金融機関のための金融商品会計ハンドブック の商品レビュー
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
本作の内容ですが、本の題名の通りです。 金融機関にお勤めの方、ないしは経理・会計職の方以外には用なしの本であると思います。内容もタイトルすばりです。金融商品の会計方法の解説本です。 ・・・とこれで終わってしまうと身も蓋もありませんので特徴をかいつまんで幾つか。 一番の特徴はデリバティブに関する会計に結構なページが割かれている部分だと思います。ヘッジとは何か、ヘッジ会計とは何か、包括ヘッジとは、キャッシュフローヘッジとフェアヴァリューヘッジなど、デリバティブに関する会計規則については一通り網羅していると思います(偉そうな書き方ですが私も学ぶ身です)。ですので、このあたりはぼんやり分かるけど総まとめして勉強したい人には適しているかもしれません。 次に、金融商品についての目配せが広いな、と感じました。 有価証券の評価方法等は当然として、ローンパーティシペーションの仕訳とか、CDSのヘッジの有効性についてとか、保険会社におけるデュレーションマッチングについてとか。私もすべてがすんなり理解できたわけではありませんが、扱ったことのない商品の会計上の取り扱いはへえーと関心するばかり。 おまけ程度ですがバーゼル3やIFRSへの言及もあり、まあ業界全体の会計上の論点等を概観できる点では評価できます。 ・・・ 私は会計職でも経理職でもないのですが、実際の専門職の方にとってはより深い専門知が必要になるのではないかと思います。その意味では会計・経理職の方々にとっては入門書、会計・経理職ではないけど周辺業務として携わる方には概観を得るために役立つ本ではないでしょうか。分量も300ページ弱、論点も絞られており簡潔、好感が持てた本です。
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