夢を与える の商品レビュー
よかった!! 読んでいて心が痛くなる小説が好きです。 夢を与えるはまさにそれ。笑 痛みが快感。 なんか、その頃見たばかりだったへルタースケルターが重なった。 痛みだけじゃなくて、共感できる部分も多々。 人生について真理っぽいことを言ってる箇所は、ほんとそうだと思う。
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芥川賞作家の綿矢りさによる、少女アイドルの栄光と挫折を描いた小説。 少女が誕生する背景を描いた母親視点による冒頭部分は緩急が効いていて面白かったし、映像化に向きそうな、印象的なシーンもいつくかあったが、ストーリー全体としては少しまとまりに欠けていた感じで、作者の描きたかったもの...
芥川賞作家の綿矢りさによる、少女アイドルの栄光と挫折を描いた小説。 少女が誕生する背景を描いた母親視点による冒頭部分は緩急が効いていて面白かったし、映像化に向きそうな、印象的なシーンもいつくかあったが、ストーリー全体としては少しまとまりに欠けていた感じで、作者の描きたかったものが今ひとつ伝わってこなかった。 最後の最後で主人公の少女から雑誌記者に視点が移るラストは、大人社会に翻弄され続けた少女の「成長」が他人目線で描かれ、ある意味清々しかったし、芥川賞受賞とともにアイドル的な存在に祭り上げられてしまった作者ともイメージが被って、なかなか興味深かったけれど...
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あまりにもテンプレートな悲劇で、むしろそこになだれ込んでしまった主人公の感情が理解できなさすぎて、気持ち悪いくらいの印象。「夢を与える」というタイトルの言葉からプレッシャーをひしひしと感じて、終始息苦しさを覚えてた。
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読みながらひたすら落ち込んだけど、やっぱり綿矢りさの作品は好き。勝手にふるえてろとか、蹴りたい背中とあまりに落差が大きすぎるから、あんまり読まれないだろうけど。
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夢を与えられなくなる話。 芸能人て大変だ。 夢を与えるのが仕事なんて夢のない話だよね。 あちこち出ている子役さんは 可哀相だなと思ってしまう。 いい大人に出会えてるといいんだけど。
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あんましテンポがよくないので、おもしろいとは感じられなかった。動画流出も出来事として悲惨過ぎ。これは立ち直れんくらいのことだと思うが、意外と本人はサラッとしてるので違和感が。 成長を見守ってきた読者としては、ザンネンすぎる。
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『将来についてだけは、本当に考えたことがない。未来はまるで思い浮かばなくて、ただ、楽しい今だけがあった。』 『なんの言い訳もできないし、許してもらえるなんて甘い考えも持っていない』 『どういう意味』 『別れよう』 『冗談じゃない。それが一番甘い考えだわ』 『日常会話というのは...
『将来についてだけは、本当に考えたことがない。未来はまるで思い浮かばなくて、ただ、楽しい今だけがあった。』 『なんの言い訳もできないし、許してもらえるなんて甘い考えも持っていない』 『どういう意味』 『別れよう』 『冗談じゃない。それが一番甘い考えだわ』 『日常会話というのはすごい。さすが十年以上もの月日をかけて作られてきたものだけあって、ちっとやそっとではくつがえらない。日常会話は会話する者どうしの"日常を保ちたい"という強い思いさえあれば、たとえ目の前に死体があっても、それを消し去ってしまうのではないか。』 『この忙しさが永遠に続いても、いつか終わっても、どちらにしても変わらなかった。重要なのは今忙しいということだ。そして今ネムイということ。』 『幸せを疑うのは衝撃に備えるための準備体操。信じるのは馬鹿のすること。』 『昔の私を誉めないで。あの頃の女の子はもうどこにも残っていないんだから。』 『あと部屋の角にある観葉植物が私に力を与えてくれた ー 太陽のないところでも僕みたいに生きろって、ささやきかけてくれた。