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歌集 あやはべる の商品レビュー

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2024/04/15

「かりん」に拠る歌人・米川千嘉子の第七歌集で、東日本大震災をふくむ2007年から2012年までの473首を収める。この歌集で、第47回迢空賞を受賞した。自然や家族を詠むだけでなく社会詠にも鋭い視線を注ぐ。「春一番吹きし日のゆめ難聴の母親の耳ふはりひろがる」「若葉光レモンのジュレに...

「かりん」に拠る歌人・米川千嘉子の第七歌集で、東日本大震災をふくむ2007年から2012年までの473首を収める。この歌集で、第47回迢空賞を受賞した。自然や家族を詠むだけでなく社会詠にも鋭い視線を注ぐ。「春一番吹きし日のゆめ難聴の母親の耳ふはりひろがる」「若葉光レモンのジュレに落ちるのは永福門院が見てゐた光」「人間になりたいと猫は思はざらむその幸ひをひとも持つべし」「綾蝶(あやはべる)くるくるすつとしまふ口ながき琉球処分は終はらず」「祈るとは何と問ふときいつせいに海はしづもる安芸厳島」「盛り土は何を葬りし土ならむたしかに何かを葬りにけむ」「わかり合ふ女子会ひとり抜けてきて黄葉の街に食ひ込んでゆく」

Posted byブクログ

2019/05/06
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※このレビューにはネタバレを含みます

 第8歌集から第7歌集を読んでいるので、一人息子さんの成長など、フィルムを逆回しで観ているようだ。  第8歌集では就職した息子さんは、ここでは予備校を経て大学に進学したようだ。息子さんは家を出て、歌人夫婦2人きりの生活になった。  娘・妻・母親・1女性としての歌と共に、東北沖大地震・原発災害も繰り返し詠まれている。

Posted byブクログ