西尾幹二全集(第4巻) の商品レビュー
『悲劇の誕生』におけるニーチェの思想とワーグナーの思想との相互影響や、当時の文献学会においてこの書物がどのような点で画期的であったのかなど、新しい知見を得た。特に印象的だったのは、アポロン・ディオニュソスという対概念自体はニーチェ以前にもシェリングや他の思想家からも唱えられていた...
『悲劇の誕生』におけるニーチェの思想とワーグナーの思想との相互影響や、当時の文献学会においてこの書物がどのような点で画期的であったのかなど、新しい知見を得た。特に印象的だったのは、アポロン・ディオニュソスという対概念自体はニーチェ以前にもシェリングや他の思想家からも唱えられていたこと、しかしその二つが相対立するだけでなく、いわば両者の協力関係の上にソクラテス以前の古代ギリシャの本質があったことを強調したのがニーチェであったという箇所だ。
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