきたのか?生きる意味とは何か?ということを、いったいどのように捉えているのでしょう?死を身近に感じる経験をした著者はそんな疑問を抱き、高名な宇宙物理学者である佐藤文隆先生に教えを乞うことにしました。本書は、京都で7回にわたって行われた、お2人の対談の様子をまとめたものです。佐藤先生のお話は、のっけから著者の期待を裏切るような、とんでもない方向へ進んでいきます。「物理では人間はわからない。死とは何かということの答えを宇宙に求めてはいけない。死の意味を問うな。科学とは好奇心を満たすためのものではない」などと先生はおっしゃいます。それでも物理学者の死生観を聴き出したいと食い下がる著者。物理の専門的なお話については、理解の及ばない部分も多々ありましたが、とても面白い内容でした。佐藤先生のシニカルな言動は、科学者としての誇りと謙虚さの表れなのでしょうネ。科学とは何か?ということを改めて考えさせられる1冊でした。
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突き詰めても、「人間」という枠からは脱出できないっていうところ。暗黒物質暗黒エネルギーは、きっといつまでも「人間」にとっては「暗黒」のままだろうというところ。 装丁やデザインが、小説っぽいのが新鮮で買いました。が、宇宙物理を違った角度から語る本を探していた私にぴったりきたので嬉しいおどろき。 宇宙物理系の本を読むのがお好きな人はぜひ。発想の転換のヒントをもらえるかも。と期待してるのは私です。
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佐藤先生の切り口が鋭く、痛快、のち、感嘆。 職業研究者と、そうでない一般の人で宇宙に興味を持っている人。両者の隔たりはこんなにも大きい、ということを見せつけられる本でもある。
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