共喰い の商品レビュー
父親を嫌悪しているからこそ、似ている部分抑えられない衝動が許せないという心の葛藤が上手く書かれてるのかなと。。内容は重めだけどのめり込んで読んでしまった
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性交時に女性を殴る性癖をもつ父親を否定しながらその血を受け継いでいることを自覚する17歳の青年の葛藤を描いた作品。地方での貧しい生活描写が生々しく重苦しく閉塞感がすさまじい。父親の行動はクズでしかなく胸糞悪すぎて正直これほど読み進めるのを苦痛に感じるのは初めてでなぜこの本を選んでしまったのか後悔したほど。 芥川賞受賞作品だけど私的には全く受け付けなかった。唯一女性たちの覚悟や強さを描いた部分は素晴らしくそこだけでも救われた気がする。ごめんなさいもうこれ以上書けません。
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主人公が行為の際に殴ってしまう、その方が興奮するというのはまだわかるとして、 同居している父親の恋人にムラムラきてることも、彼女を殴ってしまってそのことにショックを受けているのに彼女とまた行為をできるかどうかばかり心配していて、気持ち悪かった。アパートの女ところに行ってしまったことも無理。 女目線で読んでるからでしょうか?それにしてもさあ…… とりあえず父親は最低です。 10年以上前にAKB48のブックカバーがほしくて買った本。やっと読めたと思ったら内容が暗くてしょんぼり
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女を殴る父と、同じ目をした、俺。 川辺の町で暮らす17歳の少年。セックスの時に暴力を振るうという父親の習性を受け継いでいることを自覚し、懼れ、おののく…。逃げ場のない、濃密な血と性の物語。第146回芥川賞受賞作。 映画化もされ好評だったらしい。 芥川賞受賞時の物言いにも賛否両論...
女を殴る父と、同じ目をした、俺。 川辺の町で暮らす17歳の少年。セックスの時に暴力を振るうという父親の習性を受け継いでいることを自覚し、懼れ、おののく…。逃げ場のない、濃密な血と性の物語。第146回芥川賞受賞作。 映画化もされ好評だったらしい。 芥川賞受賞時の物言いにも賛否両論出たようで なんとなく、世間を騒がせる作家さんのようですね。 この作品は、読みやすい。 しかし非常にダークな人間模様を表しており なんともやるせない、親子の関係性、情、血縁の悩ましさなどを鬱々と描いている。
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この方の作品「切れた鎖」を読んで、全く理解出来たかったのですが、こちらは芥川賞受賞作品との事で、もう一度挑戦。無事に読めました。クセのある文章ですが今回は読めたので、ほかの作品も読みたくなりました。
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表題作は、映画版を観たことがあって、こんな話だったなぁーと思いながら読んだ。あの映画、結構忠実だったんだな。全体的に共感はできない話だけど、母の義手の設定が印象的だった。 2つめの話も同じくバイオレンスな感じなのかと思ったが、意外に教科書に載っているような雰囲気だった。祖父にとっ...
表題作は、映画版を観たことがあって、こんな話だったなぁーと思いながら読んだ。あの映画、結構忠実だったんだな。全体的に共感はできない話だけど、母の義手の設定が印象的だった。 2つめの話も同じくバイオレンスな感じなのかと思ったが、意外に教科書に載っているような雰囲気だった。祖父にとっての戦争、日の丸、勲章とは。父親を亡くした少年の話だったので、先に巻末の対談を読んでいたため、著者自身がこういう少年時代を過ごしたのかな、と想像した。でも、対談では実体験を書くことはあまりないようなことが書いてあったので、そうとは限らないのかも。著者が釣りが好きなのは確かだと思うけど。 そして、瀬戸内寂聴との対談。こんなに謙虚で、『源氏物語』とか読む人だったんだなぁと思って、「もらっといてやる」が話題となった芥川賞の受賞会見をYouTubeで見てみたら、やはり感じが悪くて面白かった。
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共喰い とても面白かった。だが、難しかった。「時間」についての軸が捉えきれなかった感がある。 父を必要以上には悪く書いていない所がいいなと思った。 第三紀層の魚 読みやすかった。面白かった。 最後に釣り上げたのがチヌでなくコチなのは良いと思ったのだが、なぜチヌでなくコチを「第三期層の魚」にしたのかはわからなかった。
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第146回芥川賞受賞の表題作と『第三紀層の魚』、瀬戸内寂聴との対談を収録。『共喰い』は性と暴力が目立つというか本筋ではあるんだけど、『第三紀層の魚』と合わせて親子や家族関係におけるつながりやしがらみ、愛情と呪いが描かれている作品。特に『共喰い』で避けえぬ呪い的に描かれていたものが...
第146回芥川賞受賞の表題作と『第三紀層の魚』、瀬戸内寂聴との対談を収録。『共喰い』は性と暴力が目立つというか本筋ではあるんだけど、『第三紀層の魚』と合わせて親子や家族関係におけるつながりやしがらみ、愛情と呪いが描かれている作品。特に『共喰い』で避けえぬ呪い的に描かれていたものが『第三紀層の魚』の主人公はサラッとそこから自由な視点を持っていつつ、繋がりのあたたかみや喪失感が対比的に描かれていて面白かったし、瀬戸内寂聴との対談テーマが家族や性愛のドロっとした古典であるところの『源氏物語』なのも含めて一冊としての完成度が良い。
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暗いし、ひどいし、辛いけれど、自分の望んでいない何かが残る、印象に残った作品。なんだかこびりついた感じがした。
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純文学というカテゴリを初めて知りました。なるほど、たしかに娯楽というよりは芸術に近い作品なのだな、と感じました。対談に私小説は書かないとありましたが、体験や経験なしで、遠馬の性衝動をあそこまで生々しく書き上げる腕に驚嘆しました。
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