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文明的野蛮の時代 の商品レビュー

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2013/06/15

意識しょうとしよまいと、われわれは本質的にニヒリズムに浸されるほかはない。 近代の技術主義の行くつく先に現代人は、どう折れ合いをつけるのか。 物的な富の無限の追及、何ものかによる拘束からの解放、空間的な移動や伝統からの解放、こうしたことをほぼ無条件で「幸福」とみなす精神は近代...

意識しょうとしよまいと、われわれは本質的にニヒリズムに浸されるほかはない。 近代の技術主義の行くつく先に現代人は、どう折れ合いをつけるのか。 物的な富の無限の追及、何ものかによる拘束からの解放、空間的な移動や伝統からの解放、こうしたことをほぼ無条件で「幸福」とみなす精神は近代に特有なものである。 そのことを「よし」、としながらも原始的な不安に苛まれる現代人。 現代文明がはらむ逆説。 いろんな角度で解き明かしてくれる著者。 しかしながら、不安を抱えながらも生きていく哲学を求めていくことが個々の努力に求められる。 そんなことをひしひしと考えさせられる一冊でした。

Posted byブクログ