寄性獣医・鈴音(6) の商品レビュー
とっ散らかった印象で始まる「第二章」だが……。
巻頭にあらすじや登場人物を紹介する頁を設けていることからも分かるように、「最後の一線」を越えた前巻を一区切りとし、これまでに見えてきたこと、まだ見えていないこと、それらを内包したまま本間動物病院から話が始まる「第二章」の幕開け。そんな印象を与えた第6巻である。 しかし、前半...
巻頭にあらすじや登場人物を紹介する頁を設けていることからも分かるように、「最後の一線」を越えた前巻を一区切りとし、これまでに見えてきたこと、まだ見えていないこと、それらを内包したまま本間動物病院から話が始まる「第二章」の幕開け。そんな印象を与えた第6巻である。 しかし、前半は少々とっ散らかった印象。連作短編のような細切れ感もあり、展開も登場人物もコロコロ変わる。これまでとは異なる蟲の存在も示唆され、蟲の寄生先(宿主)も異なる可能性が見て取れる。状況説明となる台詞も皆無なため、現状把握がなかなかに難しい。 ただ、後半に進むに従い、点々としていた伏線と思しき事柄が断片的ながらも繋がっていくような回収がなされており、前巻の舞台となった施設では描かれていないこともあったのでは?と思わせる回想シーンや人物の登場を経て、ここまでに広げられていた風呂敷が少しずつ畳まれていくような収束と、その結果として最後に現れる生物(?)が今後の行方を占う(本巻の)結末となっている。かなりな超展開にも見えるが、そもそも獣医なのだから獣(けものでありけだもの)を扱うこともできるだろう、とも思いつつ、これはこれで今後は骨の折れる相手であろう(本巻冒頭に出ていたのが化けた姿だったら驚きだが……)。最後まで読むと「へぇ~、なるほどね~」と思ってしまったりもする点では、次巻以降が楽しみであり、同時に「どうなる?」という感覚も抱かせるという意味で悪くない。 美麗過ぎる作画と良好な官能描写は今回も素晴らしい。さすがに前巻ほどの勢いは見られないが、相変わらずの催淫効果継続中による押しの弱さが琴線に触れる。次は本格的に触手か?
DSK
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