翔ぶ梅 の商品レビュー
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シリーズ3作目。間が空き過ぎてレギュラーメンバーも思い出せない(涙)。って言うか、それでも面白く読めたのにビックリ。正確には物語の出来がどうこうというより(有島香風の幽霊とか処理が陳腐)、キャラクターが魅力的かな。最終話、主人公・梅村濱次の師匠・有島仙雀とその兄弟子・有島香風の若かりし頃のスピンオフまで、実に細やかな人物造形と丁寧な描写が行き届いていました。色名とか、仙雀や濱次の着こなしとか。ただ、近藤史恵によく似たシリーズがなかったっけか…??
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2019/7/31 三ます目。 仙雀師匠の怒りがグッとくる。 濱次の煮え切らなさは百戦錬磨の師匠さえ惑わすのね。 平九郎も嫌な奴じゃない。 ちゃんと芸に向き合ってる人は濱次に気が付くのよ。 今後が気になるね。 若い時の香風も仙雀も粋です。
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シリーズ三作目。安心して読めます。今回思ったのが所作の描写の美しさです。煙管に良く似合った指がすっと伸ばされる様子など、美しい指と手の所作が映像で想像できてため息をつきました。芝居さえできればどんな状況でも構わないと思ってしまう濱次ですが、とうとう周りが放っておかなくなってしまい...
シリーズ三作目。安心して読めます。今回思ったのが所作の描写の美しさです。煙管に良く似合った指がすっと伸ばされる様子など、美しい指と手の所作が映像で想像できてため息をつきました。芝居さえできればどんな状況でも構わないと思ってしまう濱次ですが、とうとう周りが放っておかなくなってしまいました。紀十郎、平九郎、そしてもちろん勘弥。脇の彼らがとても素敵で、そろそろ濱次も気づいて少しずつ変わっていくのではないかと思えます。ラストの若かりし頃の香風と仙雀のお話「翔ぶ梅」も良かったです。香風はやはり凄い人です。
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濱次シリーズ第三弾、文庫オリジナル。表題作など全3編 「とちり蕎麦」・・・短編 「縁」・・・中編 「翔ぶ梅――香風昔語り」・・・短編 まだまだやる気を出さない濱次に、周りがやきもきしている様。これだけ周囲の人たちに愛される濱次は、どんな成長を見せてくれるのだろう。 次も間を空...
濱次シリーズ第三弾、文庫オリジナル。表題作など全3編 「とちり蕎麦」・・・短編 「縁」・・・中編 「翔ぶ梅――香風昔語り」・・・短編 まだまだやる気を出さない濱次に、周りがやきもきしている様。これだけ周囲の人たちに愛される濱次は、どんな成長を見せてくれるのだろう。 次も間を空けずに読まなきゃ。
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濱次お役者双六 第三作目。期待の二枚目の過去「とちり蕎麦」、中二階達の「縁」、話しの中で伝説とされる舞いの誕生話「翔び梅」の中編3話。濱次じれったいわー!と思いつつも、そう性分とかが変わるわけでもないし…と行きつ戻りつ。でもまあお師匠さん達の気持ちもわかったので、ますが進むのを待...
濱次お役者双六 第三作目。期待の二枚目の過去「とちり蕎麦」、中二階達の「縁」、話しの中で伝説とされる舞いの誕生話「翔び梅」の中編3話。濱次じれったいわー!と思いつつも、そう性分とかが変わるわけでもないし…と行きつ戻りつ。でもまあお師匠さん達の気持ちもわかったので、ますが進むのを待つしかないのか…在りし日の香風さん達話しはもっと読みたい!
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実力があり周囲から期待されているのに、本人には出世しようという野望も無いのんびり屋の濱次。 そんな森田座の大部屋女形、濱次が主役のシリーズ三冊目。 今回は3篇の短編集。 舞台でとちった役者が詫びとして楽屋中にふるまう蕎麦をめぐる「とちり蕎麦」は軽めの前菜。 次の「縁(よすが)...
実力があり周囲から期待されているのに、本人には出世しようという野望も無いのんびり屋の濱次。 そんな森田座の大部屋女形、濱次が主役のシリーズ三冊目。 今回は3篇の短編集。 舞台でとちった役者が詫びとして楽屋中にふるまう蕎麦をめぐる「とちり蕎麦」は軽めの前菜。 次の「縁(よすが)」は天下の中村座から濱次の引き抜き話が持ちかけられるが、当然ながらそこには裏事情があり・・・というお話で、主菜に当たる短編。 最後の「翔ぶ梅-香風昔語り」は師匠の仙雀と今は亡き香風の若き日のお話。 おまけのスピンオフって感じです。 周囲が放っておけないほどの濱次の才能がどんなもんか、見てみたいですね。 映像化されたら・・・と、今から楽しみです。 才能や華の無い者が、それを持つ者に嫉妬して一騒動、みたいな「アマデウス」的展開を期待したのですが、そんなふうにはならない軽みもいい感じです。 外堀を埋められつつある濱次がどう腹を括るのか、お楽しみは次巻に。
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【3】「とちり蕎麦」「縁」「翔ぶ梅」の流れも良く、今回も面白かった。段々と女形・濱次の隠れた才能に目を留める人も増えてきて、本人も少しは芸に真剣に向き合う気になったのかな?本当に開花するのが楽しみです。そして森田座の大部屋役者の面々の賑やかさがたまりません。なんだかオネエが、わい...
【3】「とちり蕎麦」「縁」「翔ぶ梅」の流れも良く、今回も面白かった。段々と女形・濱次の隠れた才能に目を留める人も増えてきて、本人も少しは芸に真剣に向き合う気になったのかな?本当に開花するのが楽しみです。そして森田座の大部屋役者の面々の賑やかさがたまりません。なんだかオネエが、わいわいやってる様でw。ところで作者が女性とは、ここで初めて知ってビックリでした^^;
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シリーズ3作目だが、初出が「現代小説」の掌編や、「KENZAN!」の中編を集めた「文庫オリジナル」なんだそうだが、せっかく腕を上げてきた3作目は単行本で読みたかった。 森田座の名題下がひしめく大部屋の女形濱次が、騒動に巻き込まれて周りをやきもきさせながら、己は飄々としていて読者...
シリーズ3作目だが、初出が「現代小説」の掌編や、「KENZAN!」の中編を集めた「文庫オリジナル」なんだそうだが、せっかく腕を上げてきた3作目は単行本で読みたかった。 森田座の名題下がひしめく大部屋の女形濱次が、騒動に巻き込まれて周りをやきもきさせながら、己は飄々としていて読者の心を惹きつける。 立役者紀十郎がとちり蕎麦を配ったことから、濱次の奥役(付け人)が勝手な憶測で余計なことをするものの、幸せな気分の結末になる「とちり蕎麦」。 中村座からの替え玉役としての引き抜きに、情報戦よろしく内情を探り当てるが、若い仲間を助けるために中村座に乗り込むはめになる「縁(よすが)」 「飛ぶ梅」は濱次が出ないで、若き日の師匠と兄弟子が活躍するのでスピンオフのようになっている。
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