未央の夢 の商品レビュー
文句なしの星五つです。これを読んだ時、『会社法の正義』の著者と同じ人だとすぐに気づきました。この方は独特のセンスをお持ちで、またとても博学で、日本のマイケル・サンデル、いやそれ以上でしょう。なぜなら本著者は学問と実務を双方こなしておられるからです。著者の作品をもっと読みたいです。...
文句なしの星五つです。これを読んだ時、『会社法の正義』の著者と同じ人だとすぐに気づきました。この方は独特のセンスをお持ちで、またとても博学で、日本のマイケル・サンデル、いやそれ以上でしょう。なぜなら本著者は学問と実務を双方こなしておられるからです。著者の作品をもっと読みたいです。 ・数式だけで数学的論理は完結しない。 ★著者の数学に関する疑問はとても優れている。自分も疑問に思っていた。 ・学問は真理の追求である以上、答えが一つであることが理想的なのは当たり前。文系は答えは学者の数ほどある、というのが常識だから、この点で難あり。 ★同意見。 ・答えを一つに収斂させようとする試みの一つが分析哲学。例:ポパーの反証可能性→著者は、この可能性のないプラトンのイデア論やマルクスを批判。 ★同意見。 ・真理の発見と同意の獲得は峻別すべし。真理の発見も大事。でも、相手の同意を得るためのプレゼン(修辞学などを含む)も極めて大事。 ・表見代理は二つしかない。なぜなら、代理権消滅型の表見代理は、ほかの表見代理の成立主張に対する相手方抗弁への再抗弁だから。 ・構成要件を異にする択一的認定の問題。 ・ある弁護士の発言:弁護士は地上軍で裁判官は空軍だ。 ★面白い。 ・著者は、ビジネス英語力を増強するために、ピーター、ペテロなどの表記を統一したら、と提言している。 ★面白い。
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わが国を代表する法律事務所の1つである西村あさひの代表パートナー,草野先生による自叙伝(というには若すぎますが)です。何とも美しい文章ですが,その内容に圧倒されてしまいました。法曹を目指す人々,若者には勇気と希望を与える本ですが,私は絶望を感じてしまった。なんと言いますか,この世...
わが国を代表する法律事務所の1つである西村あさひの代表パートナー,草野先生による自叙伝(というには若すぎますが)です。何とも美しい文章ですが,その内容に圧倒されてしまいました。法曹を目指す人々,若者には勇気と希望を与える本ですが,私は絶望を感じてしまった。なんと言いますか,この世には,およそ及びがたいような才能に恵まれ,かつ,飽くなき努力を遂げ,しかもそれを現在進行で持続できる人がいるのだと,そう,実感しました。是非,一読を。
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