仕事と人間 の商品レビュー

アランリチャードソン【著】,西谷幸介【訳】

2012/11/07

キリスト教文化から、「仕事とは何か？」を考えさせるものである。

キリスト教への理解の深さによって、その捉え方は影響されるものであろうから、自分の場合は、著者の意図とに沿って、さっと理解をすることは簡単ではなく、また、その捉え方も自身の経験の領域の中でのものに限られてしまうことになるが、自分の理解の領域で"仕事"というものをシンプルに見直す視点になったように思う。

一つ一つとらえたものにはシンプルな考えがあるが、”では、自分は何を成すか？”を見極めることは簡単ではないということを感じたものでもある。

以下に、気に留めた言葉を残し手みたい。

○仕事をする者の技術とは主の教えの成果であり、主の祝福から離れては仕事をする者のどんな技術や努力も何事も達成しない
○あなたの手が労して得たものはすべてあなたの食べ物となる。あなたはいかに幸なことか、いかに恵まれていることか
○働くべきであるというのは、太陽が昇り、ライオンが狩りをするというのと同様に、物事の正規の秩序の一部なのです
○実定法の観点から強調されるべき何事かとしてではなく、今日私たちが自然法として語るものによって与えられている何事かとして見られているのです。すなわち、人間は、仕事をすることなくしては自分の物質的な必要のみならず霊的な必要をも充足させることができない存在として、つまり、人間存在としての自分の役割を成就することができない者に、創られているのです
○社会の健康は、人間がこの有機体において配列された自分の義務を責任を以て受容することによって成立します。社会の美徳は、人間が自分の持ち物を果たすことによって培われます