徹底検証 韓国論の通説・俗説 の商品レビュー
日韓どちらにも肩入れしない、俯瞰的な視点での論議。「官民一体の反日国家で、わけわからん人たち」という誤認の正体を、政治・経済・近代史の側面から解明していく。これ一冊で日韓問題を語り尽くせているとは思えないが、少なくとも、愛国者(レイシスト)の垂れ流す「ネットde真実」な妄言の、百...
日韓どちらにも肩入れしない、俯瞰的な視点での論議。「官民一体の反日国家で、わけわからん人たち」という誤認の正体を、政治・経済・近代史の側面から解明していく。これ一冊で日韓問題を語り尽くせているとは思えないが、少なくとも、愛国者(レイシスト)の垂れ流す「ネットde真実」な妄言の、百万倍アテになることは間違いない。
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韓国における日本のプレゼンスは、グローバル化に伴い、低下する一方である。それにともない「反日」カードは、有効性を失いつつある。日本が何度謝罪しても韓国が「不十分」と言い続けるのは、日本が「法」と「倫理」を分けて考えるのに対して、韓国が「法」と「倫理」を一体として考えていることに起...
韓国における日本のプレゼンスは、グローバル化に伴い、低下する一方である。それにともない「反日」カードは、有効性を失いつつある。日本が何度謝罪しても韓国が「不十分」と言い続けるのは、日本が「法」と「倫理」を分けて考えるのに対して、韓国が「法」と「倫理」を一体として考えていることに起因する。つまり、「倫理的にはよくなかったけど、当時の法律的には問題ない」という態度では韓国人は納得しない。同様の構図は慰安婦問題でも見られる。日韓の請求権は「法的に解決済み」という立場を日本は崩せないが、韓国は法律を後付けしても「間違ったことは正すべき」なのだから、両者は平行線。今までは〈両国の統治エリートが「うやむやにする」と合意し〉てきた問題が、情報化が進んでコントロールがきかなくなってきた。一方、日本の側でも、韓国との関係の重要性は相対的に下がってきた。今後は経済パートナーというより、米国も加えた三国の安全保障パートナーという側面で考えるべきだろう。 というのが本書の趣旨。日韓の問題は「解決する」という希望を持つべきではなく、「問題でありつづける」としたうえで、協力できるところはする、という態度でよしとするべきではと感じた。
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時に理解しづらい点もあった韓国の対日姿勢が分かりやすく提示されていて納得する点は多かった ただし、著者達は韓国研究のエキスパートではあるものの、韓国人の研究者をいれた方がさらに良かった気もする
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座談会が興味深い。 座談会①竹島問題 座談会②慰安婦問題 座談会③「感情」と「論理」の問題 重点がすべて「歴史問題」に置かれている。 タイトルのように、多くの人が信じている「通説」が、本当に真実であるのかを1つ1つ見ていく作業がなされている。私は座談会参加者のうちの二人を知っ...
座談会が興味深い。 座談会①竹島問題 座談会②慰安婦問題 座談会③「感情」と「論理」の問題 重点がすべて「歴史問題」に置かれている。 タイトルのように、多くの人が信じている「通説」が、本当に真実であるのかを1つ1つ見ていく作業がなされている。私は座談会参加者のうちの二人を知っているので、彼らの主張の大筋は知っているが、それでも「なるほどなー」と思う部分が多い。 特に、韓国にたいして「ぼんやり」としたイメージしか持っていない人たちにお勧めしたい。 正直に言うと、韓国にそれなりに関わっていながらも、「歴史問題」は非常に面倒くさく、できれば避けたいと思ってしまうテーマである。その「面倒くささ」は、それらについて話し、議論すること自体への面倒くささというよりも、それぞれの主張、それぞれの主張の背景には、それぞれの「論理」があり、それをすり合わせることが到底出来ないだろうという諦めにも似た面倒くささだ。 この本を読めば、「相手のことを知ったからといって、関係がよくなるわけではない」ということをさらに深く思い知るかもしれない。 しかし、これまで「理想」とされてきた「よい日韓関係」でなくとも日本と韓国は一緒にやっていけるし、またそういった新しい関係を築いていくことで、よりよい関係が形成されるのではないか、という希望もまた、そこにはあるのである。
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これが「検証」と呼べるのかというと、ちょっと違うと思う。ただ、内容的には日本と韓国の外交に関する認識の違いはどこから来るのかと言うことであり、解決の糸口を探るきっかけとしては広く読まれるべきだと思う。本書で採り上げられている日本と韓国の態度を見ると、かなり悪い意味での「映し鏡」的...
これが「検証」と呼べるのかというと、ちょっと違うと思う。ただ、内容的には日本と韓国の外交に関する認識の違いはどこから来るのかと言うことであり、解決の糸口を探るきっかけとしては広く読まれるべきだと思う。本書で採り上げられている日本と韓国の態度を見ると、かなり悪い意味での「映し鏡」的になっているように感ずる。「感情」同士をぶつけるような不毛な言い争いにならないようにするためには貴重な一冊である。
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