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日中関係史 1972-2012(1) の商品レビュー

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2018/11/04
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日中国交正常化40年いついて政治面からまとめたもの(他に経済、社会の2冊がある) 日中関係が国交正常化以来最悪となっている今だからこそ最初から振り返るのによい機会だと思って読んだものの、読む前よりも日中関係について悲観的になった。 そもそも、最初の国交正常化交渉において中華民国が賠償金を要求しなかったから対抗上中共も賠償金を請求しなかった。これが日中間に於ける最初にして最大のボタンの掛け違いだろう。賠償金を正式に要求していないのに、贖罪意識につけ込んで援助を要求する。/し続ける。これが額の決まった賠償金であれば終わりがお互いに明確だが、贖罪意識につけ込む援助要求には永遠にオワリが来ない。被害者−加害者関係は残るからである。やはり、田中角栄の罪は重いと言わざるを得ない。そして、驚くべきなのは日本の経済界の安易な対中貿易指向である。贖罪意識も相まってなのだろうが、正直理解に苦しむレベルといわざるを得ない。

Posted byブクログ

2014/03/03

すごい本である。1972年から2012年にいたる「日中関係」という国際関係のすべてを克明に追いかけている。 その内容は、同時代に生き、報道でその大枠を知っていたとしても、その「深さ」まで知らなかったことを思い知らされるほどである。  本書を読んで、「国際政治」と言うものがどのよ...

すごい本である。1972年から2012年にいたる「日中関係」という国際関係のすべてを克明に追いかけている。 その内容は、同時代に生き、報道でその大枠を知っていたとしても、その「深さ」まで知らなかったことを思い知らされるほどである。  本書を読んで、「国際政治」と言うものがどのようなものかの片鱗を見せ付けられた思いを持った。また、「国益」と「国民感情」というものの、どうしようもないすれ違いも見せ付けられたし、国家の「外交」とはどのようなものかを突きつけられた思いも持った。  しかし、学術書として読む以外に、本書を読みこなすことは、その職業的関係者以外は難しいのではないのか。  日本と中国の「政治史」や「思想的変遷」に深い造詣をもち、しかも「過去の政治家」の「名前」やその「政治的姿勢」と「利益代表としての位置」を知らなければ、本書は理解しにくい。単に同時代を生きていた程度では、本書は読みこなせない。  確かに本書は、事実を追いかけながら新しい視点を読者に提供しているが、読者を相当限定しているのではないか。  少なくとも、少々「歴史」や「政治」に詳しい程度では歯が立たない。  本書はシリーズで、Ⅱ(経済)、Ⅲ(社会文化)があるが、読み通すことができるかどうか不安を覚える。読みこなせれば、「日中関係」についての「相当の知識者」になれることは間違いがないのだが。  本書の評価が★三つである理由は、「本書は読者を選び限定する本である」と思うからである。

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