10万年の未来地球史 の商品レビュー
所謂化石燃料消費による温暖化について、古生態学者の視点から、数十・数百万年単位のパースペクティブの中で考察してみよう、という本。曰く、化石燃料消費により5万年後に来るはずだった氷河期はキャンセルされた。そして現在の化石燃料消費の影響がリセットされるのは数十万年後と。いっぽうで、そ...
所謂化石燃料消費による温暖化について、古生態学者の視点から、数十・数百万年単位のパースペクティブの中で考察してみよう、という本。曰く、化石燃料消費により5万年後に来るはずだった氷河期はキャンセルされた。そして現在の化石燃料消費の影響がリセットされるのは数十万年後と。いっぽうで、そんな二酸化炭素の排出が行われたのはたかだか1,2世紀。その時間感覚のギャップに唖然とするのだが、逆に地球の歴史から見るとそのレベルの気候変動なんぞ過去に起きたことがあると。言ってみれば数十万年なんて地球の歴史からしてみると大した時間ではない。これは体感的に理解するのが、とても、難しい。し、ある意味、とても、面白い。結局、温暖化が進み、海面が上昇し気候が変動しても人類はそれに適応するだろうと(数十万年くらいでは人類は滅亡しないだろうと)。一方、海水の酸性化と極地の温暖化によって多くの種が絶滅する。それは避けられそうにない。と。(それも、数百万年単位で見れば進化の過程で多くの種が分化していくのだろうけど)。
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地球温暖化の影響は数万年に及ぶ。この期間の長さが問題で影響が大きい。氷河の融解。海水の酸性化(二酸化炭素が溶ける)による生物への影響(石灰質が溶けるため)がある。また、温度が高い方が溶解度が小さいため、二酸化炭素の増加→温暖化→二酸化炭素の放出、という正のフィードバックに陥るおそ...
地球温暖化の影響は数万年に及ぶ。この期間の長さが問題で影響が大きい。氷河の融解。海水の酸性化(二酸化炭素が溶ける)による生物への影響(石灰質が溶けるため)がある。また、温度が高い方が溶解度が小さいため、二酸化炭素の増加→温暖化→二酸化炭素の放出、という正のフィードバックに陥るおそれがある。熱帯では、寒冷期に乾燥、温暖期に湿潤という一般的傾向があるが、局所的は例外もある(どう影響するかわからない)。 次の氷河期は西暦5万頃なので、その頃に人類のために、化石燃料を取って置かなければならない(地球温暖化のため)。 ☆筆者は、生態学者、古気候学者であり、久しぶりに読むべき本に出会った感じ。
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1章 氷河を止める 2章 地球温暖化をこえて 3章 最後の大いなる解氷 4章 超温室のなかの生命 5章 未来の化石 6章 酸の海 7章 上昇する海 8章 氷の消えた北極 9章 グリーンランドの緑化 10章 熱帯はどうなる? 11章 故郷へ
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翻訳物にありがちだけどちょっと冗長でくどい。人類世の未来について長々と。「人類世」は新しく提唱されてる地質年代で,人間の活動によって気候のみならず地質学的な大変動が起こりつつあることに警鐘を鳴らす用語。著者オリジナルかと思ったけどそうじゃないらしい。 増加する二酸化炭素の起こす...
翻訳物にありがちだけどちょっと冗長でくどい。人類世の未来について長々と。「人類世」は新しく提唱されてる地質年代で,人間の活動によって気候のみならず地質学的な大変動が起こりつつあることに警鐘を鳴らす用語。著者オリジナルかと思ったけどそうじゃないらしい。 増加する二酸化炭素の起こす温暖化,海面上昇,海水酸性化,水害,干魃…。全球凍結など,これまで大きな気候変動を経てきた地球だが,人類世の気候変化の速さはあまり楽観できない域に来てるのかも知れない。まあでも人間の寿命に比べたらそんなに速くもないわけで,20世紀の戦争みたいに破滅的な不幸にはつながらないんじゃないかな。人類,何とかうまくやっていくような気がする。
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10万年の気象変動予測を粛々と行った本。 しかし、人間の影響は確かに大きいが、化石燃料の枯渇とともに現在のように大量に二酸化炭素を放出することはなくなると予測しているところに、現実を感じた。
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地球温暖化による海面上昇、氷のない北極、緑化するグリーンランドなど予測される地球の姿を描く。全てが人類のせいではないかもしれないが、きっかけの一端は確実に我々が握っている。地球にとって人類は必要?そんなことも考えてしまいます。
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二酸化炭素の排出量の抑制は、世界的に見て一向にはかばかしい進展を見せていないが、それは、多くの人、または国が、今すぐにでも行動に移さなくてはという意識を、まだまだ持てないからであろう。しかしながら、すでに自然界の尺度を大きく逸脱してしまった今日の状況は、未来の地球の姿を少なくとも...
二酸化炭素の排出量の抑制は、世界的に見て一向にはかばかしい進展を見せていないが、それは、多くの人、または国が、今すぐにでも行動に移さなくてはという意識を、まだまだ持てないからであろう。しかしながら、すでに自然界の尺度を大きく逸脱してしまった今日の状況は、未来の地球の姿を少なくとも数万年、数10万年、あるいは100万年単位で変えてしまっている、ということが、様々な検証とともに語られている。 そんな先の話が、はたしてあてになるのだろうか? と思いがちなのだが、残念ながら、過去の地球の歴史が、それが事実であることを物語っている。もうすでにサイは投げられているのだ。もちろんこれからの対応次第で、いくつかのシナリオに分かれていくこともまた事実だ。はたして未来の気候は、海面水位は、生きものたちは、そして私たち人類は、どのような結末を迎えることになるだろうか。この『10万年の未来地球史』はそんなタイムトラベル的な気分を、かなりリアルに味あわせてくれる未来予報図だ。
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