アイロンと朝の詩人 の商品レビュー
堀江敏幸さんの第三雑文集です。硬軟取り混ぜた文章が収録されていますので、お好きなものからどうぞ、という本です。
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回送電車Ⅲ 中公文庫から堀江敏幸3作目のエッセイ集(雑文集) 若干の偏りはあるが、紹介されている本が読みたくなるし、読んでいない自分が少し恥ずかしくなる。優し言葉で当然のように本の書評を言われると、その意味では北村薫が本を紹介している時ににている。 ・・・・・はかなき者よ 人間と...
回送電車Ⅲ 中公文庫から堀江敏幸3作目のエッセイ集(雑文集) 若干の偏りはあるが、紹介されている本が読みたくなるし、読んでいない自分が少し恥ずかしくなる。優し言葉で当然のように本の書評を言われると、その意味では北村薫が本を紹介している時ににている。 ・・・・・はかなき者よ 人間とは何なのか、人間ではないものは何なのか、人間とは影の夢・・・・・だがときおりまるで 高みから降りてくる光線のごとく、よろこびの短い光がその生を美しくする、そして人間は知るのだそこはかとない甘美さを・・・・・ ピンダロス『ギリシャ詞華集』
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『回送電車』シリーズ第3巻。 古本と鉛筆削り、そしてタイプライターのエピソードが印象的だった。特にタイプライターには風情がある……あっても使えないけれどw
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
雨音に催促されるようにして、積ん読の山から掘り出してきてポツポツと読み始める。 堀江敏幸の書く散文は、どこか音楽に似ている。ポンと心を打つ響きもあれば、よそよそしく響く和音もある。時間を経て、抽象的な響きの奥からひょっこり顔をのぞかせるひとなつこい旋律がある。そしていつもこのひとの散文を読むとき思うのは、そこに置かれた「ことば」を読むことでもたらされる余韻のようなものに浸りたくて読むのだ、ということである。そこで鳴らされる音以上に、それによってもたらされる余韻に浸りたくて聴くモンポウの音楽のように。 個人的に大好きな天野忠翁の詩とともに、柔らかく、軽い「むかし」が行間からこぼれ落ちる「メロンと瓜」、身の回りの壊れたものを必要にせまられて「取り繕う」行為から日々を送るということへ、アナロジーの飛躍が不意に視界が開けたかのような錯覚をもたらす「日々を取り繕う」など、いつもながらちいさな「気づき」に満ちた散文集。
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