喪国 の商品レビュー
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ようやく読み終わったシリーズ完結編。 10巻掛けてサーシャが革命を起こすための地盤を固めた印象。亮治にとってはサーシャに出会った時点で革命が起きている気がするくらい、作中では真人間になった。
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とうとう終わってしまった…! どうなってしまうのかとハラハラしながら(サーシャや亮司が死ぬのではと思って)一気に読んでしまった。 誰も彼も辛い結末が多かったけど、鳩が悲しかったなぁ。 折角鳩を認めてくれる仲間がいるのに。血のせいにしないで…!と思うのは、裏切り者の血を持たない者のたわ言なのかな。 エピローグの子供は日本から逃れた多国籍の女の子達の誰かだったりするのかな、と思ったけど確信持てなかった。 また今度、1巻から読み返したい。
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・・・革命シリーズ、終わってしまった。 「誘魔」以外は、手元にあるので、もう一度、じっくり読み返したい。 リョウジ君とどっかのアナリストって、似てる。
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挫けそうなのであまり大長編には手を出しませんが、久しぶりに挑戦してみようかと思い借りました。 先ずページをめくって、二段に文字がびっしりなのに圧倒されました。見た目の迫力もありましたが、内容もぐいぐい読まされました。 とてもスケールが大きく、訳も分からずにじっと読み進めると徐々...
挫けそうなのであまり大長編には手を出しませんが、久しぶりに挑戦してみようかと思い借りました。 先ずページをめくって、二段に文字がびっしりなのに圧倒されました。見た目の迫力もありましたが、内容もぐいぐい読まされました。 とてもスケールが大きく、訳も分からずにじっと読み進めると徐々に登場人物がつながりました。時々前のページに戻り、ああそういうことだったのかと膝を打つことも。 あと9冊もあるので、どっぷり世界観に浸りたいと思います。
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革命が起こらないと思われていた日本での、計画された革命は、第二次世界大戦時に連合国との契約だった。60年の年月を経て、世代は変わり革命が起こる。人間の運命は交錯し、醒めることのない夢を見ている。 自分が生き延びる為に人を裏切り続ける人とか、自分を救ってくれた人を守ることに命...
革命が起こらないと思われていた日本での、計画された革命は、第二次世界大戦時に連合国との契約だった。60年の年月を経て、世代は変わり革命が起こる。人間の運命は交錯し、醒めることのない夢を見ている。 自分が生き延びる為に人を裏切り続ける人とか、自分を救ってくれた人を守ることに命を賭す人とか、自分の芸術に対する欲望を満たす為に人を際限なく殺す人とか、自分の作品を認めてくれた彼をミューズと崇める人とか、とにかくたくさんの人に亮司が愛されていた。亮司は、優しくて甘くて、まるでこの国みたいな人間だって言われていた。亮司は誰かの為に死んでも、大丈夫だよって言いそうだけど、この国は他の国の為に崩壊しても大丈夫だって言えない。 いろんな革命があって、いろんな政策があって、いろんな独裁者がいて、いろんな虐殺があって、でも必ずしもそれが終わることがイコール幸福なわけではないし、サーシャのようにいつまでも無くなった祖国を愛し、再び取り戻すことを夢見る大人だっているかもしれない。歴史は結果から価値が決まるもので、たくさんの人が死んで、終わったときは世界中の人が喜ぶのに、終わってみると想像していた未来とは全く違ったりする。寧ろ圧倒的にそちらの方が多い。革命は首謀者が死んで、漸くみんなが忘れはじめた頃に評価され出す。最低な革命だったと証言する人は大抵殺されてしまっていて、反論する術もなく、実際それがどんなに残酷で凄惨だったのかを伝えてくれる人は少ない。それに教科書で少しだけ習ったり、或いは全く習わないような歴史は多くの人にとって既におとぎ話のようだ。詳細を知ってもあまりに残虐すぎて現実味がない。日々の現実逃避で妄想との境界が曖昧だから、虐殺が革命に包含された史実であることがいまいちぴんとこないのかもしれない。だから学校の授業ではこういったことをちゃんと理解させて、そういったことが今もあってこの先も起こり続けるかもしれないことをちゃんと教えてほしいと思った。未来に繋がることでないと覚える意味ない。 人間のなかのヒエラルキーはいつの時代も消えることが無いし、一度優越的権力を持つことで劣等感を緩和させてしまえばそこから戻ってくるのは難しいのかもしれない。だから堕ちる前にこういう歴史を再確認して、そんなことが無いように自分の意志と意見を持つことが必要だと思う。 大川嫌いだけどあそこまで生きたいのは逆にかっこいいと思った。 サーシャが来ないと悲しむのに、来たら来たで悪態をついたり意地悪なことを言う亮司が気になりました。
