解錠師 の商品レビュー
声を失った少年の青春ミステリー。 金庫破りになった理由、子供時代の辛い事件。 ふたつの時間を行き来しながら物語は進んでいく。 そのため最初はなかなか頭に入りにくく、何度も前の頁を見返したりしたが。 慣れてくると、それがスピード感やドキドキ感に繋がっていく。 何度も心のなかで、マイ...
声を失った少年の青春ミステリー。 金庫破りになった理由、子供時代の辛い事件。 ふたつの時間を行き来しながら物語は進んでいく。 そのため最初はなかなか頭に入りにくく、何度も前の頁を見返したりしたが。 慣れてくると、それがスピード感やドキドキ感に繋がっていく。 何度も心のなかで、マイクルまだ間に合う!引き返せ!と叫びながら読み進める。 恋人アメリアとの絵での会話がとても素敵。 言葉のように、それ以上に、心を表す。 ミステリーと言うより青春小説かな。
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少年期の事件のため話すことができなくなってしまった青年が、’特技’をもっていたがために犯罪の片棒を担いでしまい悲しい結末へ向かうが、一方で一途な恋を貫き、将来の幸せを予見させて話は終わる。 犯罪、凄惨な死、刑務所。ストーリーの半分以上はダークな世界にいるわけだが、それらの重さをま...
少年期の事件のため話すことができなくなってしまった青年が、’特技’をもっていたがために犯罪の片棒を担いでしまい悲しい結末へ向かうが、一方で一途な恋を貫き、将来の幸せを予見させて話は終わる。 犯罪、凄惨な死、刑務所。ストーリーの半分以上はダークな世界にいるわけだが、それらの重さをまったく感じさせない文章だった。もちろん主人公がドライな感性をもった青年として描かれているというのはあるが、著者のリズミカルな文体が小説全体を軽やかにしてるんだと思った。その雰囲気をそのまま残している(んだと思う。原文読んでないからわからない)訳者もすごいなあ。 話はもちろんとても面白かったし、身近な人が心因性失声症になってしまったときに近くにいたこともあり、すごいひきこまれて読めました。
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話すことのできない主人公の、いわば独り言のような展開で話は進む訳だが、なかなかミステリアスでリリックだ。 恋愛小説としても、心揺さぶられる。 ただ、結末にはちょっと不満が。 以下、ネタバレ。 最後には、やっぱり話せるようになって欲しかったなあ。
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このミステリーがすごい!1位など国内ミステリーの海外作品部門を受け、果たしてどのようなストーリーなのだろう?と読み始めたがミステリーというよりもラブ・ストーリーになるのではと思う。 愛情表現のシーンは全体の2割ぐらいだと思うが全編のベースには、初々しい恋が描かれている。 幼い頃、...
このミステリーがすごい!1位など国内ミステリーの海外作品部門を受け、果たしてどのようなストーリーなのだろう?と読み始めたがミステリーというよりもラブ・ストーリーになるのではと思う。 愛情表現のシーンは全体の2割ぐらいだと思うが全編のベースには、初々しい恋が描かれている。 幼い頃、あるきっかけで言葉を発する事が出来なくなったマイクル、声が出ないが故の鍵開け遊びがやがて愛のもと本業となっていく。スリリングな金庫破りも、何故か暖かく感じてしまった。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ミステリーではなく、ミステリー風ジュブナイル 主人公の回想と現在を交互に展開する。よくある パターンではないでしょうか。しかし、今作では過去も現在も主人公の思考や行動パターンが、同じなので成長を感じられない。 さらに、主人公は謎や人生に対して向かっていくのではなく、ただただ流れに身を委ねているようで、やはり彼の成長を感じられない。 気づけば敵は自滅し、僕は捕まった。いつか好きな人の前で言葉を話せるだろう。 これではミステリーになるはずもなく、そもそも謎解きがない。 ジュブナイルとして見るべきかもしれない? 映画「ベイビー・ドライバー」がストーリー的に似ている。 小説と他メディアを比べるのはナンセンスですが、主人公の葛藤は「ベイビー・ドライバー」の方が上手く描けている。
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主人公は現在塀の中にいて回想しながら手記を書いています。解錠師となるまでとその後との2つの時系列が交互に書かれ嫌でも引き込まれずにいられません。なぜ解錠師となったのか、どんな結果が彼を今の状態に置いたのか、そして口のきけない原因にもなる過去の事件。ミステリとしてそれらが気になりな...
