そして、人生はつづく の商品レビュー
川本三郎さんのエッセイ「そして、人生は続く」、2013.1発行です。川本さんのエッセイには読書された本がたびたび登場します。それを確認するのも大きな楽しみの一つです(^-^) この作品からは、川口明子著「大塚女子アパートメント物語」(2010)を読みたいなと思ってます。また、年を...
川本三郎さんのエッセイ「そして、人生は続く」、2013.1発行です。川本さんのエッセイには読書された本がたびたび登場します。それを確認するのも大きな楽しみの一つです(^-^) この作品からは、川口明子著「大塚女子アパートメント物語」(2010)を読みたいなと思ってます。また、年を取ったら気をつけることで「ヨイコノタメノカギ」を知りましたw。「酔って入浴するな、医者と仲良くしろ、転ぶな、のみ損なうな(餅など)、食べ過ぎるな、目方に注意、飲み過ぎるな、風邪をひくな、義理を欠け」気をつけます(^-^)
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愛妻を亡くした後のひとり暮らしの家事のこと、震災後に再訪した東北の小さな鉄道の旅のこと、そして3・11と世の中のこと……。静かな老年の日々を綴った「独り居」の日記。
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いいな。妻を亡くした初老の男性の日常。朝食を丁寧に作り、思い立つと電車に乗ってひとり旅。ローカル鉄道でのんびり揺られながらの読書が捗る。気ままに降り立った駅で社寺に出会うとお参りをする。そして町をめぐり立ち止まった居酒屋に入り熱燗を所望するのだ。 帰宅したら、お気に入りの映画のD...
いいな。妻を亡くした初老の男性の日常。朝食を丁寧に作り、思い立つと電車に乗ってひとり旅。ローカル鉄道でのんびり揺られながらの読書が捗る。気ままに降り立った駅で社寺に出会うとお参りをする。そして町をめぐり立ち止まった居酒屋に入り熱燗を所望するのだ。 帰宅したら、お気に入りの映画のDVDを愉しみ就寝。晴れた朝にはふとん干し。ちょっと寂しめだけれど、それでも充実した豊かな時間が過ぎていく。老後の時間の味わい方教えられました。
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近所のなんでもない川のそばを ゆっくり 散歩しているような気持ちに させてもらえる 一冊 「しあわせ」なものは すぐそばに いくつもあるよ を 静かに教えてもらっているような
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川本三郎には、荷風、林芙美子、白秋など近代文学史上に名を残す作家の評伝を書くという文芸評論家の仕事とは別に、映画、鉄道旅行、居酒屋、商店街といったお気に入りの主題を材に採ったエッセイ作家の顔がある。数年前に永年連れ添った伴侶をなくしてからは、それに独り居の日記という体裁の気どらない日誌風の文章が加わった。 イランの映画監督アッバス・キアロスタミの作品からタイトル名を借りた今度の本にも、その弧愁の色が影を落としている。さらには地震の被災地をめぐる記録映画の形をとった映画同様、3.11後の東北を訪れた際の文章も数多く含まれている。どんな辛い出来事に出会おうとも、残された者はその後の人生を生きていかなければならない。淡々とつづられた文章の向こうに日々の暮らしをつづけていく、たしかな力が透けて見える。気負いのない、むしろ軽みすら感じさせる筆致からは、ようやく老境に入りかけたかつての青年の姿を想い見ることができる。 自らの「愚行」の記録でもある『マイ・バック・ページ』の映画を見ながら、手ばなしで泣いてしまう川本には、いい意味での人の良さを感じる。「朝日との切れ目が縁の切れ目」と、事件後「朝日」を辞めた自分の周囲から去ってゆく人々を恨むでもなく、独り引きこもった彼だったが、復帰を喜んでくれる人々も少なくはなかった。井上ひさし、種村季弘、丸谷才一といった錚々たる顔ぶれが物書きとしての川本を認めていた。丸谷の死を悼む一文には、刊行当時、また袋叩きに会うのではないかと恐れた『マイ・バック・ページ』を一番に書評で評価してくれたことに礼を言う川本に、「僕は『笹まくら』の著者だよ」と応じた丸谷の言葉が紹介されている。情理を尽くした一言に読んでいるこちらまでうれしくなった。 一人になったこともあって、以前にもまして気軽に旅に出るようになっている。旅といっても各駅列車に乗って近くに出かける日帰り程度の旅が多いのだが、この近郊への旅で見つけた、観光地でない日本の小さな町歩きが、エッセイの恰好の材料になっている。人の暮らしぶりがそのまま町の風景となっているような、まだ日本に残っている名も知らない町、食堂があり、居酒屋があり、時には温泉があったりする。 かつては「中年房総族」と名乗って房総半島を経巡っていたが、近頃は八高線沿線がテリトリーになっているようだ。ファミレスや牛丼屋で朝飯を済ませ、鉄道に乗り、遠くは小淵沢まで足をのばす、その間車内を書斎代わりに読書し、好きなところで降りて、駅弁で昼食、小一時間ほど湯に浸かった後は近所の町をぶらぶら歩き、そしてまた鉄道に乗って帰ってくる。 夜は、DVDで古い映画を観ながら燗酒を独酌。映画を一本見終わったら床に就くという、淋しいような、気楽なような暮らしのところどころに観劇や、音楽会、講演会で出会った人との交友をちりばめながら、この本はつづられている。肩の力の抜け具合がほどよく、読んでいて心地よい。「朝ジャ」で中津川のフォーク・ジャンボリーを取材した話を読んで、国鉄の汽車に乗って出かけた当時を思い出した。もしかしたら糀の湖畔ですれちがっていたかもしれないな、と懐かしくなった。
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「遠い声」が特に好きです。 素朴で短い一編一編ですが、大変揺さぶられた。なんじゃこりゃ。 川本さんの文章に初めて触れました。他の作品も読みたい。
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3.11は著者の日常にも影響を与えた。2年間、大学で教えていた時の学生が被災地にボランティアで入り、戻ってきたときのコメントが何ともつらい。 2015.6.29再読。
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川本三郎『そして、人生はつづく』平凡社、読了。随筆の名手が静かな老年の日々を綴った一冊。著者は4年前に妻を亡くした。家の中は孤独が支配する--。寂しい時、著者は行動する。その際の規範は急がないこと。時間をかけて遠回りする。出会いと別れ、東京散歩と日常生活。「ひとりで生きる」意義と智慧を教えてくれる味わい深い珠玉の作品集。 http://www.heibonsha.co.jp/catalogue/exec/viewer.cgi?page=browse&code=835097 表題は勿論、イランのアッバス・キアロスタミ監督の作品から。初老向けとの評価が多いのですが、若い人も紐解いて欲しい一冊です。
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奥様を亡くされ、一人暮らしになった著者による日記形式の2010年から2012年までの身辺雑記とエッセイ。読書、映画・音楽鑑賞、町歩き、旅の毎日がつづられている。鉄道による東北への支援等、前に向かって新しい環境に適応していこうとの強い意思が感じられて安心した。八高線沿線が新しい散歩...
奥様を亡くされ、一人暮らしになった著者による日記形式の2010年から2012年までの身辺雑記とエッセイ。読書、映画・音楽鑑賞、町歩き、旅の毎日がつづられている。鉄道による東北への支援等、前に向かって新しい環境に適応していこうとの強い意思が感じられて安心した。八高線沿線が新しい散歩の対象として登場したのは、八王子の住人としてうれしい。丸谷才一さんを偲ぶエッセイも良かった。いつか隠棲したいとつぶやかれているが、いつまでも現役で、すばらしい作品を書き続けて欲しい。
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