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精神保健サービス実践ガイド の商品レビュー

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2020/05/28

精神科患者を地域コミュニティの中で支えていくためのシステム作りを、その国や地域ごとの状況や推移に合わせてガイドする本。分かりやすく平易な言葉遣いで、専門職だけでなく当事者や家族も読めるといううたい文句。 元は「地域」というキーワードへの志向はそこまで強くなかったので、数年前なら...

精神科患者を地域コミュニティの中で支えていくためのシステム作りを、その国や地域ごとの状況や推移に合わせてガイドする本。分かりやすく平易な言葉遣いで、専門職だけでなく当事者や家族も読めるといううたい文句。 元は「地域」というキーワードへの志向はそこまで強くなかったので、数年前なら「教科書っぽくてつまんなそう」と手に取らなかった本だと思う。確かに教科書っぽい、できるだけ平たく尖りや偏りを避ける感じはあり、それが巻末で家族の言う「血が通っていない」にも通じるのかもしれない。 しかし、状況を変え、それを長期的に機能させていくには、草の根の活動をシステムにまで昇華させる必要がある。それを可能にするために、専門家としてできることを探したのがこの本なのだと思う。だから新しいシステムを夢想しながら読む人には実践的なガイドになり得るし勇気づけられる。 当事者や家族はサービスの受け手=評価機構として、忌憚なく意見を出し批判する役割が求められる。うまく噛み合って共働するシステムが作り上げられればそれが一番良い。その役割の啓蒙という意味で、この本は専門職以外の読者も想定したのではないだろうか。 実際的に知らなかった知識も多く、付箋をたくさんつけた。一つ一つ調べながらまた夢想を続けてみようと思う。

Posted byブクログ