主人公は現在塀の中にいて回想しながら手記を書いています。解錠師となるまでとその後との2つの時系列が交互に書かれ嫌でも引き込まれずにいられません。なぜ解錠師となったのか、どんな結果が彼を今の状態に置いたのか、そして口のきけない原因にもなる過去の事件。ミステリとしてそれらが気になりながらも、青春小説としての甘酸っぱさや爽やかさを感じながらどんどんページをめくりました。緊迫した解錠シーンは一緒に息を止めてしまうほどで、絵での会話シーンはじんとするほど美しかったです。彼自身の心の錠はうまく解けてくれたでしょうか。
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残念だけど途中で断念。長いし、なによりキャラクターに魅力を全然感じない。文章もなんというか…わかりやすいんだけど長い。もっとミステリだと思ってました、期待が高すぎたのかも。個人的には残念な本です。話せない理由も引っ張りすぎだし、金庫をあける描写もわかりにくいし、一流の泥棒たちがあ...
残念だけど途中で断念。長いし、なによりキャラクターに魅力を全然感じない。文章もなんというか…わかりやすいんだけど長い。もっとミステリだと思ってました、期待が高すぎたのかも。個人的には残念な本です。話せない理由も引っ張りすぎだし、金庫をあける描写もわかりにくいし、一流の泥棒たちがあんなもんなの⁇って感想でした。※あくまで個人的に…です。評価は高いようですが、わたしには合いませんでした。
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幼少期に起きた事件が切っ掛けで喋れなくなってしまった少年(最終的には中年??)による手記の形式で語られる物語。少年が悪事に手を染める前の大過去と、錠前破りとして裏の仕事を始めた過去が次第に収束していくのはお見事。 犯罪者たちのコミカル具合と得体の知れなさはどこか伊坂幸太郎の登場...
幼少期に起きた事件が切っ掛けで喋れなくなってしまった少年(最終的には中年??)による手記の形式で語られる物語。少年が悪事に手を染める前の大過去と、錠前破りとして裏の仕事を始めた過去が次第に収束していくのはお見事。 犯罪者たちのコミカル具合と得体の知れなさはどこか伊坂幸太郎の登場人物っぽいところもあり、主人公の多才&モテモテっぷりはなろうっぽいと言えなくもない。ジャンルはミステリ扱いされているようだが、そこまでミステリっぽくない。 しかし、口のきけない主人公が絵を介して心を開いていくシーンはこちらも心を動かされる。心を閉ざしてしまった少年が、自分の心以外のあらゆるものを開けられるという設定は皮肉がきいていて良い。
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このミス海外編、2013年版1位。最近他の人と評価が合わないんだけど自分的にはとても面白かった。サスペンスであり青春小説。現在と10年前と約20年前、時間が行ったり来たりしながら話が進んでいく。量もありし、ちょっと構成的に読みにくいところあるけど、比較的淡々とテンポ良く話が進んで...
このミス海外編、2013年版1位。最近他の人と評価が合わないんだけど自分的にはとても面白かった。サスペンスであり青春小説。現在と10年前と約20年前、時間が行ったり来たりしながら話が進んでいく。量もありし、ちょっと構成的に読みにくいところあるけど、比較的淡々とテンポ良く話が進んでいくので読むのもサクサク進んでいく。サスペンス色もあるけど、適度なドキドキ感で苦しくなりすぎることもない。後半はちょっとドキドキが激しくなったけど大丈夫。話は飽きさせないし、残虐シーンもあるアンチヒーローなんだけど、適度なユーモアもあって青春小説っぽい雰囲気もすごく良い。
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うーーん期待外れだったとしか…。まあ面白かったという気もするけど、イマイチ乗り切れなかったというか。ミステリーってほど謎がある訳でもないし、あんまり共感できる登場人物もいなくて。ラストあたりのスピード感は良かったです。まあ翻訳の問題とかもあるんだろうきっと。
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