「紙の本」はかく語りき の商品レビュー
多数の本が紹介され、ほとんどは私にとっては難解だったが、著者が世の中をみる姿勢のようなものは伝わってきた。思想とか哲学とか、現代ではもう意味をなさないかに思えるものをあえて読み解いてみるところに意味がある。 時間の流れ方についての考察が興味深かった。
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文体自体はエッセイ形式ですが、内容的には各種、具体的には文学や歴史や哲学、政治や経済などの評論になっています。 時代の変化、直観、絶対者、因果律、脱構築・・・といった様々なキーワードをもとに現代の荒波に立ち向かう指針を得ようというコンセプトで、古いものも最新のものも縦横に読んで論...
文体自体はエッセイ形式ですが、内容的には各種、具体的には文学や歴史や哲学、政治や経済などの評論になっています。 時代の変化、直観、絶対者、因果律、脱構築・・・といった様々なキーワードをもとに現代の荒波に立ち向かう指針を得ようというコンセプトで、古いものも最新のものも縦横に読んで論じつくすスタイルは今時珍しい読書による人格修行を兼ねていると言えます。 こういうの、昔はなんとか主義と言ってたと著者も最後に言っていますが、なんとかに何が入るかは直観が不可欠です。 感じて、そして飛びましょう。
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評論寄りのエッセイ。といいうか、内容的には近代思想や、いまわれわれがとっている思考形態は、すべて時代や場所による制約を受けている、ということを認識しないと、人は思考停止に陥り、あるはずのない(あるいはあるがどうかわからな)あちら側の絶対者(神であったり支配的イデオロギー)にからめ...
評論寄りのエッセイ。といいうか、内容的には近代思想や、いまわれわれがとっている思考形態は、すべて時代や場所による制約を受けている、ということを認識しないと、人は思考停止に陥り、あるはずのない(あるいはあるがどうかわからな)あちら側の絶対者(神であったり支配的イデオロギー)にからめとられてしまう。ということが言いたいのかな。つまりほぼ評論なんだけど、著者の手法が、「直観」という飛躍や、論理を追い越した理解であるため、なんともエッセイチックな評論になっているというわけ。 説明するの難しいねえ。 分かる人には直観してほしいんだけど、自分は小林秀雄を連想しました。 あと、興味深いのは新しい思考や思潮ではなく、図書館でたぶんほとんどの人が読むことはないであろう昭和以前の人文書をベースに原稿を書いているところが好き。この方のような読み手、もっと出てきてほしいなあ。 読みながら、もう少し深く読んでみたいと感じたのはやはりニーチェの書著作。 また西洋近代の哲学をおさらいしているというバートランドラッセルの「西洋哲学史」。 観念的、超越的な本質の存在を否定したというバークリの「人知原論」や「ハイラスとフィロナスの三つの対話」 モンゴルが中国を支配したときの徹底的な弾圧を論評しているという吉川幸次郎の本。 清朝の初代と2代目皇帝の年代記の「満文老档」。 グノーシスに関する「ヘルメス文書」「ジョルダーノ・ブルーノとヘルメス教の伝統」など しかしどれも、入手困難そうである。 。
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何のために読書をするのか、それは人格を鍛えるため。 著者というものは、どのようなレベルかわからない不特定多数によって、自分のレベルを常に測られるものである。 哲学がわかりにくいのは論理的でないから。 大学にはディスシプリン系教授とマスコミ教授がいる。初期化が必要。 ディスシプリン...
何のために読書をするのか、それは人格を鍛えるため。 著者というものは、どのようなレベルかわからない不特定多数によって、自分のレベルを常に測られるものである。 哲学がわかりにくいのは論理的でないから。 大学にはディスシプリン系教授とマスコミ教授がいる。初期化が必要。 ディスシプリン系の真骨頂は大量の資料を処理し実証的に結果を出すこと。
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誰にも読まれない図書館に埋もれている本にも今読む価値があると、旧刊書も新刊書も区別をせずに36章により広く深く紹介するブックガイド。著者は東洋史の教授なので、韓国、北朝鮮、中国、モンゴル等の東アジア関連が充実しており面白い。未来から時間が押し寄せてくるという時間感覚に変わってきて...
誰にも読まれない図書館に埋もれている本にも今読む価値があると、旧刊書も新刊書も区別をせずに36章により広く深く紹介するブックガイド。著者は東洋史の教授なので、韓国、北朝鮮、中国、モンゴル等の東アジア関連が充実しており面白い。未来から時間が押し寄せてくるという時間感覚に変わってきているとの指摘と脱構築派への敵意が面白かった。ブックガイドの体裁をとっているが、歯が立ちそうな本は殆ど無い。読み物として楽しんだ。
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