近代ヨーロッパ大学史 の商品レビュー
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B.D.アンダーソン『近代ヨーロッパの大学史 啓蒙期から1914年まで』昭和堂、読了。大学史については中世の揺籃期に注目しがちだが、本書は、大学の復興と再編の時代といってよい「近代」に注目する。ポルトガルからシベリアまで。現在の歴史学の動向をふまえた上で生き生きと概観する一冊。 フンボルトモデルが理想と語られるが、実際には各国独自の歴史がある。建前として真理の探求を旨とする普遍性に基づく大学が、ナショナル・アイデンティティ形成と密接に関わっており、これは一つのパラドクスであろう。
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