漆のお話 21世紀を支える夢の物質 の商品レビュー

熊野谿從(著者)

2013/07/03

樹脂、と聞くと合成樹脂を想像しがちだけど、本物の樹脂、漆。漆は再生可能資源であり、廃棄の環境負荷が小さい。塗料でもあり接着剤でもある。そして美しい。
本書はそんな漆の、古き良き利点を語るだけでなく、先端分野への利用の試みや、科学的な解説もついていて守備範囲が広い。
ただそんな漆も、材料は90%以上が輸入だという。材料だけをどこかから持ってくるやり方は、周囲を幸せにしない。やはり里山ルネッサンスが必要だなあ、と痛感した。