サトリ(下) の商品レビュー
シブミの続編。 前作では、ヘルの青年期までと最後の対決が中心の物語だったが、今回は暗殺者としての初仕事が物語の中心となっている。 物語はアップテンポに進み、前作より冒険色がかなり強まっている。 トレヴェニアンの作風に比べよりエンターテイメント寄りになった、と言うべきか。 前...
シブミの続編。 前作では、ヘルの青年期までと最後の対決が中心の物語だったが、今回は暗殺者としての初仕事が物語の中心となっている。 物語はアップテンポに進み、前作より冒険色がかなり強まっている。 トレヴェニアンの作風に比べよりエンターテイメント寄りになった、と言うべきか。 前作が強烈な実利主義・アメリカの批判がテーマでもあったが、今回は信用ならないCIAぐらいの描き方に終始しており、全体的に前作ほどの深みはない。 トレヴェニアンの作品が文学であれば、ドン・ウィンズロウの作品はエンターテイメント小説であるから、ということだろうか。
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上巻から一気読みしてしまった…手に汗握る展開、黒幕は結局誰なのか?たくさんの謎がキレイに解けていってページをめくるのが止められなかった!和の作品を洋の方が書いたようだが、とても日本的な表現も多く、詩的な表現もありとても楽しめた。さらば友よ。
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中国からメコン川でラオスを抜けサイゴンへ。 激しい銃撃戦、ロケット・ランチャー、カー・アクションと「シブイ」というより「ドハデ」。 007の映画のようです。囲碁や「シブミ」もヒーローが使うアイテムのひとつといった描かれ方は、ニコラスの若い時代を描こうとしたのか、ウィンズロウの限...
中国からメコン川でラオスを抜けサイゴンへ。 激しい銃撃戦、ロケット・ランチャー、カー・アクションと「シブイ」というより「ドハデ」。 007の映画のようです。囲碁や「シブミ」もヒーローが使うアイテムのひとつといった描かれ方は、ニコラスの若い時代を描こうとしたのか、ウィンズロウの限界なのか。トレヴェニアンの特異さがますます際立ちます。 エンターテイメントに徹することにしたのだとサトリを得る・・・
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あまり期待せずに読んだんだけど、どんどん引き込まれた。ドン ウィンズロウのストーリーテラーとしての実力半端ないね。キャラクターの作り込みもうまい。欲をいえば、ヴェロシェーニン死ぬのあっけなさすぎだし、ソランジュとのハッピーエンドも見たかったけど、30年前のトレヴェニアンの「シブミ」との繋がりを勘案すれば止むを得ない設定なんでしょう。アマゾンでシブミを注文しました。
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上巻に比べると、テンポが早過ぎた感じがした。映画向きかもしれないが、ドン・ウィンズロウの格好良さがかけた。
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終盤でド派手などんでん返しがあって、「ええ、そんなのあり!?」と面食らったが面白かった。恋あり、冒険あり、陰謀ありの極上エンタメ。ド・ランドやル・ヴァン・ビエン、雪心らの脇役もいい味を出している。
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ニコライを襲う困難に次ぐ困難は混迷を極める中で、中国、ロシア、アメリカ、ヴェトナム、コルシカ、フランス…様々な体制の思惑の間を独創的な感覚で波を読むように泳ぎ渡る。もう正直途中で諸外国の関連性が頭の中で整理できなくなってきたけどとにかくニコライが生き延びてくれればいいやって思いながら読んだ。ウィンズロウの作品には思わず目を背けたくなるような残酷な暴力場面があるのになぜか爽やかな印象が残るんだけど、たぶん主人公にひたむきさや潔さが共通してるからなんだろうな。それから魅力的なサブキャラも。今作ではベルギー人がいい味出してた。(上巻の陳も仲良くなれそうだったけど)。ソランジュはありがちな魅惑のヒロインだったから最後あの展開は予想外だった。ウィンズロウだから面白かったのかもしれないけど、機会があったら「シブミ」も読んでみようかな。
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下巻では主人公ニコライの本領発揮。ベトナム紛争下のサイゴンに引き寄せられるようにCIAが、ベトミンが、謎の殺し屋「コブラ」が集まる。意外な顛末にワクワクさせられる……
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