友人の母 の商品レビュー
スムーズさに欠ける結末が悔やまれる
以前よりずっと想いを馳せていた友人の母との背徳の蜜月物語……と断言したいのにし切れないもどかしさが実に残念な内容。いや、ほぼそうなのである。そうなのではあるが、言ってしまえば結果的に少々邪魔な存在になってしまったサブヒロインがタイトルに反して登場し、これまた結果的にかもしれないが...
以前よりずっと想いを馳せていた友人の母との背徳の蜜月物語……と断言したいのにし切れないもどかしさが実に残念な内容。いや、ほぼそうなのである。そうなのではあるが、言ってしまえば結果的に少々邪魔な存在になってしまったサブヒロインがタイトルに反して登場し、これまた結果的にかもしれないが、終盤で掻き回すのである。母娘の対峙と和解による最終的な母娘丼をどうしても盛り込みたかったとすれば今回は裏目と言わねばなるまい。要するに、ダブルヒロインならともかく、本作のメインは、その存在感からしても、振る舞いからしても、断然母なのである。あたかも順調にクルージングしていたのに終盤のジャンクションで何を間違えたのか別の高速道路に入ってしまい、降りるに降りられず、あれよあれよという間に別のところへ連れて行かれたような、そんな読後感が漂ってしまった。 しかし、この友人の母は非常に素晴らしく描写されている。才色兼備な出で立ちから品のある振る舞い、そして妖艶な佇まい……官能的にも非の打ち所の無い美女として描かれている。主人公からの好意を受け止めつつも許されざる関係を憂いながら、それでも惹かれてしまう気持ちを奥底に湛えながら、それはそれとして、年上の優位さで主人公を小悪魔的に誘惑し、リードしていく艶かしさが同居していて実に魅力的。過剰に媚を売るでもない、スマートな美熟女との印象を得るものだった。 また、時折姿を見せる友人の目を盗んで秘め事チックに睦み合うところなどは、同じフランス書院文庫の神瀬知巳作品から『甘く危険な休日-僕のママ・友だちの熟母』や『僕のおばさま・僕の美姉妹-隣りのベランダ』辺りを彷彿とさせる淫靡さがあって良かった。ココロとカラダが絡み合い、交わり合う耽美ないやらしさに溢れていただけに、このまま押し通してほしかった気がして仕方ないのである。
DSK
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