マッドアップル の商品レビュー
合わなかった。全然合わなかった。2000年代の話って、どうよ。時代設定に「?」となってしまったので、その後は義務で活字を追っていくだけだった。途中でも止められたらいいのだけれど、それができるほど諦めがよくないのよねー。
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アスラウグは母とふたりで暮らしていた。野草を食べ、薬草を煎じる毎日。母が今日欲しがっているのは、毒のあるマッドアップル・・・・・・。2007年、アスラウグにかけられているのは殺人未遂と第一級忙殺の容疑。ほんとうに彼女は母親とおばといとこを殺したのか?証言のたびに、浮かび上がる万華...
アスラウグは母とふたりで暮らしていた。野草を食べ、薬草を煎じる毎日。母が今日欲しがっているのは、毒のあるマッドアップル・・・・・・。2007年、アスラウグにかけられているのは殺人未遂と第一級忙殺の容疑。ほんとうに彼女は母親とおばといとこを殺したのか?証言のたびに、浮かび上がる万華鏡のような事件の様相。真実は? 全米図書館協会ベストブックに選ばれた、気鋭の処女作。
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自然と、神話と、信仰と、謎の物語。事件の真相、父親は誰なのか、と謎が謎を呼ぶけれど、これが創元推理文庫から出ていることが前提にあれば簡単に読み解ける。それ以上に、自然と神話に関する描写に惹きつけられた。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この本は正直なところ、KiKi にとってはかなり「読みにくい」類の本でした。 魔女に憧れている KiKi ではあるけれど、その割には野草とか薬草の知識が乏しいのに、それらが次から次へと出てくること、さらには田んぼ仕事やら畑仕事をして「美味しいもの」を食べることにはかなり貪欲な KiKi には、どんなに贔屓目に考えてもあまり「美味しそうには感じられない」食べものを食す生活を送っている主人公 & 彼女をとりまく人たちにその一点だけでもなかなか共感しづらいことが挙げられます。 人間の精神的な部分の半分ぐらいは食生活による部分が大きいと考えている KiKi にとって、これはちょっとした、それでいてどうしても拭い去れない違和感を感じさせるには十分でした。 しかもそこに処女懐胎だとか、キリスト教プロテスタント教派の1つらしいペンテコスト派な~んていう KiKi にとっては馴染みもなければ、正直なところ興味も持てなさそうな会派の話まで出てきちゃうので、かなりとっつきにくかった・・・・ ^^; さらに言えばどうもこの表紙の絵がねぇ・・・・。 頭ばっかり大きくてそれと比較して手足が極端に小さい女の子の絵は小学生時代に図工の授業で「こういう絵を描いてはいけない」と教えられてきた構図そのままで、それも何気に KiKi の「いびつ観」を募ってくれちゃいます。 さらにさらに、文章がちょっとねぇ・・・・。 英語という言語は常に主語がはっきりしている言語のはずなんだけど、時にそれがわかりにくかったり、やたら短い文章の羅列が相互の脈略もよくわからないままに続いたり・・・・・。 唐突にデンマーク語(?)と思しき言葉が出てきたり・・・・ とにかく「普通じゃない」「一筋縄ではいかない」雰囲気だけが盛り上げられて、置いてけぼりをくらった不安感みたいなものを感じながら読み進む・・・・そんな読書だったように感じます。 でも、それでもそこそこのペースで読み進み、読了できてしまったのは、この物語の構成が2003年の KiKi には理解しがたい世界での出来事(この部分はアスラウグの独白といった趣で、どちらかというと彼女にとっては真実かもしれないけれど、その独白を現代社会に息づいている社会通念と照らせば信用しきれないと感じさせ不安感を煽る)と2007年に起こった彼女にかけられた殺人容疑の裁判での検察・弁護人・本人を含む証人との一問一答の描写をいったりきたりしていることにより、「何が起こっていたのか?」が少しずつ解きほぐされていくことによるのだと思います。 読み始めた時、正直なところ KiKi は「全米図書館協会のベストブック」っていうのは、いったい何なんだ? こういう本が好まれる米国っていうのはやっぱりよくわからん国だなぁ・・・・ とさえ思っていたんだけど、読了した今は納得とまではいかないまでも「なるほどねぇ」という程度にはこの本、もしくはこの新人作家を「全米図書館協会」なる組織が選抜した理由がわかったような気がします。 アメリカという国は面白い国で、一方で NASA みたいな先端科学をリードする人材を擁していながらも、片方ではキリスト教右派みたいな思想の人たちが大統領選挙にさえ大きな影響を及ぼすような団体もある。 一方でハリウッド・セレブみたいな人たちもいながら、他方ではこの物語の主人公アスラウグみたいな生き方をしている人もいないとは言い切れない・・・・。 その多様性にはいつも驚かされます。 訳者のあとがきによれば、この物語の著者、クリスティーナ・メルドラムという方はミシガン大学で政治学と宗教学を学び、アフリカの草の根的開発の仕事に関わったのちに、ハーバード・ロー・スクールで法務博士の学位を取得して弁護士になったような人物なのだそうです。 そういう人物をして「自分が好きで重要だと信じている主題、自然と科学と宗教と神話の相関関係について」書きたいがために書いたのが本作というあたり、宗教とは無縁の生活を送ることがある種「当たり前」となりつつある日本人にはそもそも理解の及ばない欧米人の社会生活なんだろうなぁ・・・・・と。 決して読みやすい本ではなかったけれど、読了した今感じるのは「なかなか面白い物語だったなぁ」と。 そしてあんなに違和感を感じていた表紙の絵さえも、アスラウグのアンバランスさを象徴しているかのようでなかなかいいかも・・・・と思っていたりするのです。(苦笑)
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