援デリの少女たち の商品レビュー
▼「そりゃ金でっしゃろ。」同年代が学生時代を謳歌しているのに1日何回も脚を開くのは、稼がなければならない理由があるからだ。 ▼援デリで働く女性が描かれている。訳ありの少女達が真っ当な稼ぎができる筈も無く社会の裏側で身体という資産を武器に奮闘する。売らせる男も社会から弾かれ、他に...
▼「そりゃ金でっしゃろ。」同年代が学生時代を謳歌しているのに1日何回も脚を開くのは、稼がなければならない理由があるからだ。 ▼援デリで働く女性が描かれている。訳ありの少女達が真っ当な稼ぎができる筈も無く社会の裏側で身体という資産を武器に奮闘する。売らせる男も社会から弾かれ、他に行き場の無い者が多い。 ▼障害者も少なくない。マニア向けのAVに出演するのはほとんどがそうだという。身体を対価に自由と金を得る、過酷なセーフティネットだ。 ▼援デリの仕組みはどんどん高度化している。ヤクザVS業者がしのぎを削り、官憲の目を盗み、地下にもぐり管理される。全寮制援デリのくだりは名門校の合宿を思わせ、シュールさに乾いた笑いが漏れた。 ▼彼女達は支援されるべきというのが真っ当な社会人だろう。しかしこの社会の支援は自由は少なく、「かわいそうな人」というレッテルを貼られるように彼女達に受け止められる。 ▼自力で勝ち抜けた女性もいる。まず容姿、それに幸運、そして強烈な意志がなければ難しい。彼女にとっては援デリは搾取されたのではなく、合理的に闘う為に利用したというのが言い分だ。 ▼金が全てではない。でも金がなければ家族は守れない。金に綺麗も汚いもない。売れるなら稼げ、そして地獄に戻るな。寂しさに負けるな。寂しさを喰い物にするやつはいっぱいいる。寂しさに負けないで金稼げ。10代の女性がこんな風に言えるまでどれだけ辛酸を舐めたのだろうか。
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貧困の連鎖、家庭環境の連鎖… あまりに衝撃的な内容に思わず歌舞伎町を歩いてしまった。 里奈の言葉が胸を撃つ 「金に、綺麗も汚いもない。いま私、援デリと風俗で稼いだ金で、翔人のこと育ててるよ。恥ずかしいとか絶対思わねぇ。だから稼げ。カラダが売り物になるなら、金持ってる大人からカラダ...
貧困の連鎖、家庭環境の連鎖… あまりに衝撃的な内容に思わず歌舞伎町を歩いてしまった。 里奈の言葉が胸を撃つ 「金に、綺麗も汚いもない。いま私、援デリと風俗で稼いだ金で、翔人のこと育ててるよ。恥ずかしいとか絶対思わねぇ。だから稼げ。カラダが売り物になるなら、金持ってる大人からカラダで金、奪い取れよ。メチャメチャ稼いで、もう二度と地獄に戻るな。自分の親と同じ親になるな。その金を遣わないで貯めろ。ホスト、いくな、歩ける場所行くのにタクシー使うな」 里奈は作者の鈴木さんが出会った唯一の勝者であると。唯一というのが哀しいけど、一人でもこうやって脱出できた少女がいたのは、救われない深い闇の中で見た灯のように思えた。 何ができるんだろうか。買う事?違うよね、なんだろう…
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裏風俗の世界、聞きなれぬ業界用語がポンポン出てくる。打ち子になってグループを取り仕切った少女の話を聞くと上昇志向の強い人間が成功を収めていくことが分かります。 綺麗事ない実にリアルかつシビアな世界でもあるようです。
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○ルポライターの鈴木大介氏の著作。 ○いわゆる”援デリ”を行う女性(少女)へのインタビューを中心に、その背景や実態を明らかにする作品。鈴木氏の『家のない少女たち 』の続編。 ○前著に続き、丁寧かつ深い取材力で、援デリの実態はもちろん、その背景である、貧困、障害などの“裏側”を、生...
