往復書簡 広島・長崎から の商品レビュー
関千枝子さんの手紙は途中で往復書簡という形もなくなり、ちょっと自己顕示が強い内容が気になってしまったが、バスク研究家の狩野美智子さんが、原爆が投下された当時の長崎の人々、戦中の東京の人々、戦後に働いた大阪の銀行の同僚、1960年代の東京の職場の同僚や組合の仲間などを、透明でフラッ...
関千枝子さんの手紙は途中で往復書簡という形もなくなり、ちょっと自己顕示が強い内容が気になってしまったが、バスク研究家の狩野美智子さんが、原爆が投下された当時の長崎の人々、戦中の東京の人々、戦後に働いた大阪の銀行の同僚、1960年代の東京の職場の同僚や組合の仲間などを、透明でフラットな目線で見て描写している文章がよかった。狩野美智子さんのバスクや沖縄、貧しい女工さんなどに向ける眼差しは、息子の切通理作さんの『怪獣使いと少年』などの仕事にも影響を与えているのはないかと思った。
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