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償いの報酬 の商品レビュー

3.7

16件のお客様レビュー

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2024/02/07

なかなか面白い。 アル中の私立探偵が、同じくアル中仲間の死の真相を追う。途中、アルコールやドラッグの依存をめぐってさまざまな事例が語られ、しかし真相にはたどりつけず、しかし関係者は死んでいき…。この過程で交わされる会話が、とくに「スポンサー」と交わされるアドバイスのような会話が、...

なかなか面白い。 アル中の私立探偵が、同じくアル中仲間の死の真相を追う。途中、アルコールやドラッグの依存をめぐってさまざまな事例が語られ、しかし真相にはたどりつけず、しかし関係者は死んでいき…。この過程で交わされる会話が、とくに「スポンサー」と交わされるアドバイスのような会話が、味わい深い。ただ、名作「八百万の死にざま」ほどではなかったかな。

Posted byブクログ

2022/05/07

アメリカの作家ローレンス・ブロックの長篇ミステリ作品『償いの報酬(原題:A Drop of the Hard Stuff : A Matthew Scudder Crime Novel)』を読みました。 『八百万の死にざま』に続きローレンス・ブロックの作品… ここのところ、ローレ...

アメリカの作家ローレンス・ブロックの長篇ミステリ作品『償いの報酬(原題:A Drop of the Hard Stuff : A Matthew Scudder Crime Novel)』を読みました。 『八百万の死にざま』に続きローレンス・ブロックの作品… ここのところ、ローレンス・ブロックの作品が続いています。 -----story------------- アル中探偵マット・スカダー復活? 『八百万の死にざま』から1年。 完全に酒を断ち切ることはできるのか――シリーズ最新作 【探偵マット・スカダー・シリーズ】 禁酒を始めてまもなく1年が経とうとしていた。 いつものようにAAの集会に参加したスカダーは、幼なじみで犯罪常習者のジャック・エラリーに声を掛けられる。 ジャックは禁酒プログラムとして、過去に犯した罪を償う“埋め合わせ"を実践しているという。 そんな矢先、銃弾を頭部に撃ち込まれ何者かに殺されてしまう。 スカダーはジャックの遺した「埋め合わせ」リストの5人について調査を始めるが……。 名作『八百万の死にざま』後をノスタルジックに描いたシリーズ最新作。 ----------------------- 2011年(平成23年)に刊行されたマット・スカダー・シリーズの第17作… 74歳になったスカダーが30年前の『八百万の死にざま』の翌年に起こった事件を振り返る趣向となっているので、時系列的には、ちょうど良い順番で読んだ感じですね。 禁酒を始めてから3カ月が経とうとしていた頃、スカダーは幼馴染で犯罪常習者だったジャック・エラリーと思いがけずAAの集会で再会する… ジャックは禁酒プログラムの第九ステップ――過去に自分が傷つけた相手全てに“埋め合わせ”をするステップ――を実践しており、真人間に生まれ変わろうと務めていた… そんな矢先、銃弾を頭部に撃ち込まれ何者かに殺されてしまう、、、 殺されたことと、彼が第九ステップを実践していたことは何やら関係がありそうに思われ、スカダーはジャックのAAの助言者(スポンサー)であるグレゴリー(グレッグ)・スティルマンに依頼されて調査に乗り出す… その結果、ジャックが“埋め合わせ”をしようとしていた相手が5人いることがわかる。 その5人の誰かが犯人なのだろうか、その5人の中にはそもそも犯人はいるかどうか……。 アル中患者の治療プログラムに直結する事件… 調査の中でリストの5人を訪ねるエピソードも、それぞれ興味深く、捜査の過程が愉しめましたね、、、 そして、真犯人を突き止め、真犯人と対峙するクライマックスシーンは緊張感たっぷりで印象的でした。 決着のつけ方には賛否両論ありそうですが、これはこれでスカダーの判断として支持したいと思います… 物的な証拠がなく、司法の手に委ねられない事案であれば、自ら決着をつけるしかないですからね、、、 この判断も、ひとつの選択肢だと思いますね… カタルシスを感じる決着方法ではないですが、白黒はっきりさせることと表裏一体の方法だと感じました。 やや冗長な感じはあるのですが… スルメのように噛めば噛むほど味が出て、やめられなくなるシリーズですねー 次もマット・スカダー・シリーズを読んでみようと思います。

Posted byブクログ

2019/06/02

20190602 「1日はどんな日も一度に一日ずつ過ぎる。長いスパンで考える必要などどこにもない。ただ、ずっと続けていれば、それが長いスパンの禁酒になる。この分かりにくい目的を確実に達成するにはどうすればいいかわかるかい?」 「どうすりゃいいんだね?」 「飲まないことさ」と彼は言...

