1,800円以上の注文で送料無料

やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識 の商品レビュー

4.5

20件のお客様レビュー

  1. 5つ

    10

  2. 4つ

    7

  3. 3つ

    1

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2013/01/30

基本的なことが書かれていてわかりやすい。すべてを一回で覚えるのは難しいので、気になったときにまたよみなおしたい。

Posted byブクログ

2013/01/26

「知識」を共有し、ともに考えていくということ 原発事故後を生きるものとして、放射線から目をそらさずに考えるため、持っておくべき基礎知識を説く本である。 「中学生以上」を対象としており、かなり噛み砕かれて書かれている。 著者は原子力専門ではないが、統計物理学者。公平に論じる、絶妙...

「知識」を共有し、ともに考えていくということ 原発事故後を生きるものとして、放射線から目をそらさずに考えるため、持っておくべき基礎知識を説く本である。 「中学生以上」を対象としており、かなり噛み砕かれて書かれている。 著者は原子力専門ではないが、統計物理学者。公平に論じる、絶妙な立場にいる人といってよいだろう。 放射線の話はとかく「わかりにくい」印象を与える。 本書を読んで、なぜ「わかりにくい」か、いくぶんか整理された。 ・核反応は、人に馴染みの深い化学反応とはまったく違う反応であること ・利用の歴史がまだ浅く、したがってその害についての蓄積データが少ないこと(特に長期のもの) ・長期に渡る微量の放射線の影響は、白か黒かではなく、「確率」が絡むこと 商店街の「ガラポン」を例にしたたとえは、感覚的に非常にわかりやすい。 その上で、子どもについてはまた別に考えるべきであるとしている点や、生産者に対する目配りもある点が温かい。 標題に「ともに考えていく」としたが、著者は自分の見方(「原発は徐々に廃止していくべきだ」)を押しつけることをしない。読者が基礎的な知識を身につけ、自身で判断できる基盤を持つことを目指している。 そこに放射線障害のやっかいさ(白黒をつけにくい)を感じる一方で、科学者の誠実さとはこのようなものだろうと胸の熱くなる思いも抱く。 *同タイトルのウェブページ「やっかいな放射線と向き合って暮らしていくための基礎知識」http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/radbookbasic/で本書の全内容が公開されている。 *噛み砕かれて書かれているがゆえに、理系読者にはやや物足りない部分があるかもしれない。 「放射線と原子力発電所事故についてのできるだけ短くてわかりやすくて正確な解説」http://www.gakushuin.ac.jp/~881791/housha/index.htmlを辿っていくとさらに詳しい解説がある。 これらのページは必要に応じて更新されていくとのことだ。 *それにしても、実効線量とか等価線量とか、単位の用語もわかりにくいよなぁ・・・。もう少し何とかならないものなんだろうか・・・。

Posted byブクログ

2012/12/17

大変素晴らしい本(などと私如きが申し上げるのも憚れる).マーカで真っ赤っかになってしまった.中学生でも判る様に,数理ではなく平易な言葉のみでざっくりとした物理を解説なさっている.本の内容は全てwebでも無料公開されているとのこと.家族で熟読致します.

Posted byブクログ

2012/12/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

この本は全ての日本人に読んでほしい。放射能に関する知識がわかりやすく丁寧に書かれています。文系の人でも簡単に理解できるし理系の人のため脚注がたくさん載っている。しかも価格は1000円。 そして放射能に対して「中立」に書かれています。一番印象に残ったのは放射能を「気にする自由」と「気にしない自由」があること。それは個々人が決めればいいし、行政は「気にする自由」の人を考慮に入れながら対策を進める必要があると説く。放射能って何から始まって、身体にどんな悪さをするのかとか、除染や食品による内部被ばくについて平易に書かれています。私はこの本でだいぶ頭の中が整理されました。良書です。

Posted byブクログ

2012/11/24

理論物理学者による3.11以降のわかっていること、わかっていないことの解説。 脚注も適切で、いま何を恐がり、何に安心すべきか、ずいぶん得心できた。 被災地の食物について、何となく内部被爆とかいうキーワードが気になっていたけど、これからジャンジャン食べて復興支援しようと思った。

Posted byブクログ

2012/11/18

 学習院大学田崎先生による、放射線影響に関する至極生真面目な「基礎知識」についての解説本。  おそらく多くの読者は、何度か読み返さないと十分な理解が得られないと思う。  しかし、東京電力福島第一発電所の事故による放射線影響はそんなに簡単なものではない。  凡百の危険を言い募る著作...

