イメージ の商品レビュー
見ることの本質とは想像以上に深く多層的で、社会、歴史、文化、それぞれの背景をもとに外向的にも内向的にも絶えず変化していく。 ベンヤミンの複製技術論は本著の論述において特に大きなウェイトを占めているが、後半で記される近代化による都市空間の変化、特にパリの部分に関しても、やはりベンヤ...
見ることの本質とは想像以上に深く多層的で、社会、歴史、文化、それぞれの背景をもとに外向的にも内向的にも絶えず変化していく。 ベンヤミンの複製技術論は本著の論述において特に大きなウェイトを占めているが、後半で記される近代化による都市空間の変化、特にパリの部分に関しても、やはりベンヤミンの視座が援用されている。 見ることとは技術の一つであり、その技術に長けた人もいれば苦手な人もいる。 映画や画像が大量生産されるSNS時代において「見ること」とは何なのか。 そもそも「見ること」に先行する「見られるもの」が人の内面に干渉することで、思考のメカニズムや趣味趣向、ひいては心の在り方すらも変化させる。
Posted by
美学関連の本を読みあさっていた時にリストアップした本。 様々な視点から「見る」ということを再考している。今まで 多くの本を読んできた私にとっても新たな視点の発見がある という僥倖。「男は女を見る。女は見られている自分自身を 見る」「所有形式としての絵画」「肖像画の相貌はやがて マ...
美学関連の本を読みあさっていた時にリストアップした本。 様々な視点から「見る」ということを再考している。今まで 多くの本を読んできた私にとっても新たな視点の発見がある という僥倖。「男は女を見る。女は見られている自分自身を 見る」「所有形式としての絵画」「肖像画の相貌はやがて マスク(仮面)になっていった」「広告は未来について語って いる」etc. 近々「見るということ」も読みます。
Posted by
2022/03/30 説明がわかりやすい。翻訳がいいのかな? 絵を考える時にすごく役に立ちそうな本だ
Posted by
原書名:WAYS OF SEEING 1 イメージの変容 2 社会空間になったイメージ 3 「見ること」と「見られること」 4 見られる女たち 取り囲む女たち 5 所有するタブロー 6 「見ること」のなかの「所有すること」 7 広告の宇宙 見ることのトポロジー(伊藤俊治)
Posted by
「借」(大学の図書館。) 「ものを見る」とはどういうことなのか。 これが中心のテーマとなっている本。 油絵のもつ意味とは? 広告と油絵の関係とは? など、様々な視点から、「ものを見る」ということに対して問題提起をしている一冊。 最近、イメージとかに興味があったから とても刺...
「借」(大学の図書館。) 「ものを見る」とはどういうことなのか。 これが中心のテーマとなっている本。 油絵のもつ意味とは? 広告と油絵の関係とは? など、様々な視点から、「ものを見る」ということに対して問題提起をしている一冊。 最近、イメージとかに興味があったから とても刺激的だった。 できたら手元に欲しい一冊。
Posted by
絵画、写真、広告などの各種画像を並べ、見る=わかる(see)とは何かという問いを提起する、意欲的な著作。 「見られるもの」であり、かつ「見られる自分を見るもの」でもある女性をめぐる考察、複製技術による「芸術」の意味の変化、政治的現象としての広告など、とても興味深い考察が繰り広げら...
絵画、写真、広告などの各種画像を並べ、見る=わかる(see)とは何かという問いを提起する、意欲的な著作。 「見られるもの」であり、かつ「見られる自分を見るもの」でもある女性をめぐる考察、複製技術による「芸術」の意味の変化、政治的現象としての広告など、とても興味深い考察が繰り広げられる。 ただし「油絵の歴史」の項はちょっと腑に落ちないところがあった。古典的西洋絵画は「物の所有」という、資本主義的欲望と結びついているというのだ。そういう部分もあるかもしれないが、「所有」が絵画に結びつくという考えはしっくりこないものがあった。 図版が大量で、この本は文章としては実質短い。ちょっと舌足らずで、仕切り切れトンボで終わってしまっている感もあり、少し残念だった。 問題提起の書としては、すこぶる面白いと思う。
Posted by
- 1