都市と星 の商品レビュー
未知なる領域への恐怖、臆病な気持ちにとらわれる人の心、変化することへの拒絶、過去歴史の偽造、安定の快楽、現状への懐疑、殻を破り捨てて新たなものに遭遇したい好奇心と冒険心、失望と希望。 閉ざされて無知だった都市が花開いていく、異世界を舞台にした、人間を描く物語。 きっと、どんなに時...
未知なる領域への恐怖、臆病な気持ちにとらわれる人の心、変化することへの拒絶、過去歴史の偽造、安定の快楽、現状への懐疑、殻を破り捨てて新たなものに遭遇したい好奇心と冒険心、失望と希望。 閉ざされて無知だった都市が花開いていく、異世界を舞台にした、人間を描く物語。 きっと、どんなに時を経ても、人間には魅力的な本なんだろうなぁ。
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見知らぬ世界に出ていく冒険譚。ある意味単純でお約束ではあるけど、このクラークの底になんだかんだあってもどこかしら光明さす未来が透けて見える感じが嬉しい。
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銀河帝国の崩壊に情報理論の発展による変化を加味した作品。文明が始まってより二十億年が経過し、意識を保存し新たな肉体に移すことによって人間が不死を得た世界。ダイアスパーという都市の中だけで生活し、セントラルコンピュータによってすべてがコントロールされ人類の進化はなくなり同じ繰り返しを生きている。そこに繰り返しではない新しい意識を持つアルヴィンが生まれる。彼は他人が持たない好奇心を持ち、ダイアスパーの外の世界に出ていこうとする。そこで、リスという新たな都市を発見する。 その後、舞台は宇宙へまで広がり、人類の隠された歴史、そして、ダイアスパーの成り立ちが明らかにされる。 銀河帝国の崩壊にプラスされた部分がおもしろく興味深い。宇宙に出て以降は同じような構成となっている。意識の保存、電脳空間のようなものなどが登場する。
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現在からずーっと未来、ウェルズの「タイムマシン」のような世界において、地球の都市ダイアスパーの青年が目覚め、外界への出口を求めての冒険。 本書は、冒険小説、未来での歴史小説、地球自治など、様々な読み方ができるし、例えばダイアスパーにおける人々の成り立ち…ヘソがない、なんていう話...
現在からずーっと未来、ウェルズの「タイムマシン」のような世界において、地球の都市ダイアスパーの青年が目覚め、外界への出口を求めての冒険。 本書は、冒険小説、未来での歴史小説、地球自治など、様々な読み方ができるし、例えばダイアスパーにおける人々の成り立ち…ヘソがない、なんていう話も面白い。 大方のストーリーは「トム・ソーヤーの冒険」のような話なのでするっと理解できるのだが、にも関わらず、読むのにものすごく時間がかかってしまった。そのうちの一つの原因は、非常に多種多様の比喩に彩られた文章であり、言ってはなんだが煙に巻かれたようなところが多々存在する。 未来を描くために、様々なメカニズムを考案して、アイデアを盛り込んでいく手法で、特に最初の都市の描写が延々と続くあたりは、読んでも読んでも進まない気分になってしまうのだ。 個人的にクラークの小説は、「ものすごい当たり」か「ぼんやりしていてよくわからない」のどちらかという印象だが、本書は後者。 ただ、駄作じゃないですよ。最後に起こるどんでん返し、それも歴史観の話に繋がるなど、そのアイデアには脱帽せざるをえないのだが。
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銀河帝国の崩壊の書き直し(作者自身の書き直し) 表紙 5点加藤 直之 展開 7点1956年著作 文章 6点 内容 705点 合計 723点
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30年ぶりに再読。クラークらしい大風呂敷で、クラークらしいオプティミズムが感じられる。内容は思弁的と言われるようだが、むしろ遠未来ファンタジーと言ったほうがいい。遠未来にしては人間の行動様式や価値観の描写に変化がないのが物足りない。ハヤカワ文庫版は現在は新訳になっているらしい。
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クラーク・ワールド満喫 最高だ。 久しぶりに味わう絵本のようなサイエンス・ファンタジー。 日本語訳は山高昭、巻末の解説は堀晃の豪華コンビ。 10年かけて執筆した「銀河帝国の崩壊」を8年かけて全面改訂した作品が「都市と星」。なんと1955年の作品だ。 主人公は地...
クラーク・ワールド満喫 最高だ。 久しぶりに味わう絵本のようなサイエンス・ファンタジー。 日本語訳は山高昭、巻末の解説は堀晃の豪華コンビ。 10年かけて執筆した「銀河帝国の崩壊」を8年かけて全面改訂した作品が「都市と星」。なんと1955年の作品だ。 主人公は地球最後の都市「ダイアスパー」に住んでいる。ここは人間そのものをメモリーバンク化して合成した物理的肉体を与えるシステムを持つといった科学技術の粋を結集した未来都市だ。 主人公は、単なる好奇心から地球上のもうひとつの都市を発見する。そこは自然との共生を中心としたひとつの理想未来都市であり、住民もダイアスパー人とは大きく異なっている。 人類がふたつに分かれた理由は何か。それを知るため旅に出た主人公は、遙か昔に自らの祖先が地球を銀河を捨てて遠い宇宙に旅立ったことを知る。 主人公は祖先の遺物である宇宙船を発見して、銀河を探し回るが生命体の痕跡しか見あたらない。しかし、唐突に物理的肉体を持たない幼稚な知的生命体と遭遇する。 この知的生命体は人類が2番目に作り上げたものだという。そして、銀河帝国の崩壊は最初に作った知的生命体が失敗作だったからだという過去が明らかになる。 主人公は宇宙船に先祖の消息探査を指示し、自らは地球の復興を進めながら、所在が不明な最初の知的生命体と今や人類の友となった2番目の知的生命体の戦いを待つのだった。 いやぁ、壮大。クラーク作品を上手につなぎ合わせてクロニクルを作れば、アシモフのファウンデーションやバクスターのジーリーみたいなものができるだろう。 人類より遙かに高度な知性を持った生命体が宇宙に必ず存在する。クラーク作品における最大かつ永遠のテーマはここにこそにあると思う。
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