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魔王討伐!俺、英雄…だったはずなのに!?(1) の商品レビュー

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2012/10/08

 魔王さえも一撃で倒し、あらゆる幸運を招き寄せるその体質故に仲間や周囲から「つまらない」と疎まれ、最終的に占い師であるヒロイン・ルーチェに「弱くなるためにはどうすればいいか?」訪ねるのだが――第3回「このライトノベルがすごい! 大賞」において「栗山千明賞」を受賞したこの作品。 ...

 魔王さえも一撃で倒し、あらゆる幸運を招き寄せるその体質故に仲間や周囲から「つまらない」と疎まれ、最終的に占い師であるヒロイン・ルーチェに「弱くなるためにはどうすればいいか?」訪ねるのだが――第3回「このライトノベルがすごい! 大賞」において「栗山千明賞」を受賞したこの作品。  ストーリーの型としては、典型的な「大山鳴動して鼠一匹」ということわざがピタリと当てはまる、いわば「(良い意味で)くだらないバカ騒ぎ」的な雰囲気を持つコメディライトノベルといえると思います。  また「魔王を一撃で倒すほどの力を持つが故に却って疎まれ、孤立する勇者」を暗くなりすぎず、むしろ純粋な気持ちを持ったまま一貫して描ききったのはなかなかに見事だと思いました。  しかし――うーん。なんていえばいいんでしょうか? 一読すると、奇妙な「消化不良感」がある。  その原因を個人的に考えてみたのですが、 「弱くなるために起こしたそれぞれの行動に、ほとんど意味がない」 「ルーチェという理解者が常にそばにいてコメディを繰り広げるせいか、勇者の『孤独感』みたいなものがいまいち感じられない」 「勇者が桁違いに強い理由・設定に一応の『説明』が為されているものの、すんなり受け入れられない。故に解除方法にも奇妙な『?』を感じてしまう」  といったところでしょうか。  決してつまらないわけじゃない――ややテンポが速いと感じるものの文章は読みやすく、取っつきやすい良作とは思うのですが、最終的には「ああ、そう」で終わってしまった感がある作品だと思いました。

Posted byブクログ