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私はジョン・Fの愛の奴隷だった の商品レビュー

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2013/07/27

私の初めての『男』はアメリカ大統領だった―。本書はジョン・F・ケネディ大統領と不倫関係にあった筆者がJFK没後49年目を迎え、はじめてその重い口を開き、彼との関係を赤裸々に告白したものです。 JFKについて僕が知っていることといえば、通史で公開されているさらりとしたここと、マリ...

私の初めての『男』はアメリカ大統領だった―。本書はジョン・F・ケネディ大統領と不倫関係にあった筆者がJFK没後49年目を迎え、はじめてその重い口を開き、彼との関係を赤裸々に告白したものです。 JFKについて僕が知っていることといえば、通史で公開されているさらりとしたここと、マリリン・モンローとの『関係』ぐらいでしたが、本書は19歳から20歳までをJFKの愛人として不倫関係におぼれていた人間が、JFK没後49年目にして、はじめてその重い口を開いたというものです。 いやはや…。何というのか。女性にとって『はじめて』の相手がアメリカ大統領というのは、えてしてこういうことなのかということを読みながら知ってなんともいえないものを感じながら読んでおりました。しかし、大統領との『甘い関係』もいつかは終わりが来ると知りつつ、情事におぼれる筆者。ことの是非は問わないんですが、彼女との間に起こる出来事と、世界史を左右する様な出来事の狭間で揺れ動き続けるJFKの対比がとても切なかったりはしました。 その関係も終わりを迎え、彼女が最初の夫と結婚するときにJFKがダラスで暗殺され、彼に地震がJFKとの間に何があったかを語る場面は以前読んだ『浮浪雲』の愛して一緒になった女性が『夜の女』で客を引いてたときのことを問い詰められて語るという回を思い出し。なんともいえないものを感じてしまいました。 最初の結婚も徐々に冷え切っていき、離婚を迎え、紆余曲折があって現在の夫と結婚するまでが描かれていて、彼女にとってのJFKとのわずかな『邂逅』が後々の人生に深く影響を及ぼしたんだな、ということを思ってなんともいえない気持ちになりました。僕がこの本を手に取ったのは、最初は単なる好奇心からでしたが、読み終えてからは彼女の人生の『その後』の軌跡と、『倫理に時効はない』 という言葉を思いつつ、ここで筆を擱きたいと思います。

Posted byブクログ