ゼロからトースターを作ってみた の商品レビュー
まさか原材料の発掘からとは。 最初に表紙のいかにもおっそろしい出来栄えのトースターを見たときは苦笑いしたものだけど、読み終えてから眺めてみれば感慨深い…いや、うーん、どうだろう…。 資金的な意味でも、協力者を募る意味でも、研究者にはいつだってセルフプロデュース能力が欠かせないのだ...
まさか原材料の発掘からとは。 最初に表紙のいかにもおっそろしい出来栄えのトースターを見たときは苦笑いしたものだけど、読み終えてから眺めてみれば感慨深い…いや、うーん、どうだろう…。 資金的な意味でも、協力者を募る意味でも、研究者にはいつだってセルフプロデュース能力が欠かせないのだ…。
Posted by
鉱山に鉄鉱石を掘りにいくところから始まるトースター自作プロジェクト。 作中に出てくる「貨幣経済においてはカウントされないコスト」という言葉、私は日頃こういうことはほとんどすっかり忘れて便利な生活を享受しているのですが、この本は良いリマインダーになってくれました。
Posted by
イギリス人の大学生が書いたそうですが ネットにアップしたりして話題を掴んだりとマーケティングがきちんと狙ってるあたりこの作者はしたたかだなっと思いました。
Posted by
訳が秀逸。 でも、元がブログからだからか、ネタっぽい訳もけっこうあるので、人を選ぶかも。 あと、内容は完全に人を選ぶ。真面目にDIYの究極系だと思って読みたい人にはオススメしない。
Posted by
素晴らしいほどのバカである。 こんな無謀なこと、通常なら絶対にしない。 3.94ポンドで買えるポップアップトースターをゼロから作り上げるなんて。 材料を買って組み立てるってもんじゃない。 材料から山に探しに行き、作ってしまおうというんだから。 それも芸術科の大学生が卒業論文のため...
素晴らしいほどのバカである。 こんな無謀なこと、通常なら絶対にしない。 3.94ポンドで買えるポップアップトースターをゼロから作り上げるなんて。 材料を買って組み立てるってもんじゃない。 材料から山に探しに行き、作ってしまおうというんだから。 それも芸術科の大学生が卒業論文のために。 結局、1187.54ポンド以上の費用をかけて作った。 ただそこには、家電量販店で並んでいるものを買うのとは違う、まったくの別世界が広がっている。 どうやって人々は鉄を生みだし、どういう過程をたどったのか。 また環境や人々の暮らしをも考えている。 と、そんなまとめ方をしているが、全体的に書き方が話口調で、バカっぽい。(原文を見ないとわからないが) 鉄を探しに山へ軽装でいってしまったり、家の裏で電子レンジを加工して鉄を溶かしてみたり、プラスチックを解かそうとして燃えてしまい、有害ガスがでたり… はちゃめちゃである。 でも、こんなバカになってみたい。
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
この前読んだ「ノンフィクションはこれを読め! 2013 - HONZが選んだ110冊」でレビューされていた本。 手軽く読め笑えて、且つ、メッセージ性のある内容っぽかったので読んでみた。 ■概要 英国の大学生が実際に卒業制作で「ゼロから」トースターを作った奮闘記。 ここで言う「ゼロから」とは、原材料の鉄・プラスチック・銅・ニッケルなどを、原産地(鉱山など)から掘って、精製・加工した後に組み立てて作るということ。 自家製の溶鉱炉で鉄鉱石から不純物を取り除き鋼を製錬しようとしたり、銅山周辺の池から採取したミネラルウォーターを銅を電気分解したり、ジャガイモのでんぷんからプラスチックを造ろうとしたり、化学知識を総動員して試行錯誤、悪戦苦闘。 時には、失敗したり、最初のルール解釈を変えるズル(?)したり。バカバカしくも感動的な物語。 ■感じたこと 著者が、近所のお店で買えば1000円程度のトースターを、約15万円(作成期間9か月間・移動距離3060キロ)かけて作ることを通して学んだのは以下のようなこと。 ・世の中に出回っている大量生産の商品が、いかに高度な技術の積み重ねで出来ているか ・商品の値段には含まれていないもの(空気や川の汚染、製造過程で出来る廃棄物、リサイクルのためのコスト)が実はあるんだということ ・富とは相対的なものであり、周りの人が持っているものを自分が持っていないと「貧しさ」を感じる。そのため、豊かさを追及していたらキリがない この本を読むことで、読者もそれらを笑いながら追体験できる、メッセージ性のある本だった。 日本でも、TVの深夜バラエティー番組とかで、お笑い芸人にやってもらったら楽しいかも。 そして、著者が最初にこの挑戦におけるルールを決めるときに悩んだのは、「ゼロから」という言葉の定義。 移動には交通手段が必要だし、電気やドリルなどの道具なしには加工もできない。本当に「ゼロから」何かを作ることなんて不可能なのだ。 「一からアップルパイを作ろうとしたら、まずは宇宙を想像しなくてはならない」という有名な言葉があるらしい。 そんなことも気づかせてくれた。
Posted by
ディスカウントストアーに並ぶ汎用的なトースターに注目し、製品を構成する5種類の材料を探す冒険潭と、それを加工する苦労話が英国特有のユーモラスで軽快なタッチで書かれていて、軽い気持ちで読めます。 表紙を見て、これはきっとパンの材料が爆発してドロドロに溶けてかかったのだろうと想像して...
ディスカウントストアーに並ぶ汎用的なトースターに注目し、製品を構成する5種類の材料を探す冒険潭と、それを加工する苦労話が英国特有のユーモラスで軽快なタッチで書かれていて、軽い気持ちで読めます。 表紙を見て、これはきっとパンの材料が爆発してドロドロに溶けてかかったのだろうと想像していましたが、不正解でした。 エピローグを読むと、これはきっと次回作があるに違いない、と期待を感じさせます。
Posted by
真の『失敗』とはッ! 開拓の心を忘れ! 困難に挑戦する事に無縁のところにいる者たちの事をいうのだッ!
Posted by
- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
ゼロからトースターを作る、ゼロからと言うのは文字通り、部品を素材から作るところからだ。 鉄なら鉄鉱石を鉱山から採取するところから始めて、それ炉で精錬し、できた鉄を叩いて伸ばして部品をつくる。 トーマス・トウェイツの悪戦苦闘ぶり、失敗をしてはそこから何かを学び取る前向きな姿勢がとても良い。 もし美術系の大学生でなく、工学部の学生ならもっと上手くトースターを作ることができただろうけど、ここまでプロジェクトがおもしくはならなかったはず。 彼のこの冗談とも思えるチャレンジを通じて、単純な電化製品にすら途方もない技術の積み重ねがあることを知ることができる。 また、それをあまりにも安く手に入れられてしまう消費者は、資源採取による自然破壊などの本来なら負担すべきコストを負担していないのではないかという批判も含んでいる。 じゃがいも澱粉でプラスチックを作ったり、電子レンジで鉄を精製してみたいという人は読むべし(笑) 家庭用電子レンジの中で鉄が赤々と光っている写真は思わず笑ってしまうぞ。
Posted by
イギリスの学生が、トースターを一から作ってみる、と言って、鉄鉱石を堀りにいくところからはじめちゃうお話。 結果を言ってしまうと、様々な問題からすべての材料を一から調達するというわけにはいかなかったのだけれど、そのできなかった、ということがすごく大事なんだと思う。 私たちはきっと、...
イギリスの学生が、トースターを一から作ってみる、と言って、鉄鉱石を堀りにいくところからはじめちゃうお話。 結果を言ってしまうと、様々な問題からすべての材料を一から調達するというわけにはいかなかったのだけれど、そのできなかった、ということがすごく大事なんだと思う。 私たちはきっと、身の回りにあたりまえに存在していて、安値で簡単に手にはいる様々なものに、もっと疑問を持つべきなのかもしれない。 手作りの限界に挑戦したこの素敵なプロジェクトに、心からの拍手を送りたいです。 9カ月の月日と約15万円の出費を費やして、1枚もパンをトーストすることなく壊れてしまったトースターをつくった経験は、きっと一生の財産になるはず。
Posted by