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子ども兵を知っていますか? の商品レビュー

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2017/08/08
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「アフリカの真珠」と称されるウガンダ。 実際に著者が訪れた北部の町、グルでの体験記が中心にはなっているが、独立から現在までの国内情勢、取り巻く国際機関の対応、隣国の思惑とその折衝…と、著者の視点は目先の事象に留まらない。 日本の戦争体験談までは拡げ過ぎな気もするが、更にエドワード・ホールやエリクソンの著作を引用しながらの、ルポの枠を超えた考察も興味深い。 一方で、LRAの夜襲を逃れる「ナイトコミューター」、伝統的な紛争解決儀式「マト・オプト」など、キャッチー(と言っては不謹慎か?)なネタも盛り込み、とっつき易い構成。 執筆中に父親になった経緯から(おめでとう!)、子どもを守る対象としてだけでなく、同じ共同体の構成員と実感するくだりは微笑ましい。 ただ、最終章後半の、国際法上の「戦争」の解釈や、コンラート・ローレンツ「攻撃」のスポーツの効用に関する記述からの発想、戦争の原因についての確信、第9条改憲…この辺は思いつきの域を出ず、短絡的。

Posted byブクログ