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2666 の商品レビュー

4.1

23件のお客様レビュー

  1. 5つ

    9

  2. 4つ

    8

  3. 3つ

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2023/09/01

1ヶ月の格闘の末遂に完読!自分頑張った! 膨大な量ではあるけど、幻想的な作品調に頭クラクラしながらハマってく感触を味わいながら読み進められた。圧倒的スケールで、この読後感は読み終えたことを誇ってもいいと思う。

Posted byブクログ

2023/05/21

かなりの文量で読み終わるのに7ヶ月もかかった。 5章からなる物語で、それぞれがかなりの文量ある。第1章は楽しく読み進めていたが第2章からは分からなくなってきて、義務的読み進めていた。正直、面白いとは思えず、睡魔とよく戦った。第3章以降も章ごとの繋がりも感じつつ、話の脱線が多すぎて...

かなりの文量で読み終わるのに7ヶ月もかかった。 5章からなる物語で、それぞれがかなりの文量ある。第1章は楽しく読み進めていたが第2章からは分からなくなってきて、義務的読み進めていた。正直、面白いとは思えず、睡魔とよく戦った。第3章以降も章ごとの繋がりも感じつつ、話の脱線が多すぎて、脇役というか、サブストーリーの詳細がずっと続いたり、読むのがしんどくなってきた。第4章は、兎に角、女性が性的暴行を加えられながら死んでしまうという事件が凄い文量で続く。最初はサスペンス要素もあり楽しく読めたが 段々、いつまでも増え続ける被害者女性にこれはどういう小説なんだと思いながら読んでいた。犯人・容疑者が時々捕まりながらも、新たな事件が発生する。ストーリーはあるものの、これだけの量を次から次に同じような女性暴行事件を書き綴る作者に感心してしまいながら、かつ内容が内容だけに気持ちは進まず、小説の読み方としては良くないと思いながら、義務的に毎日数ページ読み進めた。 最後の5章は他の章と繋がる話になっており、読み終えると特に第1章が気になり始めた。しかし文量が文量だけに、もうなかなか手が動かない。 謎解きや伏線回収といった気持ちよさはなく、ジワジワと繋がりが感じられる。 個人的には、このジワジワくる繋がりや、他の登場人物の細かい描写やサブストーリーの多さがこの小説の魅力なのだと思った。読んでよかったと読み終えたから思えたし、将来、歳をとって、時間がたっぷり使える時に懐かしみながら読むかもしれない。読まないか。。勇気が少しいるかも。 兎に角、友人にはお薦めしずらいが、自分の読書人生で忘れられない小説になった事は間違い無い。

Posted byブクログ

2023/03/20

本の規模、構成やあらすじについては他の方の感想を参照のこと。純文学や文芸というものが作者の内面の発露であり、読者はそれを読み解くものだとすれば、それは現代美術にも通じるものがあるのだろう。少なくとも、読み解く/感じ取るスキルが必要だと思う。

Posted byブクログ

2020/10/17

通勤電車で読んでいたら腕や肩に甚大な支障をきたした。犯罪の部には、ただひたすら書くということの凄まじさがあり、ここがもっとも好きだった。

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2020/08/08

倦怠の砂漠のなかの 恐怖のオアシス ―――シャルル・ボードレール ボラーニョの遺作。 860Pというページ数に違わぬ巨作という印象。 長い長い旅を終えたような読後感…と、正直読み終えたという達成感もある(米か?ってくらいの重さの本を3ヶ月かけて読む経験あんまりない)。 全...

