展覧会いまだ準備中 の商品レビュー
大学時代応援団員だったという経歴をもつ今田弾吉は、野猿美術館に就職して三年になるが、まだ自分の企画を通すことができないでいたが、弾吉のもとに、羊の絵を鑑定して欲しいという依頼が舞い込む。そんななか、美術品の輸送を専門とする丙午運送で働きながらボクシングをしている十代のサクラと出会...
大学時代応援団員だったという経歴をもつ今田弾吉は、野猿美術館に就職して三年になるが、まだ自分の企画を通すことができないでいたが、弾吉のもとに、羊の絵を鑑定して欲しいという依頼が舞い込む。そんななか、美術品の輸送を専門とする丙午運送で働きながらボクシングをしている十代のサクラと出会う。学芸員を主人公とした美術館ものといえば、その一言で片付くけれど、最後まで読まされてしまう。ユーモア溢れる筆致がこの作家の武器かもしれない。
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公立公園の一角に建つ野猿美術館。 そこに勤めるのは背が高くて声が大きい、元応援団員の弾吉。 常にジャージ上下で子どものようないたずらが大好きな筧。 作業に熱中すると食事も忘れる八木橋。 独裁主義の古参の学芸員窪内。 芸術オンチだけど若冲が大好きな頼りない館長。 応援団のOBやその...
公立公園の一角に建つ野猿美術館。 そこに勤めるのは背が高くて声が大きい、元応援団員の弾吉。 常にジャージ上下で子どものようないたずらが大好きな筧。 作業に熱中すると食事も忘れる八木橋。 独裁主義の古参の学芸員窪内。 芸術オンチだけど若冲が大好きな頼りない館長。 応援団のOBやその息子、配送会社のかわいい女子(サクラ)や弾吉の元カノも入り乱れて美術館の毎日は過ぎていく。 タイトルから勝手に大きな展覧会に向けて準備していく学芸員さんたちのどたばただと思い込んでいたので、ちょっと違って拍子抜けした。 学芸員さんたちの毎日であることにはかわりないし、美術館の内情は楽しく読んだ。 しかし全体的にまとまりがなく、ところどころにラブコメを挟みつつ、OBの話やら展示会の話、元カノの話とかサクラの話とか筧の話とか窪内の話とか、たまたま出会った江戸時代のお侍さんの絵に惚れ込んでおっかけてく話とかとにかく入り乱れすぎていて、どれもこれも中途半端で目が滑る。 特にお侍さんの絵については、その話が出てきた時点でラストはこれの展示会に向けてスパートか、と思いきや絵が見つかりました借りてきましたこれからがんばりますでラストとか、いやいや。 応援団まわりはうっとおしいけれど、それぞれのキャラクターは魅力的なので、いっそ長期のシリーズものにしてそれぞれのエピソードを掘り下げていくか、せめて連作短編とかにしてひとつひとつきちんとまとめてほしかった。もったいない。
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山本幸久さんのお仕事小説はハズレがない。 今回は美術館学芸員のお話。 ただ今回は、何か問題があってそれを乗り越えて成長して、という感じではなく、むしろタイトル通り、学芸員として『いまだ準備中』な弾吉くんの姿が描かれています。 弾吉くんがいつか侍幽霊の絵の展覧会を企画したときに、い...
山本幸久さんのお仕事小説はハズレがない。 今回は美術館学芸員のお話。 ただ今回は、何か問題があってそれを乗り越えて成長して、という感じではなく、むしろタイトル通り、学芸員として『いまだ準備中』な弾吉くんの姿が描かれています。 弾吉くんがいつか侍幽霊の絵の展覧会を企画したときに、いろいろな問題を乗り越えて実現する、そんな続編を期待したくなる作品です。 もちろんその時にはサクラちゃんとのその後もしっかり描いてほしいものです。
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いつもの様に読後感爽やかなお仕事小説ですが、悪くないんですが…、盛り上がりとパンチが足りない気が…。と言うのは、主人公が困難を乗り越え悪戦苦闘するような事が無いし、登場する人たちが似たような感じだし、中学生に到っては親しくも無い大人相手に弁が立ちすぎて現実味が遠い気がしました。お...
いつもの様に読後感爽やかなお仕事小説ですが、悪くないんですが…、盛り上がりとパンチが足りない気が…。と言うのは、主人公が困難を乗り越え悪戦苦闘するような事が無いし、登場する人たちが似たような感じだし、中学生に到っては親しくも無い大人相手に弁が立ちすぎて現実味が遠い気がしました。お侍さんの幽霊?と絡む場面も少なすぎて中途半端な印象。タイトルが「準備中」だから中途半端?な訳ないでしょうが^^;
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東京郊外の美術館でのお仕事ストーリー。応援団の話しが楽しい。最後はそれでどうなった!? 2013.8.2...
東京郊外の美術館でのお仕事ストーリー。応援団の話しが楽しい。最後はそれでどうなった!? 2013.8.25
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大学時代応援部だった今田弾吉は,野猿美術館に学芸員として勤める今も, 飲み会の席などでは応援のパフォーマンスをやらされる。あるとき,応援部の先輩が所有する羊の絵を見る。作者は乾福助という本草学者で,織物会社を興し,子孫が継いでいるという。 なんといっても,「凸凹デイズ」のあいつ...
大学時代応援部だった今田弾吉は,野猿美術館に学芸員として勤める今も, 飲み会の席などでは応援のパフォーマンスをやらされる。あるとき,応援部の先輩が所有する羊の絵を見る。作者は乾福助という本草学者で,織物会社を興し,子孫が継いでいるという。 なんといっても,「凸凹デイズ」のあいつらがまだちゃんと仕事をしているのがうれしい。あいかわらず強気の醐宮,飄々となんでもやってしまう黒川はかっこいいし,浦原さんもなんだかしっかりしたんじゃないか。 いまこそ応援が必要だ。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
小規模美術館の学芸員のお仕事小説です。学芸員に限らず、働くってなんだろうって考えつつも、コミカルな文章が全体を重く感じさせず、一気に読んでしまいました。 突然会社が倒産してしまう人や、会社の愚痴を言いながら家族のために働く人、才能がありながら家庭の事情で好きな仕事を続けられなかった人、好きなことがあるのに親に反対されている中学生・・・。 色々な人が出てきます。 安易に「夢は頑張ればかなうよ!」という話に終わらせず、尚且つ読後感はすっきりと。 学芸員になりたいと思っていた(大学に入ってすぐあきらめた)私には、少しだけ主人公がまぶしかったです。
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「仕事=働くこと」についてよく書かれていると思う。 大きな何かがなくても、続けていけるのか? 自分にももう一度確認してみた。
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応援団の描写が受け付けない。実際はもっとえぐいんだろうけど。 あと作品間のリンクもそれほど楽しめなかった。
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自分の好きなことが仕事になるのは嬉しいけれど、好きだけではやっていけない。そんなメッセージが伝わる話。過去の作品とリンクしたり、得意の個性的なキャラクターが毎度楽しるのたが、今回は話があまり盛り上がらなかった気がする。
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