くれなゐ(上) の商品レビュー
冬子という帽子デザイナーが、 子宮筋腫となり、手術後 子宮も摘出されたことを知る。 女でなくなったと思い、不安定な心が浮き彫りになる。 医者の視点からの表現であるが、 『子宮』が中心になっていて、 『生きる』『生命』への渇望が極めて弱いことが オトコとオンナの物語にしてしまう。 ...
冬子という帽子デザイナーが、 子宮筋腫となり、手術後 子宮も摘出されたことを知る。 女でなくなったと思い、不安定な心が浮き彫りになる。 医者の視点からの表現であるが、 『子宮』が中心になっていて、 『生きる』『生命』への渇望が極めて弱いことが オトコとオンナの物語にしてしまう。 渡辺淳一のうまさは 受け入れようとする冬子と拒絶する冬子の 二人の冬子を存在させて、ある時は受け入れて ある時は うけいれないというふたつの流れを 演出することで、冬子をめぐる状況を浮かび上がらせる。 子宮をなくした冬子は どこにいくのだろうか?
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