血霧(下) の商品レビュー
上巻で怪しいなと思っていた人物の1人が脳死状態になってしまう。 さらにケイが面会した受刑者や、今後のシリーズにも登場するだろうと思っていた人物も殺害されてしまう。 怪しいと思っていたもう1人に一連の殺人は不可能だし、どう収束するんだろうと読み進めると、犯人は上巻では気にも止めずに...
上巻で怪しいなと思っていた人物の1人が脳死状態になってしまう。 さらにケイが面会した受刑者や、今後のシリーズにも登場するだろうと思っていた人物も殺害されてしまう。 怪しいと思っていたもう1人に一連の殺人は不可能だし、どう収束するんだろうと読み進めると、犯人は上巻では気にも止めずにいた意外な人物で面白かったです。 そして、こんな殺害方法が現実に起こらないことを前作同様祈りたい気になりました。
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何とも後味の悪い事件。というか、事件全般が非常に不快。 そもそもフィールディングが最初に出てきたとき、気は弱いけどまじめで誠実な男だったはず。 吹き出物の出やすい体質は最初からだったけど。 なのに、後出しの設定のクセがすごい。 少年の頃、年上の女性による性的被害者だったフィールディング。 相手の女性はそれにより逮捕され、刑務所内でフィールディングの子どもを産む。 成人し、家庭を持った後も、相手の女性と連絡をとり続けたフィールディング。 そのことが前作『変死体』で暴かれたフィールディングの秘密。 そして今作では、それも下巻になって突然にそれに続きができる。 一か所不自然なセリフが上巻にあったことは認める。 でも、それが犯人を示唆したものだというのなら、家族ってなんだろう? 血のつながりが全て? そして、犯人がジェイミーを殺した理由はわかるとして、キャスリーンを殺した理由がわからない。 最初からケイを陥れるつもりだったのも解せない。 ケイを事件に巻き込もうとしたのはジェイミーのひとりよがりな思い付きのはずだ。 だとしたら、犯人が事前にケイの名を騙ってキャスリーンと連絡をとっていたのは、どういうわけか? それらの謎が明かされないまま事件を終結させてしまったのは、読者として非常に消化不良。 それというのもまた、ルーシーが犯人の頭を撃って即死させちゃったからだ。 で、特におとがめなし。 この辺がすごくフェアじゃなくて嫌い。
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冷静に考えてみて、最後の最後に、今まで触れてもいなかった設定が出てくるというのは、ちょっとずるい。もっとも、その設定に至っての疑問点は既に記されていて、「どうやってまとめるんだろう?」と思っていたところに出てきた設定なので、完全に反則ということでは無いですけどね。もっとハッキリと...
冷静に考えてみて、最後の最後に、今まで触れてもいなかった設定が出てくるというのは、ちょっとずるい。もっとも、その設定に至っての疑問点は既に記されていて、「どうやってまとめるんだろう?」と思っていたところに出てきた設定なので、完全に反則ということでは無いですけどね。もっとハッキリと伏線を示したほうが良かったと思います。
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いよいよエンジンが、かかってきたかなと思われるこのシリーズ、何といっても前作から一人称でのケイの視点で記述される文体に戻したことが効果的な結果をもたらしていると言っていい。前作は実は完結していなかったという内容の本作。どの作品にも続編や後作の伏線であったりするのが本シリーズの特...
いよいよエンジンが、かかってきたかなと思われるこのシリーズ、何といっても前作から一人称でのケイの視点で記述される文体に戻したことが効果的な結果をもたらしていると言っていい。前作は実は完結していなかったという内容の本作。どの作品にも続編や後作の伏線であったりするのが本シリーズの特徴ではあるのだが、一旦シャンドン・シリーズに決着を見てからの新スタートとしての一人称文体、前作の続編として完全に捉えることのできる本書『血霧』も、なかなかスピーディで読みごたえがあっていい感触。 前作までで何とか捕獲した犯罪キャラクターたちが軒並み謎の死を遂げてゆく。しかも過去の人とは言え、ルーシーやマリーノにとっては重要なキャラクターが思いがけぬ再登場を果たしたかと思うとやはりこれまた謎の死を遂げてゆく。どれもが地理的にも状況的にも距離があり離れている場所で、なぜどうやって死に至ったのか、アクロバティックにもほどがあるという連続殺人にぶちあたるケイ・ファミリーであるのだが、一番地道で結論を急がない牛歩タイプのスカーペッタが、究明困難かと思われる真相にどんどん近づいてゆくところが小気味よい。 想像や類推を極度に嫌い、想像でものをいうこと、相手に何かを保証することを避けるために、ケイは常に融通の利かない嫌なセリフばかりを放たねばならないのだが、確実なもののみを捉えない限り何も認めないという科学者的スタンスこそが彼女のルールでありやり方であるのだろう。 一作に一回は爆発するケイ・スカーペッタのヒステリーだが自分を制御できなくなるその相手は最愛のベントンだけなのだから、彼以外のところで強いられている日常的な緊張からのストレスをベントンは嫌でも引き受けなければならない立場なのだろう。