ゴシック・ローズ 魔女の代償 の商品レビュー
彼女の前に現れたのは、クリスの子孫で同じ権利を持つという娘リリス。 今回は、メイドか結婚かどころではなくなって、他の人にマルコシアスを譲るべきかという所で揺れる彼女の図です。必至に彼女がいいのだと、説得するマルコシアス様。悪魔なくせに誠実で繊細。 そんな彼がコミカルで可愛い。 ...
彼女の前に現れたのは、クリスの子孫で同じ権利を持つという娘リリス。 今回は、メイドか結婚かどころではなくなって、他の人にマルコシアスを譲るべきかという所で揺れる彼女の図です。必至に彼女がいいのだと、説得するマルコシアス様。悪魔なくせに誠実で繊細。 そんな彼がコミカルで可愛い。 http://books117117.blog110.fc2.com/blog-entry-2580.html
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“リリスはお客様だ。本来ならばもてなすべき存在であり、メイドであるローズは彼女の命令に従わなくてはならない。ましてローズがマルコシアスから再びあのような言葉をかけてもらいたいという欲求は、とても自己中心的なものであり、ご主人様の利を無視した身勝手な考えなのである。 それでもローズ...
“リリスはお客様だ。本来ならばもてなすべき存在であり、メイドであるローズは彼女の命令に従わなくてはならない。ましてローズがマルコシアスから再びあのような言葉をかけてもらいたいという欲求は、とても自己中心的なものであり、ご主人様の利を無視した身勝手な考えなのである。 それでもローズはぐっと顎を引いた後、意を決してリリスへと頭を下げた。 「申し訳ございません」 地面を見ながら謝る。 「わたくしはリリス様に、マルコシアス様と契約していただきたくありません。ですから、その命令にはおこたえしかねます」 一瞬の沈黙がふたりの間に満ちた。夜風がざわめき、薔薇の花びらを闇の中へと運んでいく。 やがてリリスが、低い声で「そう」と呟いた。おずおずと顔をあげると、そこにはしらけたような少女のまなざしが待っていた。 「なら仕方がないわね。残念だけどわたし、あなたとは仲よくなれないみたい」”[P.129] 2巻目。 幽霊(パトリック)とリリスの秘密が最後に明かされ、また読み返すとしっくりくる面白い。 毎回邪魔される不運なマルコシアス。 “ローズは無表情のままだったが、我が身を抱くようにしておののいた。 「……またこの展開だわ。私が死んで、マルコシアス様にご迷惑をおかけしている……」 自分が死んだらマルコシアスがクリスを思い出して悲しむから、絶対にもう危ない目にあうことのないよう気をつけねばと心に決めたはずなのに、まさかその舌の根も乾かぬうちに、こんなことになってしまうなんて。 私は滅多なことでは死にませんとローズが口にしたとき、マルコシアスはとても嬉しそうだった。今のこの現状は、あのときの彼の笑顔を裏切ることになるのだろうか。 (そんなのいやよ……マルコシアス様を悲しませるわけにはいかないわ) 打ち震えるローズの横で、パトリックが心底困ったように息を吐いた。”
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両方が奥手というか純な珍しくもかわいらしいカップル。リリスの正体は意外にもかわいらしいもので。クリスのキャラもちょっといい感じで、今後、ドウマと一緒に登場したら面白いことになるかも。
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