20190602 「1日はどんな日も一度に一日ずつ過ぎる。長いスパンで考える必要などどこにもない。ただ、ずっと続けていれば、それが長いスパンの禁酒になる。この分かりにくい目的を確実に達成するにはどうすればいいかわかるかい?」 「どうすりゃいいんだね?」 「飲まないことさ」と彼は言った。「そして、死なないことだ」 自分に何ができるか考えてみる、と私は彼に言った。 p.431

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2018/11/14

ついにマット・スカダーシリーズも終了? それとも? 老練なマットなんて別にいらないのに、長期間シリーズとつきあってくると、こういう具合に幕引きしたくなるのかな。 著者も老いたということも含め。 ミックが活躍しないと面白くないなー。 なんてミーハー、だめ?

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2015/08/25

年老いたスカダーの回想録。しかし、ローレンス・ブロックも歳をとったのか、そういう懐古的だったり、諦念的な目線が多い。物語は、わりとストレートな感じだった。

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2014/07/06

マットスカダー第十七作。 原題"A DROP OF THE HARD STUFF"。 禁酒直後のスカダーを描いた作品。 ジャンとの別れなど曖昧になっていた所が書かれていたのは良かった。 ただ、あくまでここまで読んできた読者向けな感じが。 これでスカダーの既...

マットスカダー第十七作。 原題"A DROP OF THE HARD STUFF"。 禁酒直後のスカダーを描いた作品。 ジャンとの別れなど曖昧になっていた所が書かれていたのは良かった。 ただ、あくまでここまで読んできた読者向けな感じが。 これでスカダーの既刊分は読了、 と思ったらまだ短編があったので次はそちら。

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2015/04/21
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

何を期待して読み始めた訳でもないのだが、 思い出話で良かったかも。 74歳のマット・スカダーの活躍、には、 かなり無理があるので。 いろいろ懐かしい人たちの名前が出てきて、 このシリーズを読み続けてきた人には、 たまらないだろう。 ハリー・ボッシュの、縦横ななめに急回転、急カーブするジェットコースターのような展開とは違って、 ストンと落とし穴に落ちるような感覚がなんとも言えず良い。 このハリー・ボッシュとマット・スカダーを平行読みしていた間は、 私の読書人生の中でももっとも幸福な時だったに違いない。 ああ、でもTJのその後が知りたかったから、 彼が活躍する話でも良かったかも。

Posted byブクログ

2013/09/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

禁酒直後の焼け付くような渇望が良い。 時系列歴には「800万の死に様の直後」だが、 回想なのでやや達観した感じも見られる。 犯人探しはメインではないのだが。

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2013/06/24

昔はわくわくして読んでいたけれども、間が空きすぎたのか、自分が歳をとったのか、感じ方が変わってしまいました。

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2013/01/01

ローレンス・ブロックのマット・スタガーシリーズの最新作。最新作であるが、スタガーの回想が物語になっているという構成であり、物語の舞台は現在ではなく、1980年代の初め頃という設定である。 マット・スタガーシリーズは非常に寿命の長いシリーズであるが、前作の「すべては死にゆく」がシリ...

ローレンス・ブロックのマット・スタガーシリーズの最新作。最新作であるが、スタガーの回想が物語になっているという構成であり、物語の舞台は現在ではなく、1980年代の初め頃という設定である。 マット・スタガーシリーズは非常に寿命の長いシリーズであるが、前作の「すべては死にゆく」がシリーズがこの作品で終わるような印象を与えるものであったため、私を含め、スタガーシリーズのファンには非常にうれしい1冊であった。ただ、上記のように最新作とはいえ、基本的に回想録なので、現在のスタガーが活躍する話ではなく、シリーズに新しい展開が加わるわけではない。 文末の解説によれば、マット・スタガーは設定としては74歳になるはずであるとのこともあり、現在のスタガーが活躍する話をシリーズの最新作として今後読めるかどうかは、少し微妙な気はする。

Posted byブクログ