yaso 夜想 #ぬいぐるみ の商品レビュー

芸術・芸能・エンタメ・アート

2019/06/14

■ 「ぬいぐるみ」の起源から現代作家まで ■
ーギフトやインテリアにもー

ぬいぐるみの歴史は意外にも浅く、19世紀半ばのドイツにさかのぼります。本書はぬいぐるみの母、マルガレーテ・シュタイフの歩みから記述をはじめ、主に現代日本のぬいぐるみ作家達までを紹介しています。

マルガレーテ・シュタイフは、今やぬいぐるみの代名詞ともなった「シュタイフ社」の創業者。誰もが知っている「テディベア」を生んだ会社です。女性であり、身体障がいを持ちながらも社長として活躍したことは、当時の厳しい世相において驚くべきことでした。彼女の人生は、「ぬいぐるみとはそもそも何か」という問いへの理解を深めてくれます。

現代作家として、商業施設「Ethica」のイメージキャラクターをてがけた大塚勝俊さんや、ヒグチユウコさんとのコラボも人気の今井昌代さん等多数。またテディベアファンに人気の、耳が黒いクマ「スーティ」の特集は必見。

身近な存在であり、多くの子供達(大人にとっても)「永遠の友達」であるぬいぐるみについて、豊かな気づきを与えてくれる本だと思います。

表紙は人気ぬいぐるみ作家hippiecoco (ヒッピーココ)さんによる作品で、ぬいぐるみでありながら囚人使用という毒の利いたかわいらしさ。かわいいもの好きな人へのギフトとして向いていると思います。もちろん自分用としても。私は読み終えたのち、表紙が見えるように置いてインテリアとして飾っています。