カルチャーラジオ 文学の世界 グリム童話の深層をよむ(2012年10月~12月) の商品レビュー
大人の色眼鏡で見たグリム童話と言うのとは対極に位置するような内容で、いわばグリム童話をとおして、ドイツ民衆が集団記憶として醸成してきたドイツメルへンの骨格を浮かび上がらせるような講義だった。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
『本当は怖い・・・何とか』っていう切り口でグリム童話を解説していくのかと思いきや、とてもオーソドックスにその物語の源流にある土着信仰や、その後に浸透していったキリスト教の影響を受けた童話の成り立ちが語られていて、興味深い。 またこれら童話にある共通認識、たとえば『白』は善であり、『黒』は悪、美しい人は心も美しく、ほとんどの物語がハッピーエンドで終わること、また『美しい』と書かれた人物のディティールや、書かれた時代、場所などがぼやけた状態で明確に書かれてないことが上げられています。 子供向けの作品だからと、手抜きをしているわけではなく、そういった曖昧な表現をすることで、物語は普遍性を持つことができ、いつまでも語り継がれて、多くの人に読まれるであろうという意図があったとか。 いばら姫や白雪姫などにみられる『死(眠り)』と『再生』も、自然の『冬』と『夏』、『農閑期』と『農繁期』に関連付けられて語られています。 その点で言うと、ギリシャ神話のデーメテールとその娘、ペルセポネーの誘拐の話を思い出しました。 個人的には『蛙の王子様』が不条理だなと。 姫の願いを叶え、その代わりに姫と同じベッドで寝ることを約束された蛙、いざ姫のベッドにいざり寄ると、蛙を気持ち悪がった姫はその足を掴んで壁に投げつける。すると蛙はその衝撃でか、魔法が解け、美しい王子の姿に戻って、その姿に姫は一目ぼれ、二人はめでたく夫婦に・・・て、それじゃ、王子が可哀想だし、お姫様もちょっと現金だなと。笑) そんな屁理屈も飲み込むメルヘンの力、面白いなぁと思いました。
Posted by
10/3 紀伊国屋でたまたま見かけて買ったのだが面白い。 10/5 一気に読み終わった。 早速、グリム童話集を読みたくなったのだが種類が多い。 最終的には、初版を翻訳した”岩波文庫”と、最終版を翻訳した”ちくま文庫”のどちらにしようか迷う。僕の場合は楽しく読むのが最優先なので、訳...
10/3 紀伊国屋でたまたま見かけて買ったのだが面白い。 10/5 一気に読み終わった。 早速、グリム童話集を読みたくなったのだが種類が多い。 最終的には、初版を翻訳した”岩波文庫”と、最終版を翻訳した”ちくま文庫”のどちらにしようか迷う。僕の場合は楽しく読むのが最優先なので、訳文が新しく、なによりも100年以上前の刊行当時のカラー挿絵が多数収録されているということで”ちくま文庫”全7巻を購入する。
Posted by
- 1