のど元過ぎれば の商品レビュー
大女優の自伝は面白い。 この方も本当に色々とあったようだが、それらに対する後悔も含め率直に記述されているこの本を読んで、 いわばこの方は人生自体を率直に生きてこられたのだなあ、と思った。 記述は少しだったが東京暮色は素晴らしい。 また、さらりとアンゲロプロスが出てくるあたり、...
大女優の自伝は面白い。 この方も本当に色々とあったようだが、それらに対する後悔も含め率直に記述されているこの本を読んで、 いわばこの方は人生自体を率直に生きてこられたのだなあ、と思った。 記述は少しだったが東京暮色は素晴らしい。 また、さらりとアンゲロプロスが出てくるあたり、彼女の新劇志向を割り引いても、 当時の芸能界が、そういった世界とかすかに地続きであったことがうかがえて、うれしかった。
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高峰秀子のエッセイを昔読んだので、この大女優の自伝は感慨深かった。 高峰秀子の方が書く技術があるのはもちろんだが、当時の女優は複雑な家庭事情があるからこそ、芸能界に入ったんだなということ。 (これだけ美人で、まっとうな家庭の娘なら、当時はそれだけで玉の輿に乗ったはず。) ただ、有...
高峰秀子のエッセイを昔読んだので、この大女優の自伝は感慨深かった。 高峰秀子の方が書く技術があるのはもちろんだが、当時の女優は複雑な家庭事情があるからこそ、芸能界に入ったんだなということ。 (これだけ美人で、まっとうな家庭の娘なら、当時はそれだけで玉の輿に乗ったはず。) ただ、有馬稲子は養父母には愛されて育ったので、高峰秀子みたいに養母からたかられ、虐待に近い育てられ方をした人より甘いところがある。そして、というか、だから、高峰秀子より、男を見る目がない。 高峰秀子のお宝(梅原隆三郎が描いた自画像とか)のエッセイにうなったものだが、この本を読むと有馬稲子も負けず劣らずの、いやそれ以上のお宝を持っていたようだ。でも、借金を払うため処分してしまう。 稲子さんはあまり執着したりくよくよしたりしない人で、だからこそ、自殺してもおかしくないような苦境を乗り越えられたのだろう。 文章からも無邪気で明るくさっぱりとした人柄が伝わってくる。 でも、読み物としては物足りない。 これだけの経験をしたんだから、もっと書くことあるでしょ!!って感じ。 だれか、有能なインタビュアーが、稲子さんの元気なうちにインタビューして評伝を書いてくれるといいな、と思った。
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有馬稲子さんといえば、宝塚から女優になった人、くらいしか知らなかったけれども、いろいろ大変な苦労をされた人だったのですね。 それでも、明るく前向きに生きている姿がステキです!
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