小説・秒速5センチメートル の商品レビュー
アニメ映画にあった空間の隙間がどこか淡白さを内包した文章で紡がれることで、小説ならではの表現を獲得していると感じます。 何よりも違うのが、より主人公である貴樹の歩みにフォーカスしていることで、アニメ映画ではどこかぼんやりとしていた貴樹の人物像が明確に見えていて、ラストシーンにお...
アニメ映画にあった空間の隙間がどこか淡白さを内包した文章で紡がれることで、小説ならではの表現を獲得していると感じます。 何よりも違うのが、より主人公である貴樹の歩みにフォーカスしていることで、アニメ映画ではどこかぼんやりとしていた貴樹の人物像が明確に見えていて、ラストシーンにおける意味合いがより強調されているように思います。 文章としての構成力というよりは、あくまでも映像をイメージさせる空気感という点で、映画を観た人もそうでない人もひとりの青年の喪失の日々と、そこから一歩足を踏み出した時の心情を感じられるのではないでしょうか。
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- ネタバレ
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センチメンタル満載だったなあ。 男の人は、初恋が忘れられないって いうけれど、まさにそんなお話だった。 タカキくんの時間は、あの雪の降る 2人きりの夜から止まったまま。 なんだかね、素敵すぎる思い出も いただけないなと思いました。 いつまでも大切にしすぎて、 そこから動けなくなってしまうことも あるから。 タカキくんは、自覚している以上に、 ずっと彼女と過ごした日々を 夢見ていたみたいだ。 「今」を、生きていなかった。 だから、あきらめて離れていったの だと思う。どの女の子も。
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「秒速5センチメートル」それは桜の花びらが落ちるスピード。小学校で出会った明里と貴樹、彼らは中学校で離ればなれに・・・。まだ読んではいないのですが、私は桜の花が大好きで、裏表紙のあらすじに心惹かれてしまい、手に取った作品です。原作は映画だそうですが、また違ったストーリーで、見てい...
「秒速5センチメートル」それは桜の花びらが落ちるスピード。小学校で出会った明里と貴樹、彼らは中学校で離ればなれに・・・。まだ読んではいないのですが、私は桜の花が大好きで、裏表紙のあらすじに心惹かれてしまい、手に取った作品です。原作は映画だそうですが、また違ったストーリーで、見ていなくても大丈夫ということなので、楽しみです。読み終わったら、レビューを更新したいと思います(*^_^*)
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女の主人公?の名前がアカリでした。もう、それだけで泣きそうに。 最後はせつない、のか。原作というか映像作品は未見なので、どうなのか。
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2年前に映画を見たときは花苗ちゃんがあんまり好きじゃなかったのだけど、今回は彼女の行動とか感情にとても共感してしまって、ものすごく応援したくなった。この子は幸せになってほしい。
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涙腺崩壊。注意! 絶望的な距離により引き裂かれた貴樹と明里。幼き日の「ずっと好き」は度し難い運命の前に儚くも消え去ってしまう。 人生において「喪失」は避けて通れず、人はそのたびにそれを乗り越え前を向かなければならない。 それが現実とはいえ、この救い難さは深く私の心を貫いた。 ...
涙腺崩壊。注意! 絶望的な距離により引き裂かれた貴樹と明里。幼き日の「ずっと好き」は度し難い運命の前に儚くも消え去ってしまう。 人生において「喪失」は避けて通れず、人はそのたびにそれを乗り越え前を向かなければならない。 それが現実とはいえ、この救い難さは深く私の心を貫いた。 15年後に明かされた当時の二人の手紙の内容にはお互いを思いやる気持ち、かけがえのない時間を共に過ごし育んだ特別な感情、そしてひとりで歩いていかねばならないという覚悟が切々と綴られており、読み進めながらとても平常心ではいられなかった。 この部分は映画版では語られていないので、未読の方には強くお勧めする。
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初めての新海誠作品。 理不尽な暴力やエロスもなく、思春期の心象・風景描写が綺麗。 サラサラっと気持ち良く1時間ほどで読めました。 でも、男性作家の描く恋愛小説。 あの時の彼との事は良い思い出だわ〜といつまでも思っていて欲しい、男性の気持ちがにじみ出ている。 辻仁成『冷静と情熱…...
初めての新海誠作品。 理不尽な暴力やエロスもなく、思春期の心象・風景描写が綺麗。 サラサラっと気持ち良く1時間ほどで読めました。 でも、男性作家の描く恋愛小説。 あの時の彼との事は良い思い出だわ〜といつまでも思っていて欲しい、男性の気持ちがにじみ出ている。 辻仁成『冷静と情熱…』を読んだ時にもそう感じた。
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映画は何年か前に鑑賞済み。 テーマは喪失。 生きてゆくのに一人は辛い。 けれども大抵の人は 不器用で、孤独で、 せっかく手に入れた温もりにも 混じり合うことを強く望みすぎて 苦しくなる。 気持ちは行き違う。 あのとき、ああなっていればと願っても、 決して交わることはない。 ...
映画は何年か前に鑑賞済み。 テーマは喪失。 生きてゆくのに一人は辛い。 けれども大抵の人は 不器用で、孤独で、 せっかく手に入れた温もりにも 混じり合うことを強く望みすぎて 苦しくなる。 気持ちは行き違う。 あのとき、ああなっていればと願っても、 決して交わることはない。 少しずつ失いながら、 一人で生きていく強さを手に入れる物語。 小説秒速5センチメートルは たくましく美しく、 思ってたより前向きで、 思っていたとおりにメランコリックだ。
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アニメ、コミックス、最後に文章。 「転校」というきっかけに掴まえられた気もするが 「喪失」というテーマに対して 自分の胸の反応を表す言葉は「痛み」ではなく「疼き」。 One More Time One More Chanceがなんて似合うのだろう。 これは「喪失」ではなく「後悔」...
アニメ、コミックス、最後に文章。 「転校」というきっかけに掴まえられた気もするが 「喪失」というテーマに対して 自分の胸の反応を表す言葉は「痛み」ではなく「疼き」。 One More Time One More Chanceがなんて似合うのだろう。 これは「喪失」ではなく「後悔」へと置き換えたのかも。 ところが落ち着いて思い出せば、 短期間での転校が多くて「初恋」をする 暇も無かったような気がする。 映像では風景や表情から自分のストーリーにするために 想像力を働かせ、本では心情は語られているが 表された文章から風景や表情への想像力を働かせる。 お互いに行き来すればいいじゃない。
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原作は未鑑賞。 素晴らしき初恋に囚われてしまう登場人物。 恋をしているときのあの世界が輝いてみえるような独特の風景を文章から感じ、胸にくるものがあった。 また、恋をしているがゆえの全てがマイナスへのベクトルに向かっているような負の感情にも共感して読むことができた。 映画は非常に繊...
原作は未鑑賞。 素晴らしき初恋に囚われてしまう登場人物。 恋をしているときのあの世界が輝いてみえるような独特の風景を文章から感じ、胸にくるものがあった。 また、恋をしているがゆえの全てがマイナスへのベクトルに向かっているような負の感情にも共感して読むことができた。 映画は非常に繊細な映像のイメージがあるが、小説においては、登場人物の心情が繊細に描かれていたのでは。
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