○ルポライターの鈴木大介氏の著作。 ○いわゆる”援デリ”を行う女性(少女)へのインタビューを中心に、その背景や実態を明らかにする作品。鈴木氏の『家のない少女たち 』の続編。 ○前著に続き、丁寧かつ深い取材力で、援デリの実態はもちろん、その背景である、貧困、障害などの“裏側”を、生々しく描いている。 ○登場する女性の生い立ちや経歴、仕事内容は、かなりグロい部分もあるが、それこそが、日常の社会生活の隣に存在しているという違和感を感じつつ、興味深く読めた。 ○加害者、被害者が区別無く登場する本書は、読んでいると途中で倫理観を喪失してしまいそうになってしまうが、このような現状を徹底した取材で本にまとめている著者に賞賛をおくりたい。そして、自分に何が出来るのかという”重い”新たなる問題提起を行っている。 ○特に、終章については、つい涙をながしてしまった・・・。
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未成年売春の実態を、継続的に追い掛けた報告。 慄然とさせられるが、貧困と密接だというのが一つの大きなポイント。 裏社会の綿密な管理があり法令の変化に応じて警察もそれに対抗しているのだが、児童福祉関係者が掴めていなかった部分を明らかにしたものであった。 問題の複雑さに、改善策を模索...
未成年売春の実態を、継続的に追い掛けた報告。 慄然とさせられるが、貧困と密接だというのが一つの大きなポイント。 裏社会の綿密な管理があり法令の変化に応じて警察もそれに対抗しているのだが、児童福祉関係者が掴めていなかった部分を明らかにしたものであった。 問題の複雑さに、改善策を模索しつつも著者も途方に暮れている。解決策はまだないが、資料として重要。
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貧困の連鎖。家族から受けた経験が次の世代にもつながっていく。愛された人は次にも愛情を注ぐ。歪んだかたちは別のやり方で続いていく。 若い女性を対象に男からの「しごと」「略奪」がセーフティーネットとして機能する世の中。 知らない世界を教えてくれる一冊
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この本を読み、普通の援助との違いが明らかに…彼女達始める生きるために組織化された所で働いている。日本は裕福と思われてるが、こういう裏の部分が有ることを忘れてはならない。組織化にとても驚愕を覚えた。
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僕は本書で『援デリ』という言葉と、そういう状況下で春を鬻ぐ未成年の女の子とそれを喰い物にする大人たちの存在を知りました。書かれている内容は全編にわたって衝撃的ですが1度ご覧になっていただければ…。 本書を僕は読み終えた後に、あまりのショックでしばらくの間、呆然としてしまいました...
僕は本書で『援デリ』という言葉と、そういう状況下で春を鬻ぐ未成年の女の子とそれを喰い物にする大人たちの存在を知りました。書かれている内容は全編にわたって衝撃的ですが1度ご覧になっていただければ…。 本書を僕は読み終えた後に、あまりのショックでしばらくの間、呆然としてしまいました。1990年代の後半から未成年が売春することを「援助交際(略して「エンコー」)』と称しておりましたが、現在、 大手出会い系サイトで「女性からの援助交際のカキコミ」の9割は、『援デリ』と呼ばれる「素人を装った業者」だと言われているそうで、携帯電話などのITツールを駆使し、「打ち子」と呼ばれる統括者の男(もしくは女)が出会い系サイトのメールのやり取りで客を取り、実働部隊と呼ばれる女(少女)に客を振り分けて売春させるというまことにシステマティックもので、数年前から都市部を中心に全国区で激増している売春組織なんだそうです。 著者は6年半の長きにわたって、にわたり、自らのツテを駆使して複数の援デリ業者の内部に分け入り、そして密着し丹念に取材してきた、まさに『血と汗と少女たちの涙の結晶』が本書であると断言できます。その内容は本当に筆舌に尽くしがたいもので、まず皮切りには18歳に満たないホームレスの少女や、家族に虐待を受け、寄る辺名キミとなり、街を徘徊する家出少女。