倦怠の砂漠のなかの 恐怖のオアシス ―――シャルル・ボードレール ボラーニョの遺作。 860Pというページ数に違わぬ巨作という印象。 長い長い旅を終えたような読後感…と、正直読み終えたという達成感もある(米か?ってくらいの重さの本を3ヶ月かけて読む経験あんまりない)。 全5部に分かれている本作 第1部 批評家たちの部 第2部 アマルフィターノの部 第3部 フェイトの部 第4部 犯罪の部 第5部 アルチンボルディの部 第1部は、大まかにいえば、4人の批評家たちが謎に包まれたアルチンボルディという作家を探すという部で、 私は登場人物の名前をメモしながら読み進めました。 著者の「野生の探偵たち」――2人の若い詩人が謎の女流詩人を探す旅にでる物語を読み終えたとき、そうすればよかったと思っていたので。 第5部でこの謎が明らかになるのをワクワクしながら膨大な人名をメモメモしていましたが(めちゃくちゃ人物でてくる) 第4部 犯罪の部 で心が折れました。 第1部から第3部にかけて、常に背後にある薄ら寒い不安感、それはサンタテレサという街で起きている大量女性連続殺人事件の存在。 犯罪の部では、不安感がおぞましさに変わり、ページをめくる手が鈍くなります。 延々と起こる事件、連なる被害者の名前をメモするのは諦め、ただ淡々と事件の発行現場、死体の被害状況、被害者がなにをされたか、どんな恐ろしい目にあったか、事件簿をひたすら読まされるようなページが続き 正直気が滅入った。しかも犯罪の部がほかのどの部よりも長く、読んでも読んでも事件は終わらず被害者が増えていくだけ。 連続殺人やサンタテレサの性モラルも恐ろしかったが、私は著者の狂気じみた執念も怖くなった。 この長い長い醜悪な部を、どんな気持ちで書きあげたんだろう?私は一体なにを読んでるのか? 最後の部、アルチンボルディの物語を読むのは、前の部の反動もありとても心踊る体験だった! ハンスがアルチンボルディになったきっかけや、入れ子構造の物語には淡々と語られながらも心揺さぶられるものがあった。 ボラーニョの作品の好きなところは、残虐な世界が淡々と続く中、ほんの少しだけ語り方が優しい瞬間があるところ。 これまでの部で登場した人物の過去が明かされたところでは、しばらく鳥肌が消えなかった。 というのも3ヶ月前に読んだ部分なのですっかり忘れていて、なんだか聞いたことあるような…と思って自分の登場人物メモを開いたら、名前があったものだからびっくりした。 メモ書いててよかったね。 消失点としての2666 解説読んでいろいろ納得。 とりあえず第1部、2666やサンタテレサの言葉がでてきていた過去作「通話」「野生の探偵たち」を読み直すのがたのしみ。ずっと前から構想練ってたんだろうなぁと思うと、今作はこれまでの作家人生の集大成で、遺作としてのエピソードが強すぎるな。(好きだ…) Amuleto(お守り)も、2666に関わる作品らしいので、いつか日本語訳でないかな…。 ページ数や価格にしり込みして迷ってる人がいたら、ボラーニョのほかの作品が気に入ってたら後悔はないと思うので、読むのをオススメします。

Posted byブクログ

2019/02/17
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※このレビューにはネタバレを含みます

私はこの本は面白くなかったと言った。私は最後まで読んだが結局面白くなかったとも言った。私は何かわくわくさせてくれるどんでん返しがあると思ったが、最後まで面白くなかったと言った。 そう、この本はこんなテンポの書き下しが至る所にあり、句読点がどこまでも続きようやく”。”が来る頃には、何に対しての否定文だったんだろうと、もう一度読み返さなければならない事も多分にあった。 この本を面白いと書いてる人は、本当に面白いと思っているのだろうか?面白くないと書くと、”こんな大作、お前ではレベルが低くて無理なんだよ”と思われるのに恐怖してそう書いてるのではないか?とさえ思う。 この物語に結果はない。ただいろんな人物が順行列に出てきてとりあえずレイプしてケツの穴を掘る、もうそんな印象だw ただ、この本を読み終えた後、別の本を読んでいる時に、内容うっすーと思ってしまうくらい、無駄に情状的な長文に慣らされた自分に気付いた