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全10巻の革命小説シリーズ最終巻。作者が12年かけて書き上げられた壮大な革命を目の当たりにできた幸福感が残る読了感だった。 これまで登場した様々な人々が集結するオールスター版といったところなので、所々「この人誰だっけ…」となってしまった所もあったり。それでも複雑に細かく張られた糸が全て一ヶ所へ集結するような、緻密に計算された人間関係に驚嘆した。まさかこの人とこの人にこんな繋がりが!とか、この話がここに繋がるのか!等気持ちが良い程鮮やかに、まるで手品を見せられているかのような手際の良さでラストに向かって線が交わっていく様は読んでいてとても気持ちがよかった。 3人の日本人と1人のタイ人がおかされた、まるで夢物語のような『愛国の病』は着実に次の代、そして次の代へ引き継がれていき、そして和田、パイトゥーン、鄭夫人、根岸等が死に完全に代替わりした。計算された革命はまるで彼等の手の内で日本という極東の島国が踊らされているようで、恐ろしさと同時に感動すらおぼえるが、彼等の亡き後『計算されていない真の革命』が起こってしまう辺り鳥肌が立つ。彼等が60年以上患い続けた病はこの国をどう変えたのか、そして真の革命は彼等にとって良い方向へのスイッチだったのか、計算されていない革命の先は誰にも分からない。彼等の密約もまた、真の革命後の日本で続いてゆくのかどうかも分からない。新たな後継者達はどうするのか、それがとても気になる。 散らばった火種に点火したのはドゥルダだったけれど、彼女はただ愛した男への復讐の為だけに火をつけたという辺りがなんとも面白い。彼女は革命等きっとどうでも良かったに違いないのに。 サーシャという、全てを手に入れているようで本当に欲しいものは何も持たない魅力的な男は血にまみれながら祖国を思いつつ、それでも新しい若い力を目の当たりにして前を向く事を知ったのかもしれない。彼はこの革命で莫大な富を手に入れたけれど、それでも彼が欲しいものはきっと何一つ手に入らない。それでも彼は祖国の為にしか生きられないのがなんとも悲しいと思った。 そして、彼に選ばれた共犯者である亮司。最後の最後で何故彼が美しき革命家サーシャに選ばれたのか、その理由が鮮やかに理解出来た。彼は彼と関わった誰にとってもミューズだったのかもしれない。 神に与えられた確かな審美眼で、亮司はこの革命を、そして革命後の日本という国をどう見るのか。そしてけして叶えられる事の無い夢をただ置い続けるサーシャの野望の先にどんな世界を見るのか。それはミューズの目に美しく映るのかそれとも醜く映るのか……。 前巻だが、リャンが亮司の事を語った「惚れてはいないけれど愛している」という言葉がなんとも印象的で、きっと誰もが、あの大川でさえ、争いが似合わず育ちの良さが滲み出た、甘いミューズを愛していたのだろう。だからこそ、彼は見届ける役目を与えられたんだろう。 「革命を起こさないか、この国に」という言葉のなんと危険で甘い事か。きっと亮司はこれからもサーシャのこの言葉をただ信じて見極めていくのだろうと思った。そしてきっとこれからも彼がサーシャの手を離さないでいてくれる限り、サーシャという危うく脆くとても力強い美しい男は生きていけるのではないかと希望を持つ事が出来た。愛されているなあ、亮司。本当に沢山の人に愛されている。 この国を守ろうとした者、この国で生きようとした者、この国を憎んでいる者、そしてこの国を変えようとする者達の沢山の血の上で起きた革命は、けして小説の中だけではなく、いつかこの国に起こるのかもしれないと思わせるリアリティと説得力に圧倒されたシリーズ最終巻だった。もしその時が本当に訪れたなら、自分はいったいどうするのだろうかと、これからも日々のニュースを見る度に思う事だろう。 本当に面白い壮大な物語を読み終えて大満足していると同時に、なんだかとても寂しくなってしまった。文庫版での書き下ろしにも期待してしまう。
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「革命を起こさないかこの国に」 国とは?国籍とは?祖国とは?日本で繰り広げられる「多国籍」との領地争い。 「大切にしないなら、僕達がもらっちゃおうよ」 福岡女子短期大学:サトウ
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何故に亮二がそんなにモテるのか? 男にも女にも。 なぞだが、村上×樹の小説と違って、そこはどうでもよい。 結局、革命は起きてないのかな。日本はいつまでも単一民族国家ではいられないけれど、それにそんなにこだわっている人がいるのかなぁ?とか思ったり。 硬派な国際小説だと思って読み進めていたが、なんか違った。明奈ちゃんのエピソードとか好きだけどね。 願望かなぁ、あはは。
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五條瑛は好きな作者ですが、この本は星二つが精一杯。 初期は謎も多くてスケールの大きさを予感させたが、だんだん話がぼやけてきて、かえって小さい話を寄せ集めた印象だけが残る。決して小さい話じゃないのに。最後にまとめ切れなかった感じ。 十年もかけて書かなくてよかったんじゃないかな。
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全10巻、『断鎖』から始まる『革命シリーズ』の最終巻。 1年に1冊ほどのペースで発刊されたので約10年かかったという計算になると思う。図書館で借りて読み続けたことと、登場人物が多すぎることで幾人か「はて、誰だったっけ?」という人物が居る。最終巻に至っては、「ラストの子供の親って誰だっけ?」な体たらく。読み直そう。だが、全10巻って・・・(汗) このシリーズで最初に思うことは『亮司がモテモテ』ってことだ。男女比9:1でモテモテ。唯一もてた女性ってリャンだけなんじゃ・・・。そしてそのリャンは最終巻で有る意味幸せじゃなかったのかと。ハードボイルドにありがちな美女の結末。 あとサーシャ。 とんでもなく美形という設定の謎の男。想像力が臨界点を突破し、脳内想像図では顔にモザイクのかかる男(ワイセツ物か!) 最終巻では結構登場し、結構喋ったので、謎は減った。 お前はなぜ亮司に会うのにオレンジのバラの花を用意するのか! そこは謎(笑) 革命シリーズは終わったけど、五條作品はこれからも追っかけ続ける所存であります。次は『塔の下』
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