さらには施設を脱走した障害者の女の子、彼女達をアメとムチで束ねるのは組み抜けしたヤクザや雇い止めをされた元派遣労働者の男らによるもので、まさにアンダーグラウンドな世界が全面に横たわっておりました。 彼女達にとって援デリで毎日のように春を鬻ぐという状況は、まさに『生き残るための戦い』というのにふさわしく、抑圧されて育った彼女達が、圧倒的な開放感の中で自由をかみ締める瞬間であり、歩みを止めた瞬間に闇の中に沈んでいくのではという大きな不安との葛藤の瞬間でもあったと推察されます。しかし、彼女達の存在を認めない人間達がやがて存在感を増してくるのです。自らの「シマ」を荒らされた暴力団による援デリ狩り、によって容赦なく彼女達は駆られ、組織は解体されというまさに闇の社会にある『喰うか、喰われるか』の潰しあいが本当に醜いまでに展開されるくだりになっていくと本当に読むのがつらくなってきました。 さらに、筆者は少女を喰う買春男たちのほうにも取材を敢行し、その中の『歩く買春マニュアル』と呼ばれる男の話は本当におぞましく、ここでは掲載を差し控えますが、彼の語っている『知識』が多く共有されていることがもし事実だとすれば、こんなに恐ろしい話はないな、と思うともに、いかに現在の日本が壊れているな、ということの証左にも思えました。 そんなすさまじい世界の最後のほうにある第七章の『身ごもった少女』以降に出てくる里奈という女の子の言っていることや彼女のたどってきた壮絶そのものの半生はどこか、西原理恵子のマンガに出てくるせりふを連想させ、筆者といるときに自ら聞いているピンクのネットワークウォークマンを出して、選曲したアジアン・カンフー・ジェネレーションの『マーチングバンド』という曲がほぼそのまま、彼女の人生を象徴するような気がして、真頭が熱くなってしまいました。 彼女は生まれてきた息子に翔人と名づけ、それまでためたお金を基に新しい生活を始めるのですが、それもまた数少ない『例外』であり、彼女の未来もまた、決して明るい物ではないという文章で締めくくっておりますが、何と言うのか…。ここに記されていることはとてつもなく危険であり、また、底なし沼のような『闇』です。しかし、誰かがその闇を照らさなければならず、それは筆者しかなしえなかったことであろうと断言しても良いくらいで、出来れば本書が少しでも多くの方の目に触れてくれることを祈りつつ、筆を擱かせていただきます。
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主に未成年の援助交際、デリバリーに関する2006-2012年をまとめたルポルタージュ。 勢いで、興味で、という人もいるけど、そこが安住の地である人も、そこしかない人もいるんですと、という視点のルポ。誰もが問題だらけの世界だと考えるけれど、立場を変えれば見え方が変わる。けれども、や...
主に未成年の援助交際、デリバリーに関する2006-2012年をまとめたルポルタージュ。 勢いで、興味で、という人もいるけど、そこが安住の地である人も、そこしかない人もいるんですと、という視点のルポ。誰もが問題だらけの世界だと考えるけれど、立場を変えれば見え方が変わる。けれども、やはりすっきりはしない。
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売春組織「援デリ」の少女たちを追うルポ。 ライターの鈴木さんや少女たちに感情移入してしまいながら、夢中になって読みました。 あまり報じられていないことばかりだったと思います。知らないことばかりで、「そうなんだ」と気づきが多かったし、鈴木さんが長期に渡って人間関係を作っていて、とて...
売春組織「援デリ」の少女たちを追うルポ。 ライターの鈴木さんや少女たちに感情移入してしまいながら、夢中になって読みました。 あまり報じられていないことばかりだったと思います。知らないことばかりで、「そうなんだ」と気づきが多かったし、鈴木さんが長期に渡って人間関係を作っていて、とても丁寧に取材していると思いました。 最終章に出てくる少女については、「哲学者か」というくらいよく考えているこで、そして生きることに懸命で強くて、涙流しながらページをめくりました。 援デリの背景のおおきなひとつ、貧困問題を知る上でも、とても助けになる一冊だと思います。
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