Posted byブクログ

2018/08/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

850ページ以上もある分厚い(6センチ)本。 しかも二段組み。 2013年本屋大賞翻訳部門ノミネート作品。 本屋さんって結構重労働なのに、この、物理的に重量級の本を読んで感動できる心身の体力に感動しました。 作品は5部に分かれています。 ・批評家たちの部 ・アマルフィターノの部 ・フェイトの部 ・犯罪の部 ・アルチンボルディの部 核になるのは謎のドイツ人作家アルチンボルディの存在と、メキシコの女性大量殺人。 それはわかるのだけど、この二つのつながりは、最後の最後になるまでわからない。 批評家というよりも研究者の部。 謎のドイツ人作家の研究をするのは、イギリス人、フランス人、スペイン人、イタリア人の大学教授たち。 しかし作品以外にほとんど痕跡を残していない作家の研究なんて、直感的な偏見以外の何物でもない。 っていうか、マニア? もしくは狂信的な信者? そのうえ彼らの恋愛事情なんて、全くもって興味ないぞ。 それでも彼らはアルチンボルディの正体を探しにメキシコへ行くのだ。 第2部の語り手であるアマルフィターノは、メキシコで教鞭をとっているチリ人で、スペインの大学からメキシコの大学へ、娘を連れてやってきた。 そして、第1章の研究者たちとともに、アルチンボルディの行方を探す。 第3部の語り手はアメリカの新聞記者、フェイト。 人手不足のため、畑違いではあるがボクシングの取材のためメキシコを訪れる。 その地サンタテレサではもう何年も女性が殺され続けている。 フェイトはその事件の容疑者にインタビューする予定の女性記者と知り合う。 そもそも何年も前に容疑者は逮捕されているのに、事件は途切れることがないのだ。 それが、メキシコ。 ここでフェイトは、成長したアマルフィターノの娘とも出会う。 奔放な彼女の姿に、不穏な気配を感じてどきどき。 そして一番ボリュームがあるのが、第4部の犯罪の部。 延々と女性が犯され、殺される。 それは時に痴話げんかの果てだったり、家族のいざこざだったりもするけれど、明らかに同一犯によるレイプ殺人被害者の遺体が、ごみ集積場や道端や廃屋で次々に発見される。 鑑定にかけられた遺留品は行方不明になり、事件の謎を追うマスコミ関係者や捜査担当者もいつの間にか姿を消す。 犯人として逮捕された男は何年も無実を訴え続け、その間も事件は繰り返される。 複雑な迷路図を確実に解く方法。 それは、行き止まりの道を塗りつぶしていくことだ。 そうすることによって、たった1本の正解の道が白く浮かび上がってくる。 この本を読んで感じたことは、それだ。 いくつもの行き止まりの道筋を読んでいくことによって、そこに書かれていないことが浮かび上がってくる。 難しいことはひとつも書いていないが、とにかく長い。 そしてパーツが複雑に組み合わさっているために、全体像をつかむのが難しい。 何度も立ち止まり、現段階の全体を眺めまわし、見える景色と見えない景色を確かめながら読んだ。 これを本屋大賞に推した本屋さんに感動だよ。 自分の読書に精いっぱいで、他人に勧めるなんて私にはできない。脱帽。 多分今年一番の濃密な読書でした。

Posted byブクログ

2015/09/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ロベルト・ポラーニョはチリ出身の作家でメキシコ、エルサルバドル、フランス、スペインなどを放浪。豊富な越境体験を活かした小説を発表。ボルヘスなどラテンアメリカ文学の影響も濃い。「2666」は遺作にして最長ボリュームの長編小説。いわゆるメガノベルであり、分厚い。読み始めるまで億劫だが、いざ読んでみれば、現代世界文学最前線的な内容を堪能することができる。 「2666」は五部に分かれている。全体を通して、サンタテレサという架空の街で発生した未解決の大量殺人事件について語られる。 第一部批評家たちの部の主人公は、四人のヨーロッパの文芸批評家である。フランス、イギリス、スペイン、イタリアの大学で働く四人の文芸批評家は、謎多きドイツの小説家アルチンボルディの研究者である。彼らはヨーロッパ各地で開催されるアルチンボルディ関連の研究会で知り合い、親交を深め、恋愛関係にもなっていく。アルチンボルディの行方を追ううち、四人はメキシコ国境の町サンタテレサに向かうことになる。この第一部だけでも十分面白い。国境を渡りまくるし、書物に関するボルヘス的小説にもなっている。 第二部アマルフィターノの部は、サンタテレサで四人を案内し、アルチンボルディの翻訳者でもある哲学教授アマルフィターノが主人公である。チリ出身のアマルフィターノが、何故一人娘のロサを連れて、砂漠の街サンタテレサに移り住んだかの経緯が綴られる。彼のノマド的人生とともに、文学作品に関する言及、狂気、サンタテレサの街に漂う不穏な空気が描写される。 第三部フェイトの部は、ニューヨークの新聞社で働くアフリカ系アメリカ人の記者フェイトが主人公である。フェイトはボクシングの観戦記事を書くため、サンタテレサに派遣されたのだが、未解決のまま被害者だけ増えていく連続殺人事件の話に興味を持つ。 第四部犯罪の部では、1993年から1997年までの間に数十人の女性がサンタテレサで殺害されたその経緯が詳細に記述される。犯人と思わしき青年が逮捕され、拘留される。しかし、その後も女性の猟奇的殺人事件は続く。模倣犯なのか、単なる類似した殺人事件なのか、真犯人は捕まっていないのか、真偽定かでないまま、被害者は200人とも300人とも言われる規模に及ぶ。 第五部アルチンボルティの部では、謎の小説家アルチンボルティの自伝的小説になっている。ハンス・ライターという名のドイツ人青年がアルチンボルティと名乗るようになった経緯と彼の生い立ちが教養小説のごとく綴られる。ハンス・ライターは1920年にプロイセンで生まれ、第二次世界大戦にドイツ軍として従軍する。ポーランド、フランス、ルーマニアとヨーロッパ諸国を転戦したハンス・ライターは、ウクライナの村で療養中、ユダヤ系ロシア人アンスキーの手記を発見する。 ここから小説はアンスキーの手記の中に移行する。モスクワでアンスキーは、ロシア人SF作家イワノフと知り合う。イワノフは共産党政権下で名声を手にした後、政府に作品を否定されて射殺された(入れ子構造で物語が語られる複雑な構成である)。戦後、ハンス・ライターは、アルチンボルティという小説家になる。 物語の最後、アルチンボルティの妹ロッテが登場する。ロッテは結婚して、ニューヨークで暮らし始めた後、兄と音信不通となる。ロッテは、とある理由で一人息子に会うため、メキシコのサンタテレサに向かう。旅の途中、アルチンボルティという作家の小説を読んでいる時、この本の作者は兄だと確信する。ロッテがアルチンボルティをサンタテレサに呼び寄せたところで、長い小説は終わる。 さて、この小説は未完である。連続殺人事件の顛末は謎のまま残されているが、全体が円環しているし、これでよいと思う。 完成前に作者は亡くなってしまった。生活費にするため、五冊の短編小説に分けて出版するようポラーニョは遺族に頼んだが、遺族は出版社と話して、一冊の分厚い長編小説として発表することを選んだ。結果、『2666』は10以上の言語に翻訳され、英語版は2008年度全米批評家協会賞を受賞し、ポラーニョの代表作とみなされるようになった。日本語版も分厚い。しかし、現代世界文学の流れに触発されたいなら、読むべき小説である。

