共喰い の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
共喰い とても面白かった。だが、難しかった。「時間」についての軸が捉えきれなかった感がある。 父を必要以上には悪く書いていない所がいいなと思った。 第三紀層の魚 読みやすかった。面白かった。 最後に釣り上げたのがチヌでなくコチなのは良いと思ったのだが、なぜチヌでなくコチを「第三期層の魚」にしたのかはわからなかった。
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第146回芥川賞受賞の表題作と『第三紀層の魚』、瀬戸内寂聴との対談を収録。『共喰い』は性と暴力が目立つというか本筋ではあるんだけど、『第三紀層の魚』と合わせて親子や家族関係におけるつながりやしがらみ、愛情と呪いが描かれている作品。特に『共喰い』で避けえぬ呪い的に描かれていたものが...
第146回芥川賞受賞の表題作と『第三紀層の魚』、瀬戸内寂聴との対談を収録。『共喰い』は性と暴力が目立つというか本筋ではあるんだけど、『第三紀層の魚』と合わせて親子や家族関係におけるつながりやしがらみ、愛情と呪いが描かれている作品。特に『共喰い』で避けえぬ呪い的に描かれていたものが『第三紀層の魚』の主人公はサラッとそこから自由な視点を持っていつつ、繋がりのあたたかみや喪失感が対比的に描かれていて面白かったし、瀬戸内寂聴との対談テーマが家族や性愛のドロっとした古典であるところの『源氏物語』なのも含めて一冊としての完成度が良い。
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暗いし、ひどいし、辛いけれど、自分の望んでいない何かが残る、印象に残った作品。なんだかこびりついた感じがした。
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純文学というカテゴリを初めて知りました。なるほど、たしかに娯楽というよりは芸術に近い作品なのだな、と感じました。対談に私小説は書かないとありましたが、体験や経験なしで、遠馬の性衝動をあそこまで生々しく書き上げる腕に驚嘆しました。
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共喰いは、ひたすらに欲がぶちまけられた、純文学らしい作品だった。なんというか、時代が変わったんだなぁ、良い世の中に向かってるんだなぁということを強く感じられるお話。 第三紀層の魚、こっちがとても刺さった。なんでこんな子供のときの気持ちをクリアに描けるんだろう。思い出して胸が苦し...
共喰いは、ひたすらに欲がぶちまけられた、純文学らしい作品だった。なんというか、時代が変わったんだなぁ、良い世の中に向かってるんだなぁということを強く感じられるお話。 第三紀層の魚、こっちがとても刺さった。なんでこんな子供のときの気持ちをクリアに描けるんだろう。思い出して胸が苦しくなった。
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共喰いと第三紀層の魚の2編が入っており他のレビュアーも書かれていたが、私も第三紀層の魚の方が好みであった。 第三紀層の魚 田舎町で、祖母や曾祖父などと共に生きた少年の成長譚であるが、じいちゃんや、ばあちゃんがいた人ならわかる気持ちが非常に共感を得る。身近な人の死、そしてそれが悲し...
共喰いと第三紀層の魚の2編が入っており他のレビュアーも書かれていたが、私も第三紀層の魚の方が好みであった。 第三紀層の魚 田舎町で、祖母や曾祖父などと共に生きた少年の成長譚であるが、じいちゃんや、ばあちゃんがいた人ならわかる気持ちが非常に共感を得る。身近な人の死、そしてそれが悲しいことなのかどうかすら、わからない少年時代。鬱屈とした昭和の空気感は 逆に読んでいて新鮮であった。
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暴力的な描写や、情景の描写が映像を見ているかのように強烈にイメージできた。作者の強烈なインパクトの受賞会見が今も記憶に残っているが、この作品もずっと鮮明に私の記憶に残ると思う。瀬戸内寂聴との対談も源氏物語に触れられており、とても面白かった。
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血は争えないよなって 色んなものが川に流れていく表現が良かった ずっとずっと雨だなって感じ 第三紀層の魚の方が好き 気づいたらぼろぼろ泣いてた
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性についてはっきり意識しだす 思春期の男性は、こんなに世界が 歪んで見えて 頭の中でぐるぐる考え事しよるんかな? 血の繋がりがなくなることはないから 主人公は自分の中の父親をも食って、 戦って、乗り越えてほしい
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純文学を感じた。 共喰いは私にはまだわからないところも多かったが、第三紀層の魚は、(すこしありがちなストーリーにも感じたが)読みやすく面白かった。 巻末の対談も良かった。
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