 学習院大学田崎先生による、放射線影響に関する至極生真面目な「基礎知識」についての解説本。  おそらく多くの読者は、何度か読み返さないと十分な理解が得られないと思う。  しかし、東京電力福島第一発電所の事故による放射線影響はそんなに簡単なものではない。  凡百の危険を言い募る著作や安易に安全を謳う著作とは全く異なる。  普通の人間が読んでも理解しにくいICRPの報告書を一から読み解き、それを元に書かれたのが本作である。二度、あるいは三度読めば理解できる。  田崎先生の誠実さに感謝してもし足りない。  新聞書評にあったが、この先十年後二十年後、この本があったことをどのように思い返すのか。  何度でも読み返したいし、読み返している。

Posted byブクログ

2018/10/14

放射線について正しい基礎知識を得て自らで判断を下すためには、この本をまず読まなければならない。少なくとも物理的な数値に関しては正確に記載されており、さらにわかりやすい数量感覚として表現されている。 一方、著者の「理論物理学者」としての経歴からは、例えば内部被曝の現行の実効線量計算...

放射線について正しい基礎知識を得て自らで判断を下すためには、この本をまず読まなければならない。少なくとも物理的な数値に関しては正確に記載されており、さらにわかりやすい数量感覚として表現されている。 一方、著者の「理論物理学者」としての経歴からは、例えば内部被曝の現行の実効線量計算モデルがどの程度の確実性があるのか、といった生体系の知識については素人だろうな、と推測できる。 もっとも、著者は実績のある科学者であるから、一次文献を読みこんで信頼のできる情報だけをきちんとまとめているに違いない。また、科学を装う胡散臭いものを見分ける目は極めて鋭いであろう。したがって本書の信頼性は類書よりも高いといって良いと思う。 ひょっとしたら、中身をきちんと読まずに「内部被曝の影響を軽視しているのはけしからん」などと本書を批判する人がいるのかもしれないが、とんでもないことだ。今、必要なのは劣化情報や誤認情報を浴びて強化された「思い込み」ではなく、科学的な知識、分析、推論にもとづく合理的な判断だ。

Posted byブクログ

2012/11/18

放射能や放射線に関する物理学の基礎や人体への影響について、平易な記述に徹することにより、最低限の知識の普及に務めようとしている本。過剰に煽ったり他者を攻撃することなく、何がわかっていて何がわかっていないかをわかりやすく記述していることに好感が持てる。多くの人に読んでほしい。

Posted byブクログ

2012/10/03

 書籍ではなくて,ダウンロードしたものをスマホで読んだ。とても分かりやすく,ごまかしも偏向もまったくない。この本に書いてあることを踏まえて,原発事故による汚染について冷静に考えていくことができると思う。  高校生くらいで十分読めるので,そのころになったら子供にもすすめてみたい。

Posted byブクログ

2012/09/30

福島原発事故以降、関心の有無問わず向き合うことになった放射線と放射性物質。 専門用語も乱立した昨今、手引きとしては最適の本だと思う(元々が文系上がりの自分にとっては特に有り難かった)。 判明していることに関しては、その知見を惜しまず解説されており、解らないことに関しては(安全...

福島原発事故以降、関心の有無問わず向き合うことになった放射線と放射性物質。 専門用語も乱立した昨今、手引きとしては最適の本だと思う(元々が文系上がりの自分にとっては特に有り難かった)。 判明していることに関しては、その知見を惜しまず解説されており、解らないことに関しては(安全/危険問わず)、正直に解らないとする著者の姿勢にも好感が持てていい。また、誤って理解されている点(例えば、実効線量と等価線量の意味が混同されがちな点)にも丁寧に言及されていたりと、労作。 勿論、これで事故後の社会的影響・被害由来の不安云々が完全に解消されていく訳でもないが、この本を通じて大概のことは冷静に整理していくことが出来るだろう(それだけでも、気の持ちよう含めて全然違ってくる)。

Posted byブクログ