瑞穂の国うた の商品レビュー
すごくわかりやすい。素人ながら外観がわかってきた気がする、ようになる。歳時記というのでしょうか。 高浜虚子はとても面白いんですね。読んでみよう。 あと、お雛様はヒトガタだったんですね。昔は。今の時代で失われたものは多いなあ。新しい季節感とかを、新しい言葉で作ることは可能なのだろう...
すごくわかりやすい。素人ながら外観がわかってきた気がする、ようになる。歳時記というのでしょうか。 高浜虚子はとても面白いんですね。読んでみよう。 あと、お雛様はヒトガタだったんですね。昔は。今の時代で失われたものは多いなあ。新しい季節感とかを、新しい言葉で作ることは可能なのだろうか。実感は得られるのだろうか。
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※このレビューにはネタバレを含みます
前半は一年の12の月毎の詩歌を巡るエッセイで、後半は、芭蕉、子規、漱石、虚子を巡るエッセイで構成されている。 この著者ほど、古今の名歌を取り上げて、難しい事を簡単・平易に述べてくれる人はそうはいない。そういった意味で私のような詩歌に疎い者でも、詩歌の世界の贅沢な散歩が楽しめます。 例えば、こんな例があります。 「秋来ぬと目にはさやかに見えねども風のおとにぞおどろかれぬる」 という和歌を取り上げて、「この歌が、及ぼした影響は甚大なものがありました。立秋とは、すなわち秋風が吹くことだということになった・・・(略)・・・秋の季節感を人々に告げ知らせるものは『風』だった、という訳です。『時』の移り変わりを、目ではなく『風』という気配によって知るという、より、内面的な発見が、後世の美学に影響を与えた」 と言うように、日本の文学の花鳥風月と言った美意識がフィクションの上に成り立っている。「それをばかばかしいと思うことも結構だけれど、そういうばかばかしさの上に立って、日本人のある意味では壮大な美意識の体系が作りあげられてきたという事実の方が、もっと大切なのではないか」という風に具体的に解かり易く、さらりと説明してくれます。 また、「喋るという事と文章を書く事の違い」についてや、芭蕉の項では「上島鬼貫の再評価」、「レトリック一辺倒の子規に対する漱石の危惧」など、他にもいろいろあるのですが、私の能力では書き尽くせないので、これ位にしておきますが、是非一度手に取って欲しい本です。
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前半は詩人大岡 信の歳時記、後半は芭蕉、子規、虚子を中心とした俳句論。 前半の面白さは言わずもがな、圧巻は後半の子規、虚子についての論述であろう。俳句はアイディアが命、一瞬を切り取る事と言い切った見識の高さに脱帽する。
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