だから私はもうだいじょうぶ』 『地球の重力が倍になったみたいに身体が重かった。中途はんぱな平和は一番きつい。狂った毎日に狂わされないようにする闘いが唯一私をまともにしていたのに。』 『まだやれるからって、やる必要はないだろ。まだやれるけど、やらない。それでいいんじゃない。』 『ひどいこと、言うから。正晃は私と、別れたいの?』 『言ってないだろ、そんなこと。俺は今、おまえの横にいるだろ』 『男の子の性欲は規則正しくて、尽きたと思えばまたきちんと湧いてきて、なんて安心させてくれるものなんだろう。女のあやふやな、突かなければ徐々に消えてゆく性欲とは大違いだ。ー したいためだけに付き合わされるのは嫌だ。でも正晃の何を一番もっとも本能的に信用しているかといえば、毎週ちゃんと湧いてくるあの人の性欲だ。』 『身体じゅうに力が入り、自分の人生が崩れていくあまりの爆音に、耳が聞こえなくなっていった。』 『分かったことがありすぎて脳みそが追いつかないくらいだ。頭より先に私の皮膚が理解するだろう。私の皮膚は他の女の子たちよりも早く老けるだろう。そしてすべてが分かるということは、ほとんど一度死んだのと同じことだ。』
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伸びやかな手足と 中性的な顔立ちをした美少女の阿部夕子は、 母の溺愛を一身に受け やがてチャイドルから CMに抜擢され 国民的アイドルへと祭り上げられていく…。 「血を流す綿矢りさ」といった印象。 痛くてツラい内容でありながらも 決して読むことを止められない この吸...
伸びやかな手足と 中性的な顔立ちをした美少女の阿部夕子は、 母の溺愛を一身に受け やがてチャイドルから CMに抜擢され 国民的アイドルへと祭り上げられていく…。 「血を流す綿矢りさ」といった印象。 痛くてツラい内容でありながらも 決して読むことを止められない この吸引力はなんなのか? 杉田かおる、安達祐実、観月ありさ、広末涼子、大島優子など 子役から芸能界を駆け抜けていった様々なスターたちを頭に浮かべながら 一気読みしてしまいました。 芸能界を嫌い 家庭から離れていく父。 夢を娘に押し付けるしか 自分を生かす道がなくなっていく母。 高校入学と同時に 夕子はブレイクするも、 多忙な毎日に押しつぶされていく。 スキャンダルにおののく夢に 毎晩うなされ、 人前では 過剰に気持ちを飾るクセがつき、 同年代の友達は皆無になり、 ロリコン趣味な衣装を着せられ 重荷の味がするチーズを惰性で食べ、 夜毎のパーティーに 笑顔を貼り付けて 大人たちの間を渡り歩き、 次第に心壊れていく夕子が なんとも切なくて痛々しくて、 コレ以上何も起こらないようにと 中盤祈りながら読んでました(笑) それにしても壊れていく者の心情を ここまでリアルに シンパシーを持って描けたのは、 綿矢自身がその奈落の淵に怯え血を流し、 夕子と同化していた経験があるからなのでしょう。 今の綿矢の復活劇を考えれば、 ストーンズがブライアンの死を越え レノンがビートルズの幻影を葬り去ったように、 綿矢自身、光を掴むために 避けては通れない題材だったのかな。 最後に… 誰かのためには 甘やかな言葉だけど それは奢りでしかないし、 必ず自分を滅ぼす。 人は誰かのためにと思った瞬間に すべてが嘘になるんですよね。 夢を与えるなんて言葉は おこがましいと思わなきゃ(笑) 後味の悪さを残す内容だけど、 自分は綿矢りさの 抗う意志を評価したいですね♪
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綿矢りささんの本を読んだのは初めてです。うーん、すごい。主人公の成長に伴って、心と体の成長と、気持ちの揺れ動きを描写する力がすごい。 引き込まれるようにして読みました。
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なんか、『今のキッズモデル乱立を予言した作品だ』と話題になってたので購入。 が、イマイチ面白くない(´・_・`) 最後の解説と、私の読後感があまりにも違うので3回読むと面白いのかも。
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