愛情ゆえの信頼、それゆえの自己制御が利かない混沌の時間は、二人の時だけのものである。ある意味とても完成された愛情とも取れるが、一方で別組織に属するゆえの二人の職業的守秘義務がもたらす沈黙の苦しみも、二人の本来あるべきスイートな時間を困難にする材料の一つとして、本シリーズの特徴と言えるハードな一面を示すものではないだろうか。 とても凶悪な素材として強く特徴づけられた前作の殺人者の存在を受けて、その母の収容されている女子刑務所を訪ねるシーンからこの小説は始まる。女子刑務所の所在地はジョージア州サヴァンナ。なんとケイが住んでいたチャールストンよりさらに南。雪のシーンが多かった前作までのニューヨークやケンブリッジから、一気にスカーペッタの故郷ともいえるディープサウスに帰ってきたというフラッシュバック感が味わえる本書。コリンという検屍官が南部魂の広告塔のような明るい存在感を全編に渡って表すところなど、日ごろのこのシリーズの堅苦しい切迫感から少し解放されるイメージすら感じ取れる。 そして続編ということでしばしば用いられる手法として、新たな脅威をもたらす殺人者の存在が浮かび上がってくる。その上、凶器は大量殺人兵器に繋がる可能性があるところで、前作冒頭で登場した軍の上層部まで顔を出し始め、あわや物語は全米全世界を飲み込むスケールに広がるや否やというところまで。これがスカーペッタのシリーズの特徴であり、広げた風呂敷をどう畳むのかといつも冷や冷やさせられるのだが、本書はきっちり締めてくれた。前作に続き、曖昧さの残らない展開が嬉しい。思いがけぬ結末と、クライマックス・シーンの印象度も、本書の質を高める重要ファクターである。
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ベントンが生き返ってから、いま一つ魅力を感じなくなったシリーズ。 ケイもベントンもルーシーもあまり人間的に好きになれない。最新(であろう)の鑑識や検視に関する記述はそれなりに興味深いけど。 病める国の中であがく人々、犯罪者も裁く側も病んでいる。 裏表紙はネタバレ過ぎる。 突然双子の姉妹が登場するのもなんだか。 マリーノが哀れ過ぎて。
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(上巻より) そして、ラストがいつもに増して、急転直下すぎる。 お約束の、犯人が襲いにやってくる、じゃないだけまだましか。 ちょこちょこっと出てきた軍がらみの話をざっぱり削って、 犯人を追いつめる時間を長く取った方がよかったのでは。 前作登場した、秘書のブライスはまだ生き残っているらしい。 今回は活躍の場がなかったのが残念だが。 次作に期待。
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引っ張る割に解決するときはラスト付近からあっさりと解決してしまうのがコーンウェル氏の作品の特徴かもしれない。。。さて、残すところ既刊はあと一作上下の2巻。早く頑張って読んだで賞を自分にあげたい(笑)
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後半は展開があっておもしろかったけど、犯人にはちょっと無理やり感が。 本作の感想はちょっと置いておいて、これだけ長い間一定のレベルを保ってシリーズを書き続けているパトリシア・コーンウェルは素晴らしいと思う。登場人物も大好きだし、ずっと読み続けていきたいです。 でもこれ、新しい...
後半は展開があっておもしろかったけど、犯人にはちょっと無理やり感が。 本作の感想はちょっと置いておいて、これだけ長い間一定のレベルを保ってシリーズを書き続けているパトリシア・コーンウェルは素晴らしいと思う。登場人物も大好きだし、ずっと読み続けていきたいです。 でもこれ、新しい読者を獲得するのはけっこう大変だよね。もちろん途中から読んでも(登場人物のキャラをよく知らなくても)楽しめるようにできてはいるんだろうけど。
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冗漫だった上巻を圧倒する下巻の展開。 真犯人はそっちから?!という展開からラストまで、少々無理があるような気がするが、○○菌の恐ろしさには背筋が凍る思いがしたし、ケイの決意もよーくわかる。シリーズを通して読んでいないとわからない部分も多いだろうなと思いつつ・・・最初からの読者であ...
冗漫だった上巻を圧倒する下巻の展開。 真犯人はそっちから?!という展開からラストまで、少々無理があるような気がするが、○○菌の恐ろしさには背筋が凍る思いがしたし、ケイの決意もよーくわかる。シリーズを通して読んでいないとわからない部分も多いだろうなと思いつつ・・・最初からの読者である私はにんまりとするのだ。 マンネリすることなく、頑張って!とエールを贈りたい。 ルーシーを主人公にしたスピンオフも読んでみたい・・・
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1302 最後の最後でやっと山場がきたけど主役であるケイの見せ場は少ない。そろそろこのシリーズも卒業したいとは思うけど。たぶん結局は。。。
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