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歌詞から作曲できるようになる本 の商品レビュー

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2024/09/08

自分たちが歌う歌詞について分析するため、参考にならないかと思い買った一冊。作曲を今後する予定は特にないが、詞ではなく曲を作る人の考え方の一つに触れることができて面白かった。 歌には歌詞と曲が必要なので、自然と、詞が先にあって曲をつけるパターンと、曲が先にあって詞が詞がつけられるパ...

自分たちが歌う歌詞について分析するため、参考にならないかと思い買った一冊。作曲を今後する予定は特にないが、詞ではなく曲を作る人の考え方の一つに触れることができて面白かった。 歌には歌詞と曲が必要なので、自然と、詞が先にあって曲をつけるパターンと、曲が先にあって詞が詞がつけられるパターンの二種類がある。著者は、ここ最近、サウンドを優先した曲先の歌作りが増えているという世の中の風潮を感じとっているようで、詞先の歌づくりの魅力を伝えようとする。 歌詞は、メロディとは違って言葉で書かれているので、当然、解釈の幅はありつつも、明らかに言葉にされている意味がある。すでにある歌詞をよく読み込んで、その言葉の意味、メッセージを自分なりに受け取ったうえで、そのメッセージに合ったメロディをつけるというのが、著者の基本的なスタンス。 そのため、Aメロでは、歌のシチュエーションがきちんと伝わるように、言葉が聞き取りやすいメロディを、サビでは、歌一番のメッセージが強調されるようにしっかりと盛り上げるなど、極めてオーソドックスな考え方をする。1音に1音符、日本語のイントネーション、アクセントを壊さないといった原則を守っている感覚はやや古い感じも受ける。実際、ビートルズの大ファンのようで、出てくる例にものすごく世代を感じる。 後半の実践編では、コード進行の話とコードから生まれるメロディの話が出てくる。このあたりから、音楽について知らない人間としては、読んでいてよく分からない。思うに、コード進行についての基本的な知識を感覚的に身につけているがゆえにできるのだろうなと思わせる。そういった意味では、この本を読んで作曲ができるようにならないとは思う。 ギター(でなくともいいが)を手に書かれたコードを音に出せるところからはじまる。作曲をする人たちが肌感覚で身につけているものが、言葉にされていて、面白い本だった。

Posted byブクログ