Posted byブクログ

2014/05/30

チリ出身ロベルト・ボラーニョの遺作。850ページ上下組というかなりのボリュームで、五部からなる長編作品。 それぞれの章は別の小説ともいえるし、細い糸でつながってもいる。その”糸”は謎の作家アルチンボルディと、メキシコで起こった女性連続殺人。 ★★★ 第一部は「批評家たちの部」 ...

チリ出身ロベルト・ボラーニョの遺作。850ページ上下組というかなりのボリュームで、五部からなる長編作品。 それぞれの章は別の小説ともいえるし、細い糸でつながってもいる。その”糸”は謎の作家アルチンボルディと、メキシコで起こった女性連続殺人。 ★★★ 第一部は「批評家たちの部」 まずは読者にドイツ作家のベンノ・フォン・アルチンボルディが紹介される。 彼は何度かノーベル賞候補にもなっているが、完全に世間から行方をくらましている。第一部の評論家たちは、フランス、イタリア、イギリス、スペインのドイツ文学研究者。3人の男と1人の女の評論家たちはアルチンボルディがメキシコのサンタテレサにいるという情報を得て探しに行く。第一部では彼らの絡み合った恋愛模様と、文学論を中心に進み、そして向かったサンタテレサでの女性連続殺人事件に触れる。 第二部は「アマルフィターノの部」。第一部の批評家たちが立ち寄ったサンタテレサの大学のチリ出身の文学教授。ヒッピーの妻は自由奔放に暮らしアマルフィターノは一人娘ロサと暮らしている。庭の物干しには一冊の本を吊るし、たまに訪れる幻聴を思考する。 第三部は「フェイトの部」。アフリカ系アメリカ人の記者フェイトは、サンタテレサで行われるボクシングの試合の取材に行き、女性連続殺人を知る。 そして一番長い第四部は「犯罪の部」 第一部から少しずつ語られてきた「女性連続殺人」の様相と、捜査に係る警察や病院関係者の状況。メキシコのサンタテレサで次々見つかる女性たちの死体。殺され方も様々、犯人が分かるものあれば、未解決事件として埋もれるものもあり。それを追う警察関係者の話。 第四部までは、抑え、控えた事実の記録的な手法。作者の文学的情熱を感じるのは(それも静かな熱狂)最後の第五部「アルチンボルディの部」。 ここで語られるのはドイツの寒村で生まれたハンス・ライターの半生。彼の家族、戦争、病気の妻との生活、彼がアルチンボルディと名乗り作家になるまで、そして隠遁。 物語の最後で隠遁のアルチンボルディのはサンタヘレナへ向かう。 時系列的にはこの後、第一部の批評家たちがサンタヘレナへ向かうわけですね。 ★★★ 作者は当初、この本を一つの章ごとに一冊の本にしての出版を考えていたとのこと。しかしそうすると第四章はひたすらひたすら女が犯され殺され捨てられていく羅列になるわけで、しかも一番長い章なのでこればっかりで上下巻になったりしたかもしれない、ちょっとそれはキツイので、どんなに長くでも一冊で出してもらってよかったですよ。

Posted byブクログ

2016/05/19

ふう、ようやく読み終わった。 第5部を読んでまた第1部に戻りたくなる。 1度目はとりあえず読むことでせいいっぱい、2度目で確かめたり納得しながら読んで、3度目であらためて小説の世界に入っていく感じかも。

Posted byブクログ