世界でたったひとりの子 の商品レビュー
老化防止薬が開発され、それを使用することが当たり前になっている社会。人々は40歳からは老化せずに、長すぎる人生を生きるようになる。40歳の人も、150歳の人も見た目は変わらず。 人々の寿命が延びる一方で、子どもをもつことができるのは、ほんの一握りの人だけになってしまう。その結果...
老化防止薬が開発され、それを使用することが当たり前になっている社会。人々は40歳からは老化せずに、長すぎる人生を生きるようになる。40歳の人も、150歳の人も見た目は変わらず。 人々の寿命が延びる一方で、子どもをもつことができるのは、ほんの一握りの人だけになってしまう。その結果、子どもをさらい、売ることで大金を得たり、「子どもと過ごす時間」を売るために子どもをレンタルするということが横行する。PPインプラントという死ぬまで子どもの姿でいることを可能にする手術まで行われるようになる。 恐ろしい設定の物語。 主人公は両親がいない少年タリン。 タリンを使って「こどものいるひととき」を1時間いくらで売る商売をしている男ディートが親代わり。二人で各地を渡り歩く生活をしている。 ディートはタリンが大きくなる前に、PPインプラントの手術を受けさせることを企てる。 大人ばかりの社会の中で、だれかに頼って生きざるを得ないタリンの無力さが切ない。 しかし、あるときタリンの決断と行動が必要なときがやってくる。 読み終えてから、命の有限性ということを考えた。 不死や不老を考えさせられるという点では、手塚治虫の『火の鳥』とつながる。 命に限りがあるからこそ、人は人生を生きるに値するものと思えるのではないだろうか。 アレックス・シアラーの本は『チョコレート・アンダーグラウンド』でも感じたけれど、話の設定がとてもおもしろい。
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文庫になったのを知り嬉しくてついつい買ってしまいました! いつまでも若いままで生きていられるが、子供がほとんどいない世界。 こんな近未来もあるかもしれないと想像すると怖くなります。
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あの作者だったとは知らずに買った・・・・作品によって作風の違う人だ。 でも詰めとオチの甘さは、相変わらずだ。 でも、本作の舞台設定には身につまされた。 子供が生まれなくなる世界の恐ろしさ。 年を取らなくなる世界の罪。 お手軽な映画にはもってこいの話。 でもねぇ設定は本当に怖かっ...
あの作者だったとは知らずに買った・・・・作品によって作風の違う人だ。 でも詰めとオチの甘さは、相変わらずだ。 でも、本作の舞台設定には身につまされた。 子供が生まれなくなる世界の恐ろしさ。 年を取らなくなる世界の罪。 お手軽な映画にはもってこいの話。 でもねぇ設定は本当に怖かったんだよ。 この設定で恐ろしい、深い物語が読みたいなぁ。
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