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ソロモンの偽証(第3部) の商品レビュー

4.3

515件のお客様レビュー

  1. 5つ

    221

  2. 4つ

    171

  3. 3つ

    65

  4. 2つ

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  5. 1つ

    1

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2012/10/13

面白かった。それは確かだ。昨日一気に読んでしまった。なのに…。どうしてこんなにモヤモヤした気持ちになるんだろう? これから読む人は以下はパスしてください。 Ⅰ部Ⅱ部とわくわくしながら読んで、もう本当に楽しみにしていた。金曜は予定を入れないようにして、家事も早めに済ま...

面白かった。それは確かだ。昨日一気に読んでしまった。なのに…。どうしてこんなにモヤモヤした気持ちになるんだろう? これから読む人は以下はパスしてください。 Ⅰ部Ⅱ部とわくわくしながら読んで、もう本当に楽しみにしていた。金曜は予定を入れないようにして、家事も早めに済ませ、準備万端整えていざ第Ⅲ部、読む前からこれほど入れ込んでいたことってあったかしら、というくらいの意気込みだったのだ。 序盤はややまだるっこしい展開だが、どんどん事の成り行きに引き込まれていく。登場人物、殊に中学生達の人間像がそれぞれくっきりした輪郭でうかびあがってくるところなんかは、今さらながら宮部みゆきの独壇場だ。まるで映像を見ているかのようなあざやかさに感嘆する。 その一方で。手に取る前からふくらんでいた期待が、中盤以降少しずつしぼんでいく。いやいや宮部さんのことだもの、きっと何かあるはず、と思い続けてとうとう最後まで読んでしまった。正直、え?という感じだった。 だってだって、新刊案内には「驚天動地の完結編!」ってあるんだよ。読者の思いも寄らない真実がベールを脱ぐのかと思うじゃないですか。蓋を開けてみると、そういうものはないのだった。最後の証人があの少年であろうということはほぼ想像できたし、「真相」にも驚きはない。帯の惹句「もしかしたら、この裁判は最初から全て、仕組まれていた?」もピントはずれに思える。 そうなのだ。本書の読みどころはミステリとしての意外性なんかじゃないのに、そういう期待を煽られたことが不満なのだ。タイトルももうひとつしっくり来ない。どうしたって賢者があえて偽証をして正義を為す、という構図を思い浮かべてしまうんじゃないだろうか。でも、これはそういう話ではないよね。 もちろん、本書自体に文句はない。宮部さんの最高傑作とは思わないけれど、読みごたえ十分で、繰り返しになるが、人物のリアリティにかけては並ぶものがないと思う。倉田まり子や向坂行夫のような中学生を書けるのはこの人だけだ。宣伝文句なんかに惑わされずに読めば良かったのだね。でも、紹介を読んでわくわくする気持ちも捨てがたい。うーん、難しい。

Posted byブクログ

2012/10/13

ミステリィというのは、出来事やトリックだけ書いてれば成立するのじゃないんだなぁ、と思います。 こんなにもエネルギーを使った作品を産み出してくれて、宮部みゆきさんありがとうという気持ちです。 しかし難しいお話…! 子供たちのすがすがしさ真摯さに涙が出ました。

Posted byブクログ

2012/10/13

止められず一気に読んだ。 心配だった中弛みも、それほどなかったと思う。 ただ、ほぼ全てが裁判の「証言」というかたちで構成されているので、既に読者に明かされている真実を改めて読むことがあり、そこは(仕方がないが)ダルいかなと思った。 とはいえ、さすがの筆力というか。それぞれの子...

止められず一気に読んだ。 心配だった中弛みも、それほどなかったと思う。 ただ、ほぼ全てが裁判の「証言」というかたちで構成されているので、既に読者に明かされている真実を改めて読むことがあり、そこは(仕方がないが)ダルいかなと思った。 とはいえ、さすがの筆力というか。それぞれの子の葛藤に涙が出る場面もたくさんあった。 私にとって、間違いなく、単行本で購入して正解な作品でした。

Posted byブクログ

2012/10/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

結局一気読みしてしまった。心臓の動悸が苦しくてじっとしていられないくらいで、手に汗を握りながら、ハラハラしながら読み通してしまった。 新聞の広告には「だれもこの結末を予想できない」と書いてあったが、珍しいことに私には予想がついた。というか、この結末しかありえないだろうと思った。 第Ⅰ部の冒頭で、小林電器店のおじさんが見かけた男の子の姿が、3冊通して読む間ずっと脳裏から離れなかった。どうして彼はそんなに疲れていたのだろう。ほんの短いシーンなのにひどく印象的だった。 14歳くらいのときに、死について考えたことがない人は幸せだと思う。 自殺とか死なんてものに心を引っ張られることなく過ごせたら、それに越したことはないのだ。 私には柏木卓也の考えていたことが、ほんの一部だけどわかる。同じようなことを考えたことがあるから。でも私は彼ほど完璧な人間じゃなかったから、自分をそこまで追い込むことはできなかった。だから今でも生きている。 それにしても、1冊が4㎝もあるような分厚い本が3冊もあるというのに、この物語のまとまりようはどうだろう。決して拡散していくことなく、詳細で丁寧な語り。まるごとその世界で生きていたかのような感覚がいつまでも抜けない。 もともと宮部さんの作品はそういう読後感が多いのだが、本作はその中でも飛び抜けて「その世界で生きている感じ」が強い。 また読み返したら違う感想を持つかもしれないので、とりあえず一読後のそのままの感想をあげておく。

Posted byブクログ

2012/10/11

たった今読み終わりました。 まだ心臓がバクバクしてます。 すごかった。 思ったことはいろいろありますが、とりあえずすごかったです。 この話を完成させた宮部さんを尊敬します。 宮部さんの代表作になること間違いなしですね。

Posted byブクログ