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日本語と英語 の商品レビュー

3.6

14件のお客様レビュー

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2022/03/08

片岡義男は常に真面目に考察を続ける。この本でも、「日本語と英語」の相違と共通点が極めて大真面目に論じられる。故にユーモアがないところが気になるのだが、しかし視点はユニークでこうしたシリアスさの中に遊び心を読むのがまっとうな読み方かもしれない。私なりに「いやそれは違うんじゃないか」...

片岡義男は常に真面目に考察を続ける。この本でも、「日本語と英語」の相違と共通点が極めて大真面目に論じられる。故にユーモアがないところが気になるのだが、しかし視点はユニークでこうしたシリアスさの中に遊び心を読むのがまっとうな読み方かもしれない。私なりに「いやそれは違うんじゃないか」と思うところはあるにせよ、マニアックに堕ちすぎない着眼点の鋭さとそこから理知的にマクロな相違を引き出そうとする力は侮れない。私もまた自分なりに「日本語と英語」の相違並びに共通点を考えて、自分なりのインデックスカードを作ろうかと思う

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2020/09/22

片岡義男さんが、ほとんど英語ネイティブだったとは知らなかった。(ハワイ出身の日系二世の父と日本人の母) 本書は、片岡さんが気になった長年インデックスカードに書き留めてきた、英語表現、日本語表現を紹介したもの。英語は主語、動詞がきっちりしているのに対し、日本語はそこが曖昧で、状況を...

片岡義男さんが、ほとんど英語ネイティブだったとは知らなかった。(ハワイ出身の日系二世の父と日本人の母) 本書は、片岡さんが気になった長年インデックスカードに書き留めてきた、英語表現、日本語表現を紹介したもの。英語は主語、動詞がきっちりしているのに対し、日本語はそこが曖昧で、状況を表現することを優先しているようだ、などの視点は面白い。ただ、本当にカードに記載されている表現の断片的な紹介だけで、本としてまとまった内容ではないのが残念ではある。

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2018/10/28

英語を学習する人に参考になる本。日本語ユーザーによる英語解説。覚えておくと役に立つフレーズが沢山ある。

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2017/12/18

この言葉、訳すにはどうしたらいいだろう?どう言えば伝わるだろう? このニュアンスは伝わるだろうか? の軌跡。違う言語の違う感じがどういうところにあるのか色々と手元のメモを読み解く形で書かれてある。断片化しているので読みやすい。様々なニュアンスの違いがあり英語の勉強をこれから始める...

この言葉、訳すにはどうしたらいいだろう?どう言えば伝わるだろう? このニュアンスは伝わるだろうか? の軌跡。違う言語の違う感じがどういうところにあるのか色々と手元のメモを読み解く形で書かれてある。断片化しているので読みやすい。様々なニュアンスの違いがあり英語の勉強をこれから始める人に発想の点てそもそも違いがあることがよくわかるかもしれない。

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2016/09/11

 何か英語を使う時の根本的なピント合わせに繋がるようなヒントを期待していたのだが、残念ながらその手のヒントはあまり得られなかった。 ただ、日本語は状態を描き、英語は行動を描くというイメージは、今後時間と共にその感覚が掴めれば大きな助けになりそうな気がする。  本書を本で何より感...

 何か英語を使う時の根本的なピント合わせに繋がるようなヒントを期待していたのだが、残念ながらその手のヒントはあまり得られなかった。 ただ、日本語は状態を描き、英語は行動を描くというイメージは、今後時間と共にその感覚が掴めれば大きな助けになりそうな気がする。  本書を本で何より感じたのが、ひとつの確固たるマザータングを持たないことの哀愁。 言語は世界の捉え方を代表するものであり、バイリンガルであることは異なる認識世界をより自由に行き来することを可能にしてくれる。 それはそれで素敵なことだ。 ただ、おそらく世界中の多くの人が無意識に享受している「共有の喜び」の中には、マザータングに基づくあるひとつの認識世界を深く深く、それ以外の認識世界がまるで不自然に思えるほど深く身に染み込ませることでしか生まれないものもある気がするのだ。 言語に限った話じゃない。 マルチカルチャーの環境で育つことで失ってしまうものは、たぶん間違いなくある。 でも、それと引き換えに得られたものに目を向けて生きてゆくしかないんだよなぁ。

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2015/11/25

著者がこれまで読んだもの、見た映画などから、英語らしさを感じさせるフレーズをめぐるエッセイ。 英語の論理では、動詞が中心となるということ。また、Iとyouがなくてはならないこと。 この辺りは、今までの私の読書経験からも、納得できる。 正直、この本を読まなくてもそう思うかもしれない...

著者がこれまで読んだもの、見た映画などから、英語らしさを感じさせるフレーズをめぐるエッセイ。 英語の論理では、動詞が中心となるということ。また、Iとyouがなくてはならないこと。 この辺りは、今までの私の読書経験からも、納得できる。 正直、この本を読まなくてもそう思うかもしれない。 ただ、この人の感じる、それ以外の英語らしさ、文法に由来するものらしいけれど、それが掴み切れなかった気がする。 忙しい時に読んだのがいけなかったのか…。 それから、こういう英語を主題とする本には、横書きをしてほしい。 NHK新書でも、横書きの本はある。 英文の所へ来るたびに、とても読みにくい思いをする。

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2014/11/05

言語というのは、思考の表れ。 日本語には主語がない文章が多い、誰かが何かをするのではなく、そういう状況であるということを述べる文章が多い、という指摘が面白い。「私」と「あなた」が明確であるか、自分が他者に働きかける、もしくは働きかけられているのは他ならぬ私である、という当事者意識...

言語というのは、思考の表れ。 日本語には主語がない文章が多い、誰かが何かをするのではなく、そういう状況であるということを述べる文章が多い、という指摘が面白い。「私」と「あなた」が明確であるか、自分が他者に働きかける、もしくは働きかけられているのは他ならぬ私である、という当事者意識があるかないか、そこが日本語と英語では決定的に違うという。 そういう思考様式の違いの自覚なしに、英語を習得しようとしても難しいのかもしれない。少なくとも、グローバル教育では、そこの自覚が必要なんだろうと思う。 あるいは、そういう言葉をしゃべるうちに、そういう思考形式を身につけるということもあるんだろうか。

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2013/12/17

日本語の得意技が、話者のひとりひとりが持つ状況の具体性に密着したものの言いかたであり、英語の得意技が動詞表現と名詞表現を巧みに使え分けながら言っていることの抽象度をたかめることである。なんとなく納得。

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2015/12/10

いつのまにこんな堅苦しいことを書く小説家になったのか。オートバイ小説を中心に書き散らしていた80年代が懐かしい。そう言えば、高校の頃、Aに進められて読み始めたんだよな。若かったな自分も作者も。だけど、そう考えると単なる流行作家ではなかったということか。うまく枯れたということか。本...

いつのまにこんな堅苦しいことを書く小説家になったのか。オートバイ小説を中心に書き散らしていた80年代が懐かしい。そう言えば、高校の頃、Aに進められて読み始めたんだよな。若かったな自分も作者も。だけど、そう考えると単なる流行作家ではなかったということか。うまく枯れたということか。本書に書かれているようなこだわりが最初の頃からあったのだろう。まえがき参照。

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2012/12/01

片岡義男さんの最新本「日本語と英語」を読む。面白し。Iもyouもない日本語。母語を二つ、あるいは一つの母語をもてなかった作家ならではの深い考察。以前読み散らかしていた氏の大作「日本語の外へ」